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未知の魔獣 3

 ビームの魔法が相手の風の層を破壊しているのを、彼も見ることができた。それだけ魔法を使えば、相手の風の層を破壊できることも理解できた。そして、風の層を破壊できることが分かれば、相手の本体に攻撃ができるようになるということだろう。そうなると、今度は相手の本体を壊すことができる攻撃を探さなくてはいけない。物理攻撃は相手の手前で止まってしまったが、魔法でならその壁も突破できるのかもしれない。


 彼はビームに沿って相手に近づいていく。彼は物理攻撃が効果がないと分かりながらも、バトルアックスを創造した。風の層がなければ、横に振るう武器でも相手に攻撃ができるかもしれない。両手でその武器を持ち、風の層が破壊されて、本体がむき出しになっている相手に向かってバトルアックスを振るう。バトルアックスは綺麗に相手の本体にぶち当たったが、本体を両断することはできなかった。刃も通らず、相手は振るわれた斧の勢いに押されて、真横に飛んでいく。球体である本体は地面に落ちると、コロコロと転がって、そこにある木の幹にぶつかって止まる。相手にバトルアックスを当てたとはいえ、感触的にはやはり本体にぶつかっているわけではなく、手前で何かにぶつかっているように感じる。その何かに力が伝わって、相手が飛んで行っているような、不思議な感触だ。風の層を破壊しきっていたとともったが、最後の一枚というか、相手の本体の表面にも最後の風の層のようなものがあり、そのバリアは先ほどの魔法だけでは破壊できないということなのだろうか。


 彼は土の魔気を集めて、収縮を繰り返していた。その動作は魔法の圧縮と吸収を繰り返している動作だ。土の魔気がそこに集まり、それが土の塊を生成する。その沖差は彼の二倍のどの大きさの土だ。見た目には土には全く見えないだろう。黒い固そうな何かの塊という見た目だ。巨大な肉を黒焦げにしたようにも見えるかもしれない。そして、その塊を相手が転がっている方へと飛ばした。全く工夫もなく、黒い土の塊は相手の本体を押しつぶす。周りにある草花、木の根元なども下に押し込めて相手ごと押しつぶしていた。土の塊は役目を終えると、土の魔気へと還る。そして、そこには土の塊が押しつぶした地面が凹んでいた。そして、ダメージを一番与えたかった相手は綺麗に地面にめり込んでいた。土の塊がなくなると、相手はスポッと聞こえてきそうなくらいに綺麗に地面から浮き上がり、再び周りから風を集め始めた。だが、それは相手の周りに集まる風ではなく、何かしらの魔法を使おうとしているようだった。もはや、風の層を集めることよりも彼の排除を優先することにしたのかもしれない。そして、相手の周りに風の球が二つできていた。だが、すぐに何かを起こすというわけではなないように見えた。だが、彼の体はいつの間にか、出血していた。血が吹いて、それを見た後に、彼は痛みを感じ始めた。痛みのある部分を抑えると、手が血まみれになっていた。致命傷というほどではないにしても、浅く切れた出血量ではないことは間違いない。


 その程度の出血で焦るというわけではないが、何度もその攻撃を食らうことはできないだろう。ただでさえ、様々なところから出血させられたのだ。今食らった攻撃以外の傷は血が固まってふさがっているが、それでも血を失っていることは間違いない。


(これ以上、攻撃は食らえないぞ……)


 彼はそう思いながらも、相手の攻撃は少しも見えなかったのだから、対処するにしても、まずは相手の攻撃を回避か防御できるようにならなければいけないだろう。だが、それももう次の攻撃を受けることはできないと考えると、無謀といえるかもしれない。


 風の魔法の中には、見えない刃を出すものもあるが、ここまでの威力は出ない。その魔法を使ったとしても、先ほどの彼の体に付いた傷くらい浅い傷しか作れないのだ。そして、もし、深い傷を作るとなれば、刃に風の魔気の薄緑の色がついて、見えない刃とはならないだろう。


(もしくは、俺が知らないだけで、見えない刃でも威力を出す方法があるとか、か)


 彼は強い魔法を使えるが、魔法の全てを知っているわけではない。むしろ、強い魔法を使えるからこそ、自分が魔法に対して知らないことも多いことを自覚している。だからこそ、相手の使っている魔法は見たことがない可能性の方が高いと考えられた。とにかく、その場にいては同じ攻撃を受ける可能性が高いため、彼は動き回ることにする。すぐに走り出して、相手を中心に歪な円を描くように走り出した。

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