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アストロ・ノーツ────異世界転生?女になって弱くなってるんだが……  作者: oleocan
第10章 アーベル地下ダンジョン編

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第297話 追う2人①







約3日前────


クラウディが穴に落ちた後、カイザックは変幻術師を捉えようとした。しかし再びあの第5死星が現れ、たじろぐ。


「ったく!手間取らせんじゃないよ!」


「ぐえっ!」


ユーランシアはノーメンの襟を掴むと再び煙のように姿を消した。


「くそっ!」


カイザックはみすみす逃してしまい悪態をついた。少女の落ちた穴を覗くがすでに彼女の姿は見えなくなっていた。


────俺としたことが……


インベントリに触ったが、生憎空を飛ぶような魔道具は持ってきていない。


「何やってんだよ~。おせーな、クソカイザックよー…………あれ、クローは?」


「…………」


アイラがフロアの入り口から戻ってきて辺りを見渡す。そして少女が見当たらないのを見、下を覗くカイザックに何かに気づいたように顔が青くなる。


「おい、クローは?」


「落ちた」


「…………は?」


カイザックはため息をつき、かいつまんで先程の出来事を話した。するとものすごい形相で胸ぐらを掴まれる。


「てめーがいながら何やってんだよ!!」


「…………」


「おいおい何やってんだよ」


カイザックたちが来るのが遅いため、続々と他のメンバーが戻ってくる。


少女が下に落とされたことを聞くとみんな顔が青くなった。


「この中を……」


「…………落ちた?」


「まじかよ……」


何人かは下を覗くが、諦めるようにみんな首を振った。


「残念だけど……この穴は相当深い。落ちたのならもう助からないんじゃないかな」


レオナスがみんなの様子を見ながら言った。普通に考えればそうだろう。落ちてしまったのならもう諦めて帰るべきなのだ。


カイザックもアイラもそれはわかっていた。


それに一同は追うにしても食料や備品が底をつきかけていた。ここで寄り道をしていては確実に全滅する。


いくらかなんとか助けられないかと他メンバーは話し合っていたが、今の状況ではどうしようもないと結論に至った。


そしてレオナスとマティアスのパーティは再びフロアの入り口へ立ち、進み始めた。


「おい、早く行こう」


「…………」


ティリオがあとの2人に声をかけるが、2人は押し黙っていて動かなかった。


「私は……探しにいく」


「は?何言ってんだよ!無理だって!カイザックも何か言ってやれよ!」


「……はは……そうだな。あいつには借りを返してもらわないとな」


「は?────はぁ?!」


カイザックもアイラもこの先のリスクを承知の上でそう言った。少女を追いかければ帰れなくなる、死ぬ恐れがあることを。


「クローはさ……大切な仲間なんだよ。私を連れ出してくれた大切なさ」


苦笑いするアイラ。拳を握りしめ震えている。


「そりゃあいつは仲間だけど!でもお前らが責任を負うことじゃ……」


「責任?ちげーよ私のエゴだよこれは……だからティリオ、カイザックも来なくていい」


「はは……そういうなら俺もエゴだろう勝手にさせてもらう」


カイザックはタバコを取り出して火をつけた。ゆっくり吸って吐き出す。


「じ、じゃあ俺も……」


ティリオもそう言った2人の横に並ぼうとした。しかしカイザックが手で制した。怪訝な顔をするリーグットにフロアの入り口を顎で差す。


レオナスたちが覗いており、どうするのか待っているようだ。


「お前はあいつらを導いてやれ。プロなんだろ?」


「何だよそれ……お前らだけズルいぞ」


「生憎、俺もアイラもそういう人間なんだよ」


「…………帰ってこれるのか?」


「安心しろ。帰りについては当てがないわけじゃない」


「……じゃあ、絶対生きて帰ってこいよ」


「「ああ────」」


アイラとカイザックはティリオたちがその場から姿を消すと再び穴を見つめた。2人を飲み込もうとするように闇が渦巻いていた。


「で、格好つけたはいいがどうする?」


カイザックは吸い終わったタバコを穴に落とした。火のついたままのタバコはそのまま下に落ちていき見えなくなる。やはり相当に深い。


「飛び降りるしかないじゃん」


「はぁ~……ほんと脳筋だな昔から」


「あ?じゃあなんかあんのかよ?」


アイラの考えに苦言を呈するものの、下階層へ行く階段を探すのは体力が削られるし、肝心の少女を見失ってしまうだろう。


「……ロープは持っているか?」


カイザックはアイラに持っているロープを出してもらい、自身の持つものと結んでつなげていった。


「まさかこれで降りんのか?足りるかこれ────ていうか3階から10階に行く時に使ったスクロールは?ねーの?」


「無いからこうしている。そういう類は1種類ずつしか持ってきてない」


3階層から10階層に降りる時に使った『重力のスクロール』。確かにアレがあればすぐにでも追いかけることが出来る。


しかしカイザックは魔道具の類は多種多様あるが、絶対に使うもの以外は基本、1つずつしか持ってこない主義だった。


そしてこの状況で役に立つ魔道具はない。


「使えねーやつ!」


「……」


アイラは罵りロープを繋げていった。


その結果ロープはざっと150mあるかないかという長さとなる。


この深い闇の中ではおそらく足りないが、それでもないよりはマシだ。


カイザックはアーティファクトのあった台座に括りつけると穴に垂らした。


「さて、どちらから行く?」


「私が先に行く」


「オーケー、準備はいいか?」

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