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我楽くたくた万博漫遊記  作者: 小椋夏己
六回目に向けて
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時計の電池を入れろ

 初めて万博に行った日のことです。


「時計が止まった」


 最寄り駅から電車に乗るのに並んでたら、いきなりそんなことを言い出した人がおりました。


「え、いきなり?」


 と聞いたら、


「家を出る時におかしいかなと思った」

 

 って、そんなら置いてこいよ! と思いましたが、もう出発してしまったのでどうしようもない。


 しばらくしたらT氏が、


「あ、動き出した」


 と言うので、


「電池じゃなくて振ったら動くタイプだったんじゃないの」

 

 と言ったら、


「そんなことはないはず」


 と言って、しばらくしたらまた、


「やっぱり止まった」


 ということになりました。電池は切れたけど、動いた衝撃でちょっと動いただけだったのかな。


 その後も時計をはずさず、ちょっと並んで待ったりしたら、


「これで何分ぐらいかな」


 と時計を見るので、


「意味のないことをするな」


 と非難しておきました。

 

 それからなかなか電池を入れに行かず、ずっと人に、


「今何時」


 と聞くので、


「きさまあ、いい加減に電池を入れろ! もしくは入れないのなら自分のスマホを見ろ!」


 と言い続けて五回目の万博が終わりました。


 とうとう電池が入ったので万々歳です。


 今度からは時間を聞かれても返事をしないことに決めたので、ここしばらく放置していた腕時計を忘れないことを祈るばかりです。

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