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我楽くたくた万博漫遊記  作者: 小椋夏己
2025年9月24日(水)十六回目
677/714

二度目のチュニジア館・その三

 19時15分ぐらいに中に入れて、前にも見たけどもう一度できるだけちゃんと展示を見てから奥へと進みました。


 最後の部屋を出たらすぐそこがスナックなんかを売ってるカフェで、そこを過ぎるとちょっとしたスーク(市場)みたいになってるショップがあります。例の名前を彫っているおじさんのそばから列ができてました。


「すみません、これは名前を彫ってもらう列ですか?」


 聞いてみたらそうだという返事。おじさんのすぐそばに若いお嬢さん、その次にお若いお嬢さん、そしてその次に見るからに大阪のおばちゃんの数人組。その後ろに私も並びました。私の後にも次々に人が並んでいきます。


 おじさんのすぐそばのお嬢さんの順番が終わり、次のお嬢さんになった時に大阪のおばちゃんの一人が、


「なあなあ、これなんぼって言うてた?」


 とお嬢さんに聞いたんですが、どうしてかと思ったら万博はキャッシュレスのはずなのに、前のお嬢さんが彫ってるおじさんに現金を渡していたらしい。


 値段を聞いたら、おじさんの目の前にある金色の棒の指輪が3000円、腕輪にするのは8000円って!


「ええっ、3500円って聞いたで!」

 

 私も聞いてました。ネットでも見たし、前に来た時にショップの人にもそう聞いたような気がする。


 ですがおじさんの言うには、といっても日本語が分からないので指さして値段を繰り返すだけですが、


「(指輪サイズを指差し)サンゼンエン、(腕輪サイズを指差し)ハッセンエン」


 です。


 そうしたらおばちゃんの代表みたいなおばちゃんが、


「なあなあ、まけてえなあ、こんだけ並んでんねんで」


 と、前のお嬢さんから自分のグループ、そして私やその後ろの人までずらーっと仲間みたいに言ったんですが、おじさんは首を横に振るだけ。


「そんな高いのやったらもういらんわ」

「そやな、やめよか」

 

 と、おばちゃんご一行は列から抜けたんですが、前のお嬢さんはそのまま並んでいたのでおばちゃんの一人が、


「あんた頼むん?」


 と聞いたらお嬢さんが、


「せっかくやってもらうつもりで並んだし、指輪を」


 と、おじさんの目の前の金色の棒の短い方に名前を刻んでもらうことになりました。

 

 おばちゃんご一行、その作業を見守っていましたが、私は違うことでちょっと悩んでました。

 

 実は、前回来た時に「これいいな」と思ってたのがあるんです。それはその金色の棒を曲げただけのとはちょっと違い、銀色でいいデザインのバングルだったんです。それがいくらなのか気になる。


「これはいくら?」


 聞いてみたら、


「ロクセンエン」


 と返ってきた。


 うーん、6000円かあ。3500円の予定できてるしどうしよう!


 悩んでいる間に前のお嬢さんの指輪が完成しました。

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