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我楽くたくた万博漫遊記  作者: 小椋夏己
2025年6月5日(木)二回目
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ラトビアのアルトゥルさん

    挿絵(By みてみん)


 バルト館に行きたかったのは、


「120匹(最終的には140匹)のミャクミャク様たちに会いたいから」


 と書きましたが、実は理由はこれだけではありません。


 元々万博に行ったらバルト館に行くぞとは決めてたんです。そこへあの事件とそれに続くミャクミャ様クラッシュです。さらに行く理由ができて、絶対はずせないぞとなったということです。

 

「ラトビアのアルトゥルさん」

 

 ご存知でしょうか? めちゃめちゃ日本推し、日本オタクのラトビアの方で、SNSなどでとても人気があります。私ももちろんフォローしていて、アルトゥルさんの動向も、いつものようにKちゃんと更新情報をやり取りしたりしています。アルトゥルさんのことは漫画にもなっていて、本が出ると知った時には予約して買いました。そのぐらい推しなのです。


 そのアルトゥルさんが、


「大好きな日本の万博のスタッフになりました、日本でお会いしましょう」

 

 と発表したもので、こりゃ絶対行くぞー! うおー! となったのは言うまでもないでしょう。


 SNSで数日の出勤情報は出してるんですが、初回に行った時には家を出る時にはまだ出勤予定が出てなくて、


「もしも出勤してたら本にサインもらおう」


 と、本を持って行ったんですが、行ってから出勤はないと知りました。


 でも別にがっかりはしませんでしたよ。その日の第一目標はミャクミャク様たちですから。


 そして今回は二回目です。昨夜のうちに今日は出勤と分かっていたので、もうワクワクですよ! アルトゥルさんは16時からなので、それ以降に行くことにして、東をのたのたしていました。


 そして選ばれしミャクミャク様にご挨拶をしてからパビリオンの中に入ろうとしたら、


「あ、いた!」

 

 奥で人と話してるのが見えましたが、するっと消えてしまった。私も奥まで行ってみたけどいない。ぐるっと回って出口のあたりまで行ったけどいない。


「さっきおったよね」


 とT氏に聞いたら、


「どんな人か知らないし」


 って、君、アルトゥルさんを知らんのかい! いや、てっきり知ってるとばっかい思ってたわ。とにかく、知ってようと知ってなかろうと、いなくなったのはしょうがない。


 どうしようかなと考えたんですが、他の方に聞いたら「すぐに出てくると思いますよ」とのことだったので、ひんやりと冷える壁のある部屋で、座って待つことにしました。

 そうしたら、他にもやっぱり聞いてる人がいたので、その人たちと話をすることになりました。


「さっきちらっと見えたんですが、来たらいなくなってて」

「そうなんですね」


 とか言ってたら、隠し扉みたいなところから出てきたあ!


 ニコニコしてやってきて、さっき話していた人たち近くに来たので、あの方たちが終わったらと思ってたら、


「こちらの方が先から待ってらっしゃったので」


 と、一番に話すことに!


「あ、あの、本を持ってきたので」


 と、取り出そうとするんですが、心の準備ができてなくて、あわあわあわと本を取り出し、サインしてもらって、握手もしてもらって、一緒に写真(T氏も)も撮ってもらって、ありがとうございますと次の方に順番を譲りました。


 うわあ、めっちゃ幸せ! 万博ありがとう! と、他の方と写真を撮ったり話したりしているのを見ているうちに、


「そうやん、万博やん! スタンプ帳にもサインしてもらおう」


 と思いつきました。


 他の方たちが終わるのを待って、


「さっき本にサインしてもらったんですが、万博だしこちらにも」


 とスタンプ帳を差し出したら、


「いいですよ」


 と、ニコニコして言ってくれた上に、


「お名前は?」


 と聞かれたので、


「夏己(本当は本名)です」


 と答えたところ、


「どんな漢字ですか?」

 

 と聞かれたので、


「いや、そんなひらがなでいいです」


 と言いかけて気がつきました。


 アルトゥルさんは日本オタクです。この場合気を遣ってひらがなでいいと言うのはかえって失礼にあたる。漢字で書いてもらってこそだ、と。


 でもどうやって説明しようと思ったら、アルトゥルさんがスマホを取り出して、それで検索を。


 そこまでしてくれるのかとうれしいと同時に、日本オタクの真髄を見た気がしてものすごく楽しくなりました。

 

 出して「これです」と指さしたら、座って見ながら書いてくれたんですが、


「あれ、違ってます」


 どうやら私が興奮のあまり間違えて他の文字を指してしまったらしい。ガーン!


「え、どうしよう」

 

 と困っていたので、


「じゃあ、ぐしゃぐしゃっと塗りつぶしてハートにでも」

 

 と言ったら、


「じゃあおっきいハートにー」


 と塗りつぶしてハートを書いてくれて、


「もう一度」


 と、今度は私が操作して自分の名前を出したら、


「むずかしいですね」

 

 と言いながら漢字で、


「夏己(本当は本名)さん、アルトゥル」


 と書いて日付まで入れてくれました。


 いや、なんともすごいファンサービスではないですか。大感動です!

 

 また握手してもらって、


「万博に来たらアルトゥルさんがいてもいなくてもバルト館に来ます」

 

 と約束して帰ってきました。


 これから先、どうなるか分からないけど、できるだけ約束を守ってバルト館に行きたいと思いました。

 

 バルト館、すごくいい香りがして癒やされるんです。入った時にいた女の方に聞いたら、


「松の香りなんです」

 

 と、教えてくれました。


 ハーブいっぱい、自然への敬意いっぱい、そしてアルトゥルさんがいるかも知れないバルト館を皆様、よろしくお願いいたします。

写真左:アルトゥルさんの漫画です。

写真中:見開きにサインしてもらったところです。

写真右:ご本人です。かわいらしいのなんの!

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