急病人が出ました
改札のところで乗る電車とホームの番号はチェックしていました。それで最速で新快速に乗る列の最後尾に付いたわけですが、電車の発着を知らせる「発着表」とでも言うんですかね、その中でこんな文字がぴかぴかしていました。
「6分遅延」
え、電車遅れてるの? 一体何があったんだろう。
そう思っていたら放送がありました。
「到着の予定の新快速の車内で病人が出ました。一つ前の神戸駅で救護活動を行うため、電車が遅延します。現在は6分遅れですが、場合によってはさらに遅延する可能性があります」
ええっ、何それ!
どうやら電車はまだ前の神戸駅に着いていなくて、中で出た病人を助けるためにしばらく神戸駅に停まるらしい。
なんたること! あの時、あのまま前の電車に乗っていたら、今頃大阪に向かってまっしぐらなのに!
「どうしよ」
「もしかしたら快速の方が早いかも」
実はT氏、今でこそ引きこもりですが、以前は大阪まで毎日電車で通う生活をしておりました。そのため、関東からこっちにきた新参者のくせに、私よりずっと電車に詳しい。私は三ノ宮までの駅とかなら分からないことはないけれど、その先のことは分からない。
「快速に乗るか」
新快速の列を離れ、反対側の快速の列に並びました。
と、また放送が。
「電車はただいま神戸駅に到着し、病人の救護活動を行っております」
そうか、今神戸駅なんだ。体調不良の人、ひどくなければいいのだが。
「なお、今の予定では、先発の快速より、新快速の方が先に大阪駅に到着する予定です」
放送を聞き、さっきより長くなった新快速の列に並び直したのは言うまでもありません。




