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今も平和な黄砂の村 2

 アスターはタンカから下りて、拠点の床に立った。皆は気持ちよさそうにな眠っている。二人の話を聞いていれば、どうやらここで眠っている者は、自然に起きるまでこの拠点に寝かされるようだ。とはいっても、眠っていないのは、彼女のみであった。


 彼女はリーダーたちを見ると、二人も動いている彼女に気が付いた。アカリが彼女の元に近づいてきた。


「アスターさんは戻りますか」


「ああ、戻る。家の方が落ち着けるからな」


 それだけ言うと、アスターは帽子もかぶったまま、討伐隊の拠点から出ていった。


 外に出て、彼女は自分の家に戻る。外には誰もいないのは、先ほどタンカの上から確認していた。砂を踏み、夜の砂漠の村を歩いていく。松明がぱちぱちと音を立てながら燃えて、町を多少照らしているが、一番の灯りは月の光だろう。ただ、そんな風流なことを彼女が感じているわけではなく、ただ疲労を感じながら歩いているだけだった。彼女の家は拠点からもそう遠くない場所にあった。そもそも、オアシスの周りにしか村が形成されていないのだから、そう遠くには家は作られない。


 その道を歩きながら、今日のことを思い出す。スウェースエナは、この広大な砂漠で偶然合流すれば、群れを成す魔獣であり、今日のような数の群れになることは全くない。せいぜい、十匹程度の群れが出たことは報告されていたが、それ以上の規模の群れは彼女がこの村に来てからは一切、報告されていなかった。あの巨大なサンドワームに追われていたとしても、あの数は集まらないだろう。何者かが、魔獣を誘導していると考えるべきだろう。異常な大きさのサンドワームだっておかしなものだ。サンドワームは確かに大きな魔獣ではあるが、あの大きさのサンドワームは初めて見たのだ。今考えれば、よく生き残ることが出来たものだと思ってしまうほどだ。それも含めて、今回の魔獣討伐の仕事に関しては知性のある何者かが干渉していると考えるべきだろう。だが、それ以上考えても、何のヒントもない現状では何もわからない。それにあれだけの戦闘をすれば、疲労で頭も回らない。


 考えているうちに、家について彼女は家に入った。来ていたものを全て脱いで、椅子の背もたれにかけた。オアシスからとった水に布を浸して絞って、それで体を拭いた。何度か、布を水に浸して体を拭いた。汗と砂にまみれたからだが気持ち悪かったが、それも全て解消された。そのまま服も傷にベッドに寝転がる。彼女はそのまま疲れに引っ張られるように眠ってしまった。




 翌日、村の中に喧噪で目を覚ました。いつも通りの騒がしさではあるが、彼女はいつもより長く眠っていたため、その声を大きく聞こえたのだ。彼女は新しい下着をつけて、昨日来ていた服を持ち上げる。汗臭く大量の砂が付着している服だ。昨日は疲れから、服も全く洗わずに眠ったのだ。


 彼女は魔法で水の球を出現させた。その水の球の大きさは彼女の全身を覆えるほどの大きさのもので、彼女はそこに昨日来ていた全ての服をその中に突っ込んだ。水の球の中には既に流れができていて、中に入れた服はその流れに乗って、水の中を回っていた。そして、彼女が作り出した水の魔法がなくなって、服はそのまま地面に散らばる。水の魔法で洗えば、出現させた水は魔法がなくなったところで、服の中を通っていた水も消滅するため、完璧に乾いた状態だった。彼女は散らばった服を拾上げてた。先ほどまでは近づくだけで汗のにおいがしたり、見た目にも砂が付いているのがわかるほどであったが、今はそれも綺麗になっていた。彼女はそれを着た。最後にコートを着て、彼女は家から出た。家の中ですることがないため、彼女は仕事に出るしかないのだ。


 外に出れば、昨日と変わらない日常が広がっていた。昨日の魔獣の騒動を知っている者もいるが、それを口にするものはいないようだ。彼女はそのまま魔獣討伐隊の拠点に移動する。


「姐さん! こんにちは! これから仕事ですか?」


 村の中の広場を歩いていると、彼女の正面に唐突に人ができてきた。その人物は彼女の前で止まり、彼女に声をかけていた。その人物が絵ペースだということに気が付いたが、アスターの表情はたいして変わらない。視線が彼女の方へと向いただけである。


「姐さんもやっぱり、昨日ので疲れてますよね。今日は仕事せずに、ゆっくりしちゃいます?」


「いや、仕事だ。これから、討伐隊のところに行くつもりだが」


「そうですか! うちも一緒に行きます!」


 ペースは昨日の戦闘でも疲れていたはずで、タンカの上で寝こけていたはずだが、既に使った体力は戻っているのか、な

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