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生活保護

作者: よたり

 私は自分で言うにもアレだが、有名芸能人だ。snsのフォローは100万人もいる。


 そんな私は今、生活保護を受給して働かずに生きている青年と対談している。


「生活保護を受給して、罪悪感はありせんか?」


 私は青年にそう問う。


「ないよ」


 青年は即答した。私は青年の返事に苛立ちを覚える。


 他の大人たちは一生懸命働いているのに、私だって苦労しているのに、労働の義務があるのに、身勝手な青年だなと。


「君のお父さんとかは、一生懸命働いているでしょ?他の大人たちも一生懸命働いている、君もそうなるべきでしょ?」


 私はつい青年に働くことを強要してしまう。


「俺は俺で、俺は父親でも他の働いてる大人たちでもない。人それぞれ、個性がある、平均を押し付けるなよ」


 青年は少し怒ったように言った。確かにそれぞれ個性はあるけど、一生懸命頑張ることは誰にだってできる。そうやって苦労を重ねることが幸せな人生になると私は思っている。


「そう、なんで働きたくないの?」


「俺のせいで他人に迷惑をかけるのが嫌なんだ」


「生活保護の受給だって迷惑じゃない?」


「迷惑ではないと思っているよ。現に税金は色んな形で湯水のように無駄遣いされてるし、受給者を叩く人たちは他人に迷惑をかけてでも働く理由が必要なだけだと思うからね」


 青年がそういうと突如対談している一室が眩しくて目を開けていられないほど青白く光り輝いた。





 目が覚めると大きな池と森が広がる場所にいた。


 私の自分の異変を感じた。手は少し大きくなり、腕には男性のような毛が生えていた。


 私は池の水面で自分の姿を確認した。


 なんと私は対談した生活保護を受給している青年になっていた。


 私は慌てる気持ちを鎮め、ビーズ吉田の言葉を思い出す。ビーズ吉田は売れっ子芸人で多くの言葉を今も生み出している。


 私はその言葉に共感してよく思い出して勇気をもらっている。


 この現象は映画とかでよく見る、体が入れ替わっているという現象だろうか。


 まぁいい、私は体が変わったとてどうということはない。


 私は周りの散策を始めた。大きな池を一周してみようと考えた。池があれば水分に困ることは無さそうなので池から安易に離れるのはまずいと考えたからだ。


 なんだか、いつもよりやる気がない。なんだからいつもよりつまずく。


 なんだかいつもよりも自然が綺麗に見える。なんだかいつもよりも考え事をするのが楽しい。


 これが青年の個性なんだと直感する。


 これは当たり前のことをすることが時には難しくなるだろうと思った。


 私は池の水を飲んだ。水は不味かったが喉が渇いてたのであまり気にならなかった。


 平均の社会で個性発揮することは難しいと思うけど、個性を楽しむことはできると私は思った。

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