第一話 桜坂生徒会
特に自慢できる産業があるわけでもなく、また都会でもなければ田舎でもない。そんなごく平凡で、特徴がないのが特徴である市、樋川市。その樋川市のちょうど真ん中の位置にそびえている高校が、私たちが通う桜坂高校だ。
偏差値はやや高め。部活動はそれなりに盛ん。そしてこの高校の最大の売り文句は自由な校風。対して厳しくもない校則を幾つかお情け程度に作っただけで、それはもはや放置していると言っても過言ではないだろう。生徒による自主性を重んじるなどと言っているが、ただ教師が生徒の管理をするのを面倒に思っているだけなのではないか、と思ったことは一度や二度ではない。しかし、そんなチャランポランな高校でありながら、偏差値が高いためか、高名な生徒会の圧力によるものか、それほど不良と言われる人種は生息していなかったりする。
その代わりに少々奇抜な人種が多様に生息しているのだが。
そんな我が高校を私の友はこう言った。
平和だが平穏ではない桜坂。
少し言いすぎなところもある気はするが、大まかなところは間違っていないだろう。そんな面白可笑しい我が高校。その中でも更に奇抜な人種が集まったのが、かの有名な桜坂生徒会だ。とかく言う私も実はその生徒会に所属している。もちろん私は奇抜でも奇妙でも気違いでもない。ごく凡庸な人間だ。こんな私がこの生徒会に入れたのは、偶然に偶然に偶然が重なった後で奇跡でも起きたのだろう。まあ、過程はどうでもいいのだ。結果、私はその生徒会に所属しているのだしな。
ん?どうやら今日もそろそろ生徒会が始める時間のようだ。
一年のあの子が生徒会に入ってからは、面白かった生徒会が今まで以上に愉快なものとなった。さてさて、今日は一体何が起きるのだろうか。
ふふふ。今日一日も退屈しなくてすみそうだな。
初めて書いた作品で正直ドキドキです。できるだけ皆さんが呼んで面白いと思う小説を書いていきたいと思っていますので、どうかよろしくお願いします!