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アストロ・ノーツ────異世界転生?女になって弱くなってるんだが……  作者: oleocan
第10章 アーベル地下ダンジョン編

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第312話 ティリオと買い物②







「…………」


「…………はぁ~」


完全に男たちの姿が消えると膝に手をつき息を吐くティリオ。緊張していたのか膝が震えている。


「助かった、ティリオ」


「あのな……ダンジョン攻略したんだし問題起こそうとするなよな!」


あのまま少女が手を出していればもしかしたら問題になっていたかもしれない。そこは彼の機転に感謝するしかない。


「やらなきゃお前が殴られると思ってな」


一応弁明しておく。すると彼は気恥ずかしそうに視線を逸らし小さく、それはありがとうと口を尖らせた。


2人は落ち着くと再び歩き出し、5分でまた大通りに出ると目的の場所に到着した。


女性ものの服屋だ。


ガラス越しに女物の服が並び、奥にはもっとたくさんの衣装が飾ってあった。


クラウディは早速入ろうとしたが、ティリオが足を止めるのを見てドアにかけた手を下げた。


「どうした?」


「俺は待っとくから行ってこいよ。前に来た時から評判のいい店だから」


「なぜ?」


「お前!さっきから察しが悪すぎないか?!俺は男なんだぞ!女物の服屋に入れるかよ!」


甲高い声でそう言うティリオは顔が赤くなっていた。


────まあそれはそうか


しかし元男の少女も入りたくないのは同じで、出来ればついてきて欲しかった。


「領主と会うのにも何を選んだらいいかわからん……頼む、ついて来てくれ」


領主というのはこの街の領主の事で、アーベル全体を取り締まっている。ダンジョン攻略したクラウディたちは明日領主に呼ばれていたのだった。なのでいい加減な服装はダメだろう。


────こんなエロ衣装は特にな


「ティリオだけが頼りなんだ」


小さなリーグットは困ったような表情をしていたが、彼の扱い方として割と褒めると頼みを聞いてくれたりする。


今も髪を触って照れているようである。


「し、仕方ねーな……」


少し考えた風にした後、彼は気恥ずかしそうに少女の手を引き中に入った。


助かったと思いながらもついていく少女。


店内は木造で木の匂いとアロマ的な匂いだろうか、少し甘い香りがした。


「いらっしゃいませー、あら珍しい組み合わせ」


店主らしき恰幅の良い女性が出て来て2人を見て少し驚いたように口元を覆った。しかしすぐに咳払いしニコリと笑う。


「ごゆっくり~」


クラウディは真っ先にダボついた旅人の服のようなものがないか探した。


流石ティリオの紹介もあって店には色んな服があり、似たようなものも多くあった。


値段はまちまちであり、値段の安いもので同じ服を5着買う。それを見たティリオが眉間に皺を寄せた。


「お前さ……女なんだからもうちょっとそれっぽい格好とかさ、バリエーション増やせよ」


ティリオには元男の世界のことは話しておらず、相変わらず女だと思っている。


────いや身体は女だが


彼はアドバイスしてくれるが、元男の時も服は同じようなものしか持っていなかったので、こればかりはどうしようもない。気に入ったものは予備をいくつも買って回すのだ。


5着もあればしばらく持つだろう。


ちなみに金について。インベントリの回収はカイザック曰く、ダンジョンは壊れた箇所は勝手に修復されるらしく空いた穴はもう塞がっているだろうとのこと。なので回収は諦めてしまい無一文となってしまった。


とはいえティリオがたくさん素材回収していたので換金して幾らか分配して貰っていた。


胸サポーターは似たようなものばかりなので前回と同じようなものを同じく2種、合計5着買い、クラウディは次に下着エリアに行った。ティリオが流石に嫌がったが元男の少女も流石に嫌で強引に引っ張っていく。


女性もののショーツはかなり種類があり目の前が眩んだ。


際どいものから腰・大腿部を覆うものまであり、少女は後者を購入しようとした。しかし店主から試着を勧められてレギンスの上から着てみるとかなりキツく、仕方なく諦める。


────そんなに太ってないよな?


腹に力を入れると腹筋は現れるし、腕に力を入れると筋肉の筋がハッキリと現れる。


「大きいサイズもありますがあれはお年寄り用のものですし…………これなんかいかがですか?」


そう言って紹介されたのは両サイドが紐になっているものだった。


「ひ、ひも……なんだが?」


「体型がある程度変わっても紐で調整出来ますし、一度調整すればズレる事もありません」


────なるほど……それは確かにいいな


「どう思う?」


クラウディは紐ショーツを持ってティリオの方に顔を向けた。


「ば、馬鹿見せんな!知らねーって!店主が良いってんなら良いんじゃねーの?!」


顔を背けるティリオはぶっきらぼうに返答した。


「じゃあ……おすすめで」


「わかりました、ではこれとこれと────」


下着は店主が選んでくれ、2人は次は礼服を見に行った。


礼服は当然だが全部ヒラヒラしたドレスが多かった。パンツ式のは流行ってないらしく、そしてどれも高額であった。


「うーん……」


流石に金を使い切るわけにもいかず。仕方なくエルフの衣装を着ることに決めた。


ただ流石に何か羽織るものが欲しい。その旨を伝えて別の場所に案内される。


「この辺りですね」


カーテンのようなものから柔らかいマントや装飾の派手なものまで多くある。値段も安いものも多く、先程の旅人の服に合いそうなものと、エルフの服に合いそうなものを店主に選んでもらった。


パッと見てスカートにも見えるのでちょうど良いだろう。


「ありがとうございました~」


クラウディはカイザックが譲ってくれたインベントリに全て収納し、店を出た。インベントリは50Lと5Lが一つずつなのでそこまで入らない。


「はぁ~……待ってる予定だったのに」


外に出た後、ティリオがため息をついた。


「助かったティリオ……なんか奢ろうか?」


「いやお前金ないじゃん。結構使っただろ。いいよ俺は結構稼がせてもらったから」


クラウディはグゥの音も出ず。


ティリオとはそこで別れ、少女は今度はカイザックの宿に向かった。

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