崩壊
「異世界って戦車とか戦闘機あったの?!」
「そんなに驚くことかしら?」
「魔王とかゴブリンとか...」
「魔王はいないわ、けどゴブリンとかエルフとかは居る」
「人間に敵対してるんでしょそいつら?」
「いいえ、種族が同じでも国の主義主張が違うから戦争は起こるわ」
「この世界の小説や漫画だと人間が正義なんだけどな...」
「正義は相手にとっては悪であることもあるのよ」
私は川崎茜、薬局を経営している龍神と人間のハーフの女だ。そして彼女は紫色のロングヘアに身体の輪郭がはっきりと見える白くて薄いネグリジェみたいな服を着ていた。本人が動くたびに中に来ている下着が薄っすらと確認できる。けど見ても見ないふりをする。それがマナーだ。いくら同性とはいえ、目のやり場に困る。自分が男だったら別だけど、『変態』と言われて金玉蹴り潰されるのが想像できる。
「知ってるよそれくらい」
「私は『ダルタニア公国』という国で夫のエリオットとこの店を経営してた」
「夫?ということはそのお腹には...」
「えぇ、彼との子供よ」
「エリオットさん居ないの?」
「戦死したわ」
「戦士、魔法で殺されたの?」
「銃弾にあたっって死んだ」
「銃弾?待って魔法の世界なのに鉄の弾使うの!?」
「魔法よりも早く敵の兵士を殺せるから、それだけよ」
「冗談でしょ」
「一応、魔法の杖も持っていくけど余裕のある時にしか使わないわ」
私の知っている異世界の常識が崩れていくのを実感した。やっぱり戦争って人を変えちゃうんだ..夫の宅間大智もそうだった自分の絶交した友人には散々DV男だとレッテル張られていた。けどあの人は実際に本物の銃で森林や山岳などで武装したテロリストと国連軍との共同で多く殺している。表向きはただの殺人犯だけど、政府のマスコミ対策だ。警察のパトカーで防衛省に連れていかれた。そしてその後家に極秘に大量の渋沢栄一が入った封筒が退職金として送られてきた。通常の自衛官の一ヵ月分の給料の三倍だった。
「何かごめんね暗い話ばっかりで...ん?これは?」
「あぁ、それあっちに居た時の書類」
「何て読むの?」
「個人情報です」
「もしかして、公務員?」
「えぇ、そうよ」
「戻らないの?」
「そうね」
「そっか、あ、これ家の薬局で取り扱ってる薬。良かったらどうぞ」
「ありがとう」
「次からはお金取るんだっけ?」
「当然よ、私も商売人ですもの」
身体がだいぶ軽くなった。あの女(浅霧睡蓮)に連れられてきたけど。いい店である事には代わりは無かったし、本もたくさんあった。後で借りにこよっかな。けどそれだと本人に貸しを作ったことにならないかな?けど、薬学とか科学の書籍も私以上に持ってたし。それは覚悟のうえで読ませてもらおう。




