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我楽くたくた万博漫遊記  作者: 小椋夏己
四回目に向けて
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直通はあかん!

 29日の話の前に、


「あ、これ書いておかんとあかんやん」


 というものを思い出しました。


「順調に進行」


 に書いたんですが、行く時に、


「大阪駅から桜島直行に乗ろう」


 と予定していたら、予定よりかなり早く大阪駅に着き、予定より一本早い直通が目の前で出発してしまったんです。


 帰りに今度は桜島から直通が出ていたので、それに乗ることになりました。


「これに乗ったら大阪まで直行で楽だ」

  

 そのつもりだったんですが、乗り込むときにもうかなり人が乗っていて、私は滑り込みで座れたんですが、T氏は座れませんでした。


 もう一本、向かい側にそちらは直行じゃなく西九条に行く電車が待っていて、そちらはまだまだガラガラだったのでそっちに乗り直そうかと思ったんですが、T氏がいいというのでそのまま乗っていくことにしました。


 電車が発車した後、私の右隣に座っている御婦人の二人組が電車の乗り換えなんかを調べていたようなんですが、


「え、そんなところに停まるの? 新大阪まで乗り換えが」


 と言ってるのが聞こえてきました。


 もしかしたら遠くから来られて新幹線にでも乗り換えるのかな。そんな風に聞き流していたら、


「地下ってどこ?」


 地下? 地下鉄なら東ゲートから帰った方がよかったんじゃないのかな。ぐらいでさらに聞き流していたんですが、なんかまるでこの電車が地下の駅にでも停まるような言い方だなとは思いました。


 そしてこんな放送も。


「西九条で時間調整のために停車します」


 え、そういう時間も入るの? だったらやっぱり乗り換えた方がよかったんだろうか。私は座ってるからいいけど、T氏は立ってるし、そんな気になってきました。


 そして一旦電車が停まったと思ったら、


「一瞬かい!」

 

 本当に一瞬だけ止まってすぐに動き出したんです。それでもスピード落として一瞬止まって、またスピードアプするだけ時間がかかるんでしょうが、あんな一旦停車経験したことない。


 そして着いた駅なんですが、


「ここどこ!」


 そんな駅でした。


 知らなかったんです、いつの間にかJR大阪駅にあんな地下駅ができてたなんて!


 そこからいつものJRに戻るのに、まあ冒険のようでした。


「溜池山王か大江戸線かよ!」


 思わずそんな言葉が口をついて出るぐらい、そのぐらいわけが分からないよ!


「こっちじゃないの」

「こっちかな」

「いや、この階段上がるみたい」

「今度は下るんかーい!」


 と、まるで見知らぬ土地の見知らぬ駅まで行ってしまったような塩梅で、


「これやったら環状線で乗り換えた方がよっぽど楽やった!」


 という結論に達しました。


「今度から桜島から出る大阪直通便には乗らねえ!」

 

 JR大阪駅のいつものホームに到着した時、心の底からそう思いました。

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