コロンビア館・その三
細長い廊下の明るい方に展示されていたのは、ノーベル文学賞作家、
「マルシア・ガルケス」
が使っていたタイプライターとそのケースでした。本当に貴重な品を、今回の万博のために貸し出してくれたとか。とてもありがたいことですが、万博が終わってお国に帰るまで大事に大事にしてくださいと、こういうのはちょっと心配になったりします。いや、どこの展示でもそうなんですが。
私も名前と「百年の孤独」のタイトルぐらいは聞いたことがありますが、読んだことはありません。説明の係員さんも「途中で挫折する」と言っていて、みんな笑っていました。
このパビリオンのメインテーマがこの「百年の孤独」だということで、読んでいたらどれほど楽しかっただろうなあとちょっと残念に思いました。でもきっと挫折してて、どんな話だったか忘れてただろうから、まあ一緒か。
細長い廊下から、
「蝶の導きでいってらっしゃい」
と送り出された部屋の中は、暗くて細い柱が何本も、ストーンサークルのように並んだ部屋。丸い柱の上にはコロンビアの色々な物か、はたまた「百年の孤独」に出てくる物なにかは分かりませんが、色々な物が入っていて触ることができました。
たとえば塩、砂、水、鉱物、植物、色々な物が置いてあって、実際に触れられるんです。パーム油は本当に油だったのでちょっとねっとりしました。
その柱たちを色々に変わる光が照らし出し、なんとも幻想的な空間でした。
次の部屋に入ると今度はコロンビアの色々な動植物の紹介です。おなじみのアマゾンカワイルカやカビバラなんかももちろん載ってました。そして南米のネコ科の動物というとやはりジャガーです。南米の古代文明ではジャガーを神として信仰をしてました。やっぱりここもインカの一部だったんだなあ。
少し話は違うんですが、この部屋にいるとどこかから音楽が聞こえてきて、
「なんかこの音楽、ビヨンド・ザ・タイムと似てるんだが」
と思えてしょうがない。
なんだろうと思って最後の部屋に行ったら、
「伝えきれないコロンビアのことを映像で流しています、どうぞ御覧ください」
と動画が流れていて、その一部の音楽が似ていました。
暑さにやられた上にTM好きが高じた幻聴でなくてよかったです。
写真左上:ガルシア・マルケスのタイプライター。
写真右上:次の部屋に導く蝶たち。
写真左下:コロンビアの色々な物が乗っている柱。
写真右下:コロンビアの動物たち。




