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狭間の旅の始まり 6

 魔獣が体をそらせている間に、彼は周囲の火の魔気を支配して、炎の槍を作りだしていた。その程度では、自身の魔気だけを使用しても疲労を感じることはないため、自身の周りの魔気を使用できる力がどれだけ便利なものなのかはまだわからない。


 彼が炎の槍の準備ができたとき、相手の後ろに逸らしていた体が瞬間的に前に移動する。何かに反発するかのように動き出して、相手の大きな体が簡単に空中を移動する。彼のいる場所に到達するまでにかかった時間は一瞬だった。しかし、彼も相手に攻撃する準備はできていた。相手が体が跳ねたときには方向転換することもできないと考えて、相手の方へと炎の槍を飛ばしていた。そして、相手が彼のもとに到達するときには炎の槍は彼の周囲にはなくなっていた。


 そして、彼の正面に来るであろう魔獣は彼を通り過ぎて、彼の背後、遠くへと体を落として、砂の地面を滑っていく。泊まろうともせずに、地面を揺らして滑る。魔獣の体には二つの穴が開いていた。穴の周囲は黒く焦げていて、さらにその周囲も変色している。肉が変質するほどの熱を与えられたのは、その穴を見ればわかるだろう。


 相手が彼に到達する前に、空中で彼の放った炎の槍が相手の口から胴体を貫通していた。体の表面は堅かったが、うねる口の中を見て、その中は外に比べて柔らかいのではないかと考えたのだ。彼のその考えは合っていて、彼の作り出した炎の槍が相手の体を貫通した。相手は飛びながら彼の体を口の中に入れて、その場を去ろうとしたが、体内を焼かれて、自身の意志では体を制御できなくなって、砂漠に体を転がすことになったのだ。その状態でも相手を倒したと判断せずに、彼は相手が飛んで行った方向に体を向けた。その程度で相手は死んでいなかったようで、のっそりと弱弱しく、体を持ち上げていた。彼は容赦などするはずもなく、土の魔気を使用する。砂漠を伝って土の魔気が相手の足元で、魔法を構成する。相手の足元から先端のとがった灰色の柱が勢いよく空に向かって伸びた。一本だけではなく、次々と相手の体を狙うように突き出ていく。相手の体が大きいため、全ての柱が相手の体にぶつかってはいたが、相手の体が硬いため、柱のほとんどが体にぶつかると同時に壊れていた。それでも、柱数本は相手の体を貫通し、相手を串刺しにしていた。柱の魔法は込められたイメージを最後まで再現すると、土の魔気へと還る。柱がなくなると、柱に突き刺さっていた魔獣の体は地面に落ちた。既に体にはいくつかの穴が開いているはずだが、まだ生命力があるのか、魔獣は起き上がった。彼を食らうまで生きているのかというような周年だったが、彼はすでに次の魔法を発動していた。


 彼の正面には炎の球が作られていた。巨大な鹿に向かて発動したようなものではないが、レーザーの魔法である。多少、ターゲットと距離があったとしても、レーザーは届く。炎の球からレーザーが発射されて、相手に向かって一直線に飛んでいく。弱った巨体はただの的でしかなく、回避されずに相手の体を貫いた。皮膚の硬さなど関係なく、相手の体に穴をあけていた。


 相手はすでにギリギリだったのか、相手は地面にその巨体を横たわらせた。彼は特に息も上がっておらず、今の魔獣を対して強いとも感じてはいなかった。しかし、地面の中から出てきて、不意打ちであればあの口の中に入っていたかもしれない。今の気色の悪い魔獣を倒せたのは、彼と戦闘する前に体が地表に出ていたからだ、今簡単に相手を倒せたからと言って、油断してこの砂漠を行くことはできないだろう。彼は体に巻いていたずれた布を直して、砂漠を歩く。




 しばらく、歩いたが周囲にあるのは、熱された砂のみ。砂だけは大量にあるが、それ以外は何もない。幸いにもこの世界には水の魔法があるため、水分補給には困らないが、自身の水の魔気を使用しているのが多少不安でもあった。水野真紀は体の水分に関わりがないとは全く思えない。最悪、自身の体の水を循環させているだけで、補給になっていない可能性もあるだろう。結局は魔法を使用するときの魔気の扱いはわかるが、それ以外に魔気というものがどんな影響を与えているのか、どんな機能があるのかはほとんど知らない。そのため、自給自足ではなく、そろそろ外から水を補給したいと考えていた。一応、クミハたちからもらった水は袋の中に入っているが、それはギリギリまで取っておいた方がいいだろう。本当にギリギリになったら飲むべきだろう。それまでは自給自足の水魔法でなんとか凌げる。


 さらに少し進んだのだが、遠くに砂以外の何かが見えた。

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