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アストロ・ノーツ────異世界転生?女になって弱くなってるんだが……  作者: oleocan
第10章 アーベル地下ダンジョン編

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第316話 ダンジョン攻略の宴②







「あれあれ、こんな所にボッチがいるですです、姉者」


しばらく通り過ぎる冒険者たちを眺めていたらそんな声が近くからした。


「あら、ほんとじゃ。どこぞの『無職』がおるぞい」


クラウディが聞き覚えのある声に辺りを見渡すと、座っている目線の位置に小さな女の子2人の姿が目に入った。


作業着の繋ぎ服を着た、いつかの双子のドワーフの鍛冶屋だ。


宴を楽しんでいるのか飲み物や串焼き、見た事ない謎の触手を焼いたようなものなど手に抱えている。


「ミネッコとミコッテか……久しぶりだな」


「ほぉ……」


2人は顔を見合わせて少女を見つめた。


「前から思っとったが、主はわしらを初めから見分けとったな」


「……?お前がミコッテ────」


短いパーマのドワーフを指差し


「お前が妹のミネッコだろ?」


髪のさらりと長い方を指差しながら答える。


2人は再び顔を見合わせて笑い、邪魔するぞと左右に分かれて席に座った。


「これ食うか?」


ミコッテがよくわからないナゾの触手を差し出してきた。炭のような臭いが鼻をつき、少女は仮面の下で片眉を上げた。


「いやいい……お前たちもよく俺だとわかったな」


元男の少女は2人に会ってからだいぶ印象が変わっているはずだった。髪型は変わっているし、仮面も少し違うし格好も女っぽい。


それを聞いて隣のミネッコが短い足で、少女の腰に下げてある剣の鞘を軽くつついた。


「その刀を作ったのは姉者とミネッコ!見ただけで分かるですです!」


────ああ、なるほど……


見ただけで分かるのはさすが鍛冶屋をやっているだけある。


そもそもこんな武器を使うのは他に見ないが。


「お主、ダンジョンを攻略したそうじゃな!武器を作ったわしらも鼻が高いわ!がはははは!」


姉のミコッテは高らかに笑い、受け取らなかった触手を頬張った。


「ですです!でもボッチでいるのは不思議ですです!主役なのに!」


「……ああ、まあ、色々な」


「んぐっ、んぐ……そうじゃ!ダンジョンの攻略祝いとして武器を見てやるぞ!ちょっと見せてみい!」


触手を噛みながら椅子の上に立ち上がるドワーフ。


クラウディは割と刀を雑に扱っていたため、腰の2本を剣帯から外しテーブルに置いた。


無料で見てくれるならこの上ない。


それを見た何人かの冒険者が、目に入って珍しがったのか、面白い武器を使ってるなと声をかけてくる。


それをうざったそうにミコッテが睨む。


「しっしっ!気が散る!あっちいけ!おい、お主、そっちは抜いておいてくれ」


片方は2人が造った刀だが、もう片方はウーラタイト製の黒刀。マナを断つ呪いの刀には2人は触れない。


少女は鞘からスラリと抜いて置いた。


すると、鍛冶屋の双子のドワーフは念入りに調べ出した。


ぱっと見は2本の刀に刃こぼれは見られない。しかしミラーリッチやアースドラゴン戦では力任せに扱い気味だった。


もしかしたら見えないヒビなどある可能性があった。


鍛冶屋は最後に何かのスキルなのか手をかざしていたりしたが、やがて舌打ちした。


「くそ、躍起になって本気出したのが仇になったの……」


「え」


────やはり、使いすぎたか……


「全く傷が入っとらん!」


まさかと思っていたが、ミコッテはそう言ってどっかりと椅子に座り大きなため息をついた。


「姉者、職人魂~」


「うっさいの!」


煽るような妹の言い方に吠える。


一瞬いつかの掴み合いが始まるかと思ったがそんな事はなく。


「まあ、なんじゃ……遅れたが、攻略おめでとう」


「あ……ああ、どうも」


「お主、好意に慣れてないのが見て取れるぞ!がはは!まあ良いがな!」


「っ!」


クラウディは一瞬、目の前のドワーフがいつかのスコットの姿と重なって見えた。


色々世話を焼いてくれた髭面のドワーフ。


彼もまた、似たようなセリフを吐いていた。


────懐かしいな……


「お前、ダンジョンの話を聞かせろです!」


スコットを思い出しながら武器をしまっていると、不意にミネッコが身を乗り出した。


「え」


「お!良いのう!話せ話せ!武器の精査のかわりじゃ」


「お前ら、攻略の祝いって言ってなかったか?別に良いが、暇だしな────」


クラウディは特にやることもないため、まだかと急かす2人に話し始めた。

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