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私の死に様

 というワケで私の死に様だけど――。

「では早速だが、ピンクはこうやって死んだ方が良いんじゃないかという意見があるヤツはいるか?」

 レッドが促せば、即座に手を上げたのは小豆ちゃん。

「よし博士。頼む」

「うむ。少し考えたのだが、つみれの意見も尊重して普通に戦ったのちに死ぬ……というところに一味加えてみるというのはどうだろうか?」

 というと?

「というと?」

「例えばだが――意地でも倒れない。立ったまま死ぬ……のような」

 あ~よくあるね。仲間を庇って立ったまま死ぬとか、敵の行く手を阻むために立ったまま死ぬとかね。


 ――で、これに対してレッドは?

「ほぅ? 悪くないな? となれば立ったまま死ぬ……もそこそこありきたりとなっている昨今、更にもう一味加えるというのはどうだ? 例えば立ってトロピカルジュースを飲んだまま死ぬとか」

 敵と戦ってる真っ最中に悠長にトロピカルジュースを飲んでるって私どんだけ強キャラなのよ。

 ――と。そこへブルー。

「それならば立ってそばを食ったまま死ぬというのは如何か?」

 立ち食いそばって事? それ死に様に一味ひとあじ加えるんじゃなくてそばに一味いちみを加えようとしてない?

「あ、それだったらデザートにケーキ食べたまま死ぬってどうですか?」

「いや、それもう『立ったまま』がどっかいっちゃってるのよグレーちゃん。そんで飲む→食べる→デザートって……なんで敵と戦いながら一通り食事済ませようとしてるの私? ってかそれ忍耐ペイシェンスの私じゃなくて暴食グラトニーの死に様じゃない?」

 という私のツッコミが決め手となったか「立ったまま死ぬ」案は却下となった。


 ――続いて。

「では他に誰か意見はないか?」

 レッドの促しに寺田さんが手を上げる。

「ほぅ? 寺田か……貴重な意見が聴けそうだな? どれどれ」

「……」

 たぶん念話だから必要ないんだろうけど、わざわざ寺田さんの方へ身を乗り出して耳を傾けるレッド。

「ほほぅ? なるほど……そうきたか! ……よし。みんな聞いてくれ」

 レッドが私達へと体を向け直す。

「誰か他に意見のあるヤツは?」

「いやいやいやちょっと待って。寺田さんはなんて言ってたのよ?」

 私が即座に言えば、レッドと寺田さんは揃って小首を傾げ。

「何を言っているのだピンク? だから寺田は『他に誰か意見は?』と言っていただけだが?」

「言う必要なくないっ! なんでそんなテレパシーの無駄使いするかなっ!?」

 っと言ってから私が寺田さんを睨み付ければ。

「……」

「だから喋らないのにテレパシー送ってこなくていいですっ!」

 私が寺田さんにがなっていると、横からレッドの叱責が飛んでくる。

「おいピンク! 話が脱糞してるぞ!」

「脱糞じゃなくて脱線でしょ脱線っ! どうやったら話がウンコするのよっ!」


 ……という閑話を挟んでから閑話休題。

「よし。では気を取り直してピンクの死に様を決めよう。何か意見のある奴はいるか?」

 再びのレッドの促しに、再び手を上げたのは小豆ちゃんだった。

「おぉ博士か。まだあるとは感心だな。では頼む」

「うむ。さっきの一味加えるの続きで――戦った後、最後に自死を選ぶというのはどうだろうか?」

「自死? つまり自殺という事か?」

「いや、まあ自殺と言えば自殺だが、ニュアンス的には自刃、自害と言った感じだな。良くあるだろう? 敵の手に掛かって死ぬくらいなら自ら死を選ぶ……というヤツだ。その際に自らの必殺技を自らに撃って死ぬなんて際立って良いと思うのだがどうだ?」

 う〜ん。確かにいい演出だとは思うんだけど、この死に方ってプライドの高いキャラの死に方だと思うんだよね……。んで、そうなると忍耐(ペイシェンス)の私より傲慢(プライド)の対のレッドの死に方じゃないかな〜なんて私は思うんだけど――

 ――そのレッドは。

「悪くはないな。となるとピンクの場合は必殺技がファイナル・デッド・マギカ・スラッシュ・リミットブレイクだから自刃する場合はファイナル・デッド・マギカ・スラッシュ・リミットブレイク・切腹か?」

 いや、ファイナル・デッド・マギカ・スラッシュ・リミットブレイク・切腹(ハラキリ)って。いくら必殺技を自分に撃って死ぬっていってもそれはないでしょう? とゆーか。

「それさ……逆に必殺技いらなくない? 普通に武士らしく切腹でいいじゃん。武士じゃないけど」

 ――と。

「確かにピンク殿の言う通りかもしれませんな? ならば必殺技は抜きにして自死の部分に焦点を当てるのはどうかと?」

 うん。それっぽいまともな意見言ってるようだけど、小豆ちゃんは最初からそう言ってるんだよねブルー。

 っと思ったところで通じるワケもなくブルーは続ける。

「こういうのは如何か? ピンク殿は崖や高層ビルの屋上でラストバトルを行い、敗色濃厚となった場面で足を滑らせ落下しそうになる。そこを相手のレッド殿辺りが手を掴み一旦は落下を免れる……」

 あ〜よくあるシーンだよね。んで、私は「なんで助けたっ!」とか言って「お前まで落ちるぞ!」って言って自分から手を振り払って落ちてくって感じだよね……っと私は脳内で補完したけどブルーは違う。

「しかしピンク殿は手を振り払い、落下しながら切腹するというのは如何か?」

「いやなんでわざわざ切腹するのっ! 必要ないじゃん!」

 と私は即座にツッコミを入れるもレッド。

「なるほど。普通切腹には介錯がいるが、それならば介錯は不要。セルフ介錯になるという事か」

「いやだからセルフも何もそもそもとして切腹が要らないんだって!」


 と。私は抵抗してみたものの、結局私の死に方はこの飛び降り切腹となり……実際にやってみたら何故かレッドの世界ではバカウケして人気となった……。

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