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アストロ・ノーツ────異世界転生?女になって弱くなってるんだが……  作者: oleocan
第10章 アーベル地下ダンジョン編
172/210

第171話 『アルカーザ』冒険者ギルド







次の日────

アイラは結局戻って来ず。おそらく金を渡していたのでまたどこかで飲んだくれているのだろう。


クラウディは昼まで待っていたが戻って来ないのでギルドへ向かうことにした。


先日の件もあるので近くのギルドでなく、地図を見ながらダンジョンに近い方のギルドを目指す。


冒険者ギルド『アルカーザ』に近づくにつれて人通りが多くなり、色んな冒険者たちが行き来していた。


『アルカーザ』は宿の近くのギルドより2回り大きい建物で中もかなり広い。人は並んでいないがどの待機席も空いていなかった。


クラウディは受け付けから整理券をもらうと広間の隅に行った。また問題にならないよう気配は消さずに壁に持たれて某っとする。


────82番……


手元の整理券を見つめ、受付の数とかかる時間をなんとなく計算すると2時間くらいかかりそうだった。


少女を気にするものはあまりいないが、それでも近くあるいは遠くから幾らか視線はあった。


内何人かの男性は隅にいる見慣れない冒険者に声をかけるも、男の声を聞くと興味が失せたのかすぐに何処かへと行った。


────やっぱり男装は必要だな。香水も振っとくか?


カイザックに止めるよう言われていたので久しく使ってない香水は、臭いがキツい。それでも良くない者を避けれるのでうなじと手首に振りかけた。


きつい臭いに眉間に皺が寄るクラウディ。


待てども時間は過ぎず、流石に暇なので張り出されている依頼書を見に行った。


────────


第1階層

スライムの討伐5匹 姿そのまま回収


第3階層

スケルトン3体分の前腕、大腿の骨の回収


第5階層

マンイーター2体の酸液それぞれ1瓶採集


第2階層

ウォーラビット3体 姿そのまま回収


第7階層

ドレッドスネイクの毒腺2つ


────────


などなど色々とある。3階層までの依頼書で良さげなものを幾らか取っていると一際紙が重ねられている依頼書があった。


ギルドクエスト────

依頼内容 アーベルダンジョンのアーティファクトの回収

報酬 5000万ユーンまたは該当アーティファクト

※ただし場合によっては領主が強制的に回収を行うものとする。その際は補填あり。

推奨ランク 全て

適正ランク 全て

────


クラウディはその依頼書を手に取った。


────アーティファクト。使うか、売るか……か


その内容を何度か読み返す。注意書きに関しては世界に影響を及ぼす恐れがある可能性のあるものは確かに危ないだろう。環境を変えるほどの力があるものなので仕方ないが。


「それはダンジョン踏破依頼ってやつだな。ここのみんな全員の夢だよ」


隣に太めの男が来ておりニコニコと笑っている。白いローブに杖を持っていることからおそらく僧侶だろう。身長はクラウディより5センチ程高いくらいだろうか。


「すごいよね、5000万なんて。一生遊んで暮らせるんじゃないかな」


────いや流石に億はないと無理だろ……。


心の中でつっこむ少女。まああくまでも元世界の知識なのでもしかしたらそのくらいでも暮らす手立てがあるのかもしれない。


「これはみんな受けるのか?」


「そうだね。無期限だし取り敢えず持っておくといい。あ、ごめんね僕ダニエルっていうんだCランクなんだけど」


「俺もCだ。パーティは組んでるのか?」


「うん、今日も潜るんだ。1人新人がいるんだけどね」


クラウディもパーティに僧侶が欲しいため、フリーだったら誘おうかと考えたがすでに組んでいるのならどうしようもない。


2人は少し雑談しているとダニエルの肩を誰かが叩いた。


「ダニエル♫行くぞー────ん?誰だそいつ。変な仮面だな」


無精髭を生やし、鼻にリングがついたチャラそうな男だった。その背後にも3人姿が見えた。似たような風貌であるが1人は青年のようだ。青年は腰に片手剣を装備しているので職業は『剣士』だろうか。


「ああ、ごめんねっ。この人はクローって人で最近アーベルに来たらしいんだ。あ、こっちの人はパーティリーダーのボンズさん」


ボンズという男はクラウディを上から下まで眺めるとニコリと笑って手を差し出した。


「どうも。同業としてお互い頑張ろうや」


少女も会釈し、差し出された手に握ると不意にボンズがニヤニヤと笑い親指で手の甲をさすった。


その気持ち悪さに慌てて手を引っ込めるクラウディ。感触を払うように手をさする。


「ははっ、またな!よし行くぞてめーら!」


彼らはボンズを先頭にギルドを出て行った。ダニエルは小さくごめんね、またねと言うと追いかけていく。


少女は息を大きく吐くと掲示板に向き直り3階層までの依頼書をさらにいくらか取って再びフロアの隅に行った。あとは大人しく依頼書を見ながら呼ばれるまで静かに過ごした。

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