未知の魔獣 5
相手に向かって投げた手斧は相手のバリアにぶつかり、勢いをなくして落下していく。その間にも彼は相手の近づいていた。
相手はその場所から移動し始めていたが、その速度は未だにゆっくりであった。彼の走る速度の方が圧倒的に速い。彼は相手に近づきながら、土の魔法を生成する。土の魔気が集まっていき、土の塊が生成されていた。彼の手元に土の塊は膨張と収縮を繰り返していた。彼の中の土の魔気が集まっていくのだが、何度も威力の強い魔法を使っていれば、それだけ魔気を消費する結果になるのは当然だろう。そして、生物である以上は、体内にある魔気がなくなっていくと、それだけ体に悪い異常が出るのだ。そして、走りながら自身の体力を消費していれば、魔気を消費したときの疲労がわかりにくいことがある。彼が土の魔法を使用しようとしている、この時に魔法を使いすぎているために起きている頭痛が起きているのを自覚する。彼はそれでも、魔法を使い続けるしかない。魔法を発動してしまった以上は、その魔法が発動するための魔気は彼の体から使用されるのだ。
相手の近づきながら、彼は球体に魔法が届くくらいの位置まで近づくことができていた。彼が作った土の塊は巨大なとげのように形を変えていく。その棘は彼が使える土の魔法の中で一番硬度の高い魔法だ。土の魔気の密度も高く、棘はそう簡単には壊れない。相手の近づいて、相手がその棘に対処できないくらいに近づいて、相手に思い切り棘をぶつける。たった一つの棘ではあるが、その威力に彼は自身があった。
土の棘は相手のバリアにぶつかり、そこで停止する。しかし、土の棘は前に進み続けようとしている。魔気の密度が高いおかげで、土の棘の成形は一つも崩れることなく、相手のバリアを壊そうとしていた。そして、相手のバリアにひびが入ったおかげで、相手を守っているものが完全な球形をしていることが分かった。そして、それが分かったところで、相手のバリアが硝子が綺麗に割れるように割れた。しかし、その時に音は一つもなく、砕けたバリアの破片は地面に落ちる前に空中に溶けるように消滅した。そのバリアを突破して、土の棘は相手の本当の本体に土の棘の先端がぶつかった。キンというような甲高い音を鳴らして、棘は相手の体の手前で止まる。それでも土の棘はさらに前に出ようとして、前に進む。その力のせいで、相手そのものを押していた。最初こそ、ゆっくりと相手を鵜誤解していたが、その速度が上がる前に、相手の本体は木の幹にぶつかった。その状態でも土の棘は相手の体を押し続ける。木の幹がミシミシとなっているが、木の幹はおれそうもない。そして、木の幹だけではなく、相手の体からもミシミシとなっているようだった。少しずつ相手の体が完全な級ではなく、楕円になっていく。そして、相手の体からピキピキという相手の装甲のようなものが剥がれていく音が聞こえてきた。そして、ついに相手の本体の装甲がバキリと折れて、相手の体から外れて地面に落ちた。そこで、土の棘が消滅してしまった。相手を守っていた全てのバリアと装甲が剥がれ落ちて、今の相手に自身を守るものは何一つとしてない。相手はすぐに周りに不穏な色の風を集め始めた。
彼は装甲のない相手ならば、物理攻撃も効果があるのではないかと思い、手元に剣を作り出す。シンプルな装飾もないただの片手剣の切っ先を相手の体に思い切り突き刺す。相手が集める風はそれでも吹き止まず、彼はその剣を手放して、槍を創造する。槍を相手の体に突き立てて、地面に叩きつける。その槍からも手を離して、二本目の槍を創造して、さらに相手の体に突き立てる。それでも、風は止まず、徐々に相手の周りに風の層が作り出されようとしているのが分かった。彼の体にもその風が当たり、せっかく閉じた切り傷の上から新たな切り傷が付けられて、出血する。まだまだ耐えられるくらいの痛みで、彼は作り出した二本の槍を持って、ぐっとさらに相手を地面に押し付けた。その際には槍がさらに奥に入り、相手の体を貫通して、地面に槍が突き刺さる。相手はもはや簡単には浮かぶことさえできずに、その場に固定されている。もはや、一般的な魔獣であれば、死んでいるであろう状態でも、相手は周りには風が集まる。その勢いはさらに強くなり、彼の体にもさらに傷が増えていく。既に体の表面だけをなぞるようなかすり傷だけではなく、体の肉の浅い部分まで切れ始めている。その痛みはひりひりするだけではなく、明らかに切り傷を付けられた痛みがあった。彼はその手にバトルアックスを創造して、痛みに耐えながら相手を真っ二つにする勢いでバトルアックスを振り下ろす。装甲もない相手の体には簡単に手ごたえすらないような感触でバトルアックスは相手の体を真っ二つにした。




