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我楽くたくた万博漫遊記  作者: 小椋夏己
2025年6月17日(火)三回目
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アラブ首長国連邦館・その三

      挿絵(By みてみん)


 UAEパビリオンにそびえる90本のナツメヤシの木、その根本に点々と展示物が置いてあります。おそらく同じナツメヤシで作ったであろう台の上に、ぽちょんと色々な物が。

 

 それは例えば陶器であったり、おそらく銀器のような物。そんな物が本当にさり気なく置いてあるんです。もちろん説明は書いてありますが、ちょこちょことパビリオンの方が説明をしてくれているところもあります。


 その一つ、


「ハンジャル」


 という先がくいっと曲がった剣の説明のところに、アラブの衣装の方がいらっしゃって、色々と説明をしてくれてたんですが、そこでちょっと面白いことがありました。


「この剣は動物の猟の時などに使われました。この部分が銀で出来ています。他に動物のある部分が使われていますが、どこだと思いますか?」


 と、目の前に立っていた小学生の男の子に説明の男性が質問したら、


「うーん」


 と悩んだ後、色々と答えてくれるんですが、どれも見事にはずしてくれて、その度に周囲の人たちがほほえましく笑ってました。子どもなりに一生懸命答えている姿がとてもかわいらしかったんです。


 そして説明の方がヒントを出しました。


「ここから上(と言って首から上を指し示す)にある部分です。どこだと思いますか?」

「うーん、舌?」

「もっと硬いです」

「歯?」


 という感じで、それでもなかなか当たらなくて、なんだか漫才のようなやりとりになっていました。


 答えは、


「牙」


 で、象牙なんですが、すごく楽しいひとときでした。男の子もうけてるのを喜んでたようですし、かわいくて面白かったなあ。


 私はその形が気になって終わってからちょっと質問をしました。


「先が直角に曲がってますが、どうやって抜くんですか?」


 聞いてみたら簡単なこと、先の部分は帯から外れないようにそんな形になっているだけで、剣は曲がっている部分の手前まででした。そうだったのか! てっきり曲がった剣が入ってるんだとばっかり思って見てました!

写真左上:展示してあった陶器と銀器の水差し。

写真右上:少年と係の人のやりとり。

写真下 :ハンジャルのアップ。

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