魔獣討伐隊の二人 3
サソリの尻尾をはじき返して、彼は手元に剣を作り出した。その剣を相手の装甲に向かって思い切り振り下ろすが、相手の装甲に剣の刃が通ることはなく、彼は剣を手放した。サソリを囲う砂の壁はすぐに消えるようにはしていないため、すぐには逃げられないとは思うが、砂の壁がなくなれば、再び距離を取られるのは間違いない。再び、この距離になるように捕まえるのは面倒だ。そのため、今の砂の壁が維持されている間に、決着をつけたいと彼は考えていた。
彼は片手で持てるくらいのハンマーを再び作り出した。今度は片手だけではなく、両手にそれを装備した。まずは右手のハンマーを振り下ろす。サソリはハンマーを尻尾でガードして、それを弾いた。彼はもう片方のハンマーを相手の尻尾の横を通って、振り下ろす。尻尾は一本しかないため、彼のそのハンマーをガードすることはできなかった。ハンマーは確実に相手の装甲を捕らえていて、彼にもその手ごたえはあった。しかし、それ以上にダメージを与えられるのを嫌がって、相手はついに左右についているはさみを彼に突き出してきた。ハンマーを弾かれて、もう片方は相手の装甲に叩きつけたところだったため、すぐには回避できなかった。目の前に来たはさみを回避できないと思った彼は、自身の前に土の魔気で作成した岩の壁を出現させていた。はさみはその壁を貫通することはなく、そこで停止する。それどころか、相手のはさみはその壁にぶつかっただけで、先端がひしゃげていた。
相手の装甲が厚いには胴体部分のみではさみ自体はそこまで強くなかったようだ。それを見れば、他の部分も弱い場所があるかもしれないと想像できた。しかし、既に見えている場所は装甲で覆われているのはわかる。はさみだって見た目には堅そうには見えるのだ。それでもはさみはひしゃげたのだ。見た目には装甲が付いているだけに見えている可能性もある。胴体の上からの攻撃しかまた当ててないため、彼は横から攻撃しようと考えていた。
彼はそれをすぐに実行に移す。ハンマーを持っている手で、相手の胴体の側面を狙う。はさみは既に使い物にならいかもしれないと思ったが、彼ははさみも警戒して、ハンマーを振るうことにした。真横から相手の胴体を狙って振るったハンマーは相手のはさみによって止められていた。しかし、強度のないはさみはさらに、歪んではさみとしては機能しないであろう見た目になっていた。そして、もう一方のハンマーで相手の側面を叩く。相手の装甲は凹ませることはできたが、それでも凹んだだけで、大したダメージではないようだった。その証拠に、歪んだはさみを彼の体に向かって伸ばしていた。貫通力も切断力もないとしても、単純にはさみだった部分で殴れば、その衝撃くらいは体に伝わるだろう。彼は再び、岩の壁を作成して、はさみを防ごうとしていた。はさみはその壁にぶつかり、はさみがさらに歪んだ。しかし、そこではさみが止まることはなく、岩を砕いて彼の体にぶつけられた。彼の腹部にそれがぶつかり、その衝撃が体に伝わる。岩の壁のおかげで、衝撃が弱まっていたとはいえ、それなりに衝撃を食らって彼は口から息を吐き出させられた。しかし、サソリの周りに建てた砂の壁の隙間から移動することはなく、サソリを逃がすことはない。
先にはさみを落としたいところだが、胴体から伸びるはさみを支えている腕の付け根も装甲に覆われていて、かなり堅そうではある。彼は試しに風の魔気を使って、その魔気で風の刃を作り出して、切断しようとしたが相手の装甲はその程度では破れず、風の刃は消滅していた。目の前のサソリには衝撃を与えるような魔法以外は効果が薄いのかもしれない。彼はさらにハンマーを相手に向かって振り下ろそうと、振り上げたのだが、振り上げた胴体を狙ってサソリの尻尾が鋭く彼の胴体を狙って伸びてきた。彼は振り上げていない方のハンマーを振るい、相手の尻尾を弾こうとしたが完全に弾けることはなく、相手の尻尾の先端だけを避けていたが、尻尾がどうたいにかする。多少、体に衝撃があり、体が軋み痛みが走るが、彼は何とかそのまま、ハンマーを振り下ろしていた。ガードするもののないサソリの胴体には再びハンマーがぶつかり、二つ目の凹みを作り出していた。簡単な魔法であれば、一対一でも魔法を使用できるかもしれないが、相手が硬いとなれば、簡単な魔法で傷つけることが出来ない。そのために、何度も彼はハンマーを振り下ろしていた。こういう相手との一対一で戦うには、どうしても作り出した武器で地道に攻撃していくしかなかった。




