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死に様

 前回のミーティングで私達の殺られる順番が決定した。なので今日のミーティングではストーリーとなる部分。どうやって殺られるか? を決める事になった。要は死に様を決めようって話である。


「良し。じゃあ早速だが死に様を決めよう。なるべく死ぬ順番で決めていきたいところだが必ずではない。それとなるべく被りは避けたいが誰かこうやって死にたい……って希望があるヤツはいるか?」

 とレッドが全員を一望すると、意外な事に真っ先に手を上げたのはキリンちゃんだった。

「あ、じゃあ僕からいい?」

「構わん。続けてくれ」

「なら早速だけど、僕はトラックの前に飛び出した子供を庇って死ぬ……ってのがいいかな?」

 え? いやいや。

「あのキリンちゃん。確かにそれはカッコイイ死に方だけど、今の私達は悪の組織だよ? しかも幹部だしその死に方はマズイんじゃない? その死に方は正義のヒーローの死に方じゃん」

 とキリンちゃんに苦言を呈してみたものの。

「ん? いやいや違うよ。僕が言った死ぬっていうのは子供の方だよ」

「それ庇ってないじゃん! トラックの前に飛び出した子供を庇ってるはずなのに子供の方が死ぬって華麗にトラック避けちゃってんのよ!」

「あ! じゃあ次、私いいですか?」

「シカトッ!?」

 と、私のツッコミを無視して割り込んできたのはグレーちゃんだった。グレーちゃんは私達全員の顔を1度見渡し。

「私はこの中の誰かに殺されたいです!」

 ええっ?

「それってさ、私達の誰かに敵に寝返れって事?」

 まあ、私達は元々は正義のヒーローだからヒーロー側に寝返るのは悪い気分じゃないだろーけど……と単純な私は考えたんだけど――

「あ、いえ、そういうんじゃなくて――。私とピンクさんで例えますけど。私がヒーローに負けて倒れているところへピンクさんがやって来ます。で、ボロボロの私が『助けてくれ』って言ったらピンクさんが『役に立たない奴だ。7つの大便のケツ汚しめ。消えろ!』って感じでトドメを刺すんです」

 うん。それを言うなら『7つの大便のケツ汚し』じゃなくて『7つの大便の面汚し』だよね……いや『7つの美徳の面汚し』が1番正しいか。でも確かにそれはよく見るパターンだし、私達7人もいるから1回はやっておいた方がいい演出だよね?

 と私は思っていたけどレッド達はちょっと違ったらしく。

「ほぅ? それは斬新だな? それでピンクの方が死ぬんだろう?」

「私の方が死ぬのっ!?」

「はいっ!」

 私が驚愕しているとグレーちゃんは満面の笑みで返事をしていた。

 いやいやいや、だってそれドラゴンボールだと悟空がナッパをボコボコにした後、ナッパがベジータに助けを求めたらベジータが「動けないサイヤ人など必要ない!! 死ね!!」って言ってベジータの方が死ぬって事でしょ!? 死に方が謎過ぎるし斬新過ぎじゃない?


 という訳のわからない状況になったところでレッドが仕切り直し。

「じゃあ他には? 他にこんな死に方がしたいって奴は居ないのか?」

 レッドが右手を上げて挙手を促せば。

「じゃあ私から良いか?」

 と片手を上げたのは小豆ちゃんだった。

「博士か。博士はどんな死が望みだ?」

「うむ。私は自爆特攻が良いな。相手のレッド辺りを巻き添えに自爆したい。戦闘タイプじゃない幹部がとる最後の手段としては有終だろう?」

「おぉ。確かに有終だな」

 とレッドは感心しているけど。

「いやちょっと待って。自爆自体はまあいいと思うんだけど相手のレッドを巻き込むのはマズくない? 小豆ちゃんの次はブルーしか残ってないけど、それでもラスボス前でレッドが退場するのは戦隊ヒーロー的に問題な気がするんだけど?」

 というよりヒーローの5人の内、1人でも欠けると結構その後のストーリー展開キツい気がするんだけど?

 と思ったのは私だけだったらしく小豆ちゃん。

「それなら問題ないだろう。私が相手のレッドに自爆特攻したところで、結局死ぬのはつみれだけだからな」

「なんでまた私っ!? どーゆー事故起こしたら私だけが死ぬのっ! てゆーかストーリー上だと私のほうが小豆ちゃんより先に死ぬはずじゃん」

「まぁ……そんな事は些細な問題だ。重要なのは私が自爆しても相手のレッドが死なないという事だ」

 いやそうかもしれないけど……それにしたってさっきからキリンちゃんにグレーちゃんに小豆ちゃんもみんな生存意欲高くない? そしてグレーちゃんと小豆ちゃんに至っては私への殺意も高い。更に言えば今のところ私しか死んでない。


 ――ので。話が全く進まないからかレッドが催促をする。

「どうしたお前達。他にはないのか? 特にピンクお前はどうなんだ? さっきから文句ばかり言って自分はなんの意見もなしか?」

 いや、そう言われても……

「別に私は特別な死に方じゃなくていいかな? 普通に戦って負ければいいって思ってるからさ」

「それはダメだな。何故なら既に俺とブルーが普通に戦って死ぬという事が決まっているからだ。わかるだろう? ラスボスであるブルーは当然として、闇の宮廷道化師最強の俺も戦って普通に負けるのが常道。つまり7人の内2人も戦って普通に死ぬ事が決まっている以上、これ以上普通に死ぬキャラを増やすのは得策ではない」

 あ~……まあ確かに。

「よし決めた。まずは厄介そうなピンクの死に様から決めるぞ!」

『おう!』

 私以外全員の声が揃う。


 という訳で急遽、まさかの私の死に様から決める事になった。

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