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アストロ・ノーツ────異世界転生?女になって弱くなってるんだが……  作者: oleocan
第6章 娯楽と快楽の街ベルフルーシュ
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第95話 山賊一掃依頼④






翌朝、誰かが村長宅に走り込んでくる音にクラウディは目が覚めた。


何かあったのかと身構えていると村長の息子のアッバスがドアを叩いた。


「おやすみの中すみません、少しお話しが……」


少女は未だ眠っている2人を起こすとアッバスと共に広間へと向かった。


広間には村長と髭を蓄えた中年男性が何やら話をしていた。


中年男性はクラウディ達に気づくと駆け寄ってきた。


「おお、あなた方が例の……おれ、私は隣の村……といっても大分離れてはいますが、隣の村からきたルーシャと申します。山賊がこちらの方へ向かっていくのを見ました。もしかしたらこの村に行くのではと思い早馬を飛ばして報告をと」


深々と隣村のルーシャは頭を下げてそう告げた。


それは一大事だとアッバスは村長と何か話し外に急いで出て行った。


「おい、大丈夫か?息子さん」


アイラが出て行った方向を見ながら村長に言う。


「いえいえ村の者の避難を頼んだだけですので」


「……あ、そう」


「それで、山賊の数は?」


「大体5人くらいでしょうか……なにか運んでるようでしたが」


クラウディたちは詳しい場所を聞き、急いで迎撃の準備をすると山に向かって行った。






山脈の道はいくつも作られていてそのうちの一つの、村へと続く道に山賊が現れたとのこと。


クラウディたちはもしかしたら村に向かわないかもしれないと思い、T字の分岐点で隠れて待機する事にした。


クラウディとアイラは上へと続く背の高い草葉の陰に、カイザックは村へと続く道の陰に潜んだ。


一行はもし山賊が村に向かうなら迎撃を、もし別のところに向かうのなら追跡をする事にした。依頼では殲滅なので、全員ここで始末すると他の山賊が残っていた場合探すのが非常に面倒だからだ。


道にはいくつも足跡があり、色んな人が通るのだろう。ただ今のところは生き物1匹も横切ってはいない。


カイザックの方は上手く気配を消して隠れているみたいでちゃんといるのか心配になる。


小一時間は経っただろうか、クラウディは身じろぎ一つしないが、アイラは疲れたと地面に胡座をかいて座っていた。


「いつでも応戦できるようにしろ、何が起きるかわからない」


ヒソヒソと聞こえるか聞こえないかの声のトーンでクラウディは注意した。未知のことが多いこの世界では一瞬の隙が命取りになる。


「え~……結構経つし疲れたよクロ~。ヒマ~」


「お前な────」


クラウディがやれやれと監視を続けているとアイラが急に背中に抱きついた。


「ヒマ~」


「暇ではないだろ」


あまり動くわけには行かずそのままの姿勢でいたが、アイラは少女の服を(まさぐ)って中に手を入れて来た。


「ちょ、やめろ」


「おーおーなかなか柔らかいのぅ」


老人のような口調で腹をさすり、その手は胸に行く。


「あ、山賊」


「なに?」


クラウディが言われて目線を山道に戻すと確かに山賊らしき者が5名、大きな箱を運びながら分岐点へ向かっていた。


息を殺してピクリとも動かず、彼らの動向を見守る。が、その間にアイラはお構いなしに少女の胸サポーターのボタンを外し直に胸を揉み出した。


────こいつ馬鹿か?!


驚いて手を振り解こうにも力が強く、山賊たちももう20mも離れていないので気づかれるおそれがあり動けなかった。


「や、やめろ!状況わかってるのか!?」


山賊から視線を外さず小声で背後に伝える。山賊はどうやら村には向かわないようで、ある程度通過したら追いかけなければならない。


「動いたらだめだろクロー。バレちまうぜ?」


アイラは耳元で囁き、胸を揉む手を今度は愛撫するように指で表面をなぞった。その感触に少女は身震いし思わず吐息が出そうになるのを堪える。


────?!くそっ馬鹿が


少女は山賊にバレるわけには行かず、早く行ってくれと心の中で叫んだ。その間もアイラの指が胸を愛撫しながら移動し中央を挟んだ。


「ふ、うっ」


刺激に思わず吐息が漏れ、それに顔が熱くなるのを感じ、仮面を押さえた。


「気持ちい?」


アイラがニヤつき、クラウディはそんな彼女を睨むが、バレたのではないかと慌てて山賊を見た。彼らはすでに通り過ぎて、もう少して追跡できる距離となる。


そしてようやく山賊が気づかない距離まで行くと、グルリと体を捻り、いつまでも抱きつくアイラの腰ベルトを引っ掴むと山道に放り投げた。彼女が肩から地面に落ちる。


「あ痛っ!」


「はぁ……はぁ」


クラウディは荒い呼吸を整えながら、ズレた仮面を付け直し、胸サポートのボタンを閉じて乱れた服装を整えた。


そこで丁度カイザックが合流し、妙な様子の2人を交互に見た。


「なんかあったか?」


「……いや、別に」


クラウディは先程の事を言えるわけがなく、アイラの方を振り向きもせずに山賊の追跡に向かった。

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