硬度
「一心同体って…僕は騎士になったってこと?」
「正確には私の鎧になったという事だ。騎士は王に使える由緒正しk」
「そんなことより…ミネールなの?…これ?凄いな…」
騎士の熱弁を横目にアインは焼け野原の石を掴み、投げる。
地面に着く前に灰となって消えてしまった。
「少年よ…意外と図太いな。」
落胆した様子の騎士は暗いながら相槌を打つ。
「一帯は瓦礫の山のようだが、街だったようだ。しかし…何があったんだ?」
「何があったか知りたいけどじーちゃんも、街のみんなもいない。どうしよう?」
「ひとまず、近くの集落に行ってみるのはどうだろうか?このような大きな街の近くには少ない集落があると聞いたのだが。」
「そうだね。この街…だったミネールの近くには鉱石細工の盛んな村のオリックがあるって聞いた事がある。そこに行ってみよう。」
「あと、ダイヤモンド、だっけ?長いからモンドでいい?じーちゃんの話に出てきた騎士の人の名前だし、いいでしょ?」
「あいわかった。これからはモンドと名乗ろう。」
そんな会話を瓦礫の道を歩きながら進んでいるとモンドが叫んだ。
「近くに動きがあるぞ!なにか知ってるかもしれない!行こう!」
叫んだ瞬間、アインの意志とは関係なく体が動き、走り出す。
「うわぁぁぁぁ?!」
「よし!この瓦落多の向こうだ!おーい!何か知っていることがあったら是非教えて欲しい!」
そこに居たのは…人でもあったが黒光りする角が生えた大男達だった。
「誰だお前」
アインは一目見た瞬間、危険な者だと悟る。しかも到底人類では力で勝てない程に。
「モンド!この化け物ヤバいって!絶対街こんなにしたのこいつらだって!」
そんなアインの忠告に聞き耳も立てずに質問するモンド。
「君たちは何か知っていることは無いか?例えば何故この街がこのようになったのか等。」
質問された瞬間ニヤリと笑い、大男達の1人が拳を振るう。
「それはな、俺たちのせいだよ〜!生き残りは死にやがれ!」
「危ない!死ぬッ!」
急な拳にアインは手で防ごうとする。
ゴンッ
鈍い音が響く。そして大男の拳から鮮血が迸る。
「いてぇ!何するんだてめぇ!」
何が起こったのか理解出来ていないようだった。この男からすれば、鎧など、木っ端微塵だと思っていたのだろう。
「あれ?生きてる?」
アインは目を恐る恐るひらく。目の前には悶絶する男が。
騎士は叫ぶ。
「これぞ我が最強の硬度、10だ!」




