続々君・小豆ちゃんとグレーちゃん
グレーちゃんの罠によってクソゲーを掴まされそうになった私だけど。それは置いておくとしてグレーちゃんと小豆ちゃんの会話は続く。
――んで小豆ちゃん。
「それで? お前はゲーム以外に何かしたりしないのか? ……というよりも、当然だが出かけたりする事もあるのだろう?」
「モチロン出かけますよ、たまにですけど。ん~でもそうですね~出かけた時はお買い物をする事が多いですかねー?」
「ほぅ? 買い物か……」
「はい。お洋服とか結構衝動買いしちゃいます」
「あ~私と違ってオシャレだものなお前は?」
オ、オシャレ? 洋服を衝動買い? いや、私グレーちゃんが雑魚戦闘員スーツ以外の服着てるとこ見た事ないんだけど? ってゆーか未だに素顔も見た事ないんですけど……?
と考えている内に小豆ちゃんからの更に質問。
「今日着ているそのスーツも50万くらいするのだろう?」
「はい。ユニクロで50万円しました」
ユニクロで50万円ッ! ユニクロに50万の服ってあったのっ!?
「雑魚戦闘員だった時のクセみたいなもので、ユニクロとかで雑魚戦闘員のスーツ見かけるとついつい買っちゃうんですよね。なので今150着くらいありますよ」
あ、じゃあもしかして今まで私はグレーちゃんっていつも同じスーツかと思ってたけど毎回違うの着てたのね……。それは隠れオシャレさんだわ……隠れ過ぎだけど。
「150着もあるのか……じゃあ50万より高いスーツもありそうだな?」
という小豆ちゃんの質問に。
「あ~ありますよ。1番高いのは有名なデザイナーさんにオーダーメイドしたスーツですね」
「いくらなんだ?」
「51万円です」
ユニクロと1万円しか変わらないのッ!? ただそれはデザイナーさんが格安で受けてくれたのかユニクロが上等過ぎるのかは私には判別がつかない!! っていうか私にはどっちも同じデザインにしか見えない!?
しかしそれはそれとして小豆ちゃん。
「ん? 戦闘員だった時のクセで買い漁っているという事は、そのオーダーメイドは戦闘員だった時に発注をしたという事か?」
あ、そっか。普段はクセで衝動買いしてるんだもんね。いくらグレーちゃんでもどっかで冷静になるだろうから衝動でオーダーメイドまではしないって事か。
という小豆ちゃんの推理は当たっていたらしく。
「そうですね。まあ正確には私がオーダーメイドした訳じゃなくて、オーダーメイドした物を組織から支給されたんですけどね」
「なるほどそういう事か。確か雑魚戦闘員でさえ時給60万円くらい支払われる。無駄に金持ちな組織だったものな?」
ああ、そーいやそーだった。
「はい。だもんで雑魚戦闘員の時に支給されるのはオーダーメイドのスーツだけじゃなくて、ブランド品の武器とかも一緒に支給されましたよ。CHANELの鉄パイプとかLOUIS・VUITTONの釘バットとか」
シャネルの鉄パイプにヴィトンの釘バット!? 売ったらいくらになるのか知らないけど、いくら雑魚戦闘員とはいえどもそれ売って普通の剣とか買った方が良くない? それとも出世するとHERMESの剣とかGUCCIの槍とか支給してくれるの? それなら売らなくてもいいかもしれないけど……。
と。それはそれとして小豆ちゃん。
「オーダーメイドのスーツにシャネルやヴィトンか……やはり私と違ってお前はオシャレなようだな?」
「あはは。昔支給されてたってだけの話ですよ。それより小豆さんはどうなんですか? 休みの日に出かけない場合はお家で何してるんです?」
「ん? 出かけない場合か……。特にこれと言ってだが――料理をしている事が多いかもな?」
「あぁ〜お料理! どんな物作るんですか?」
「基本スイーツだな。マカロンやラング・ド・シャ。あとはガ・リガ・リクンとかよっちゃんイカなんかを良く作る」
いやそれっぽく言ってるけど明らかガリガリ君じゃん。そしてよっちゃんイカに至ってはスイーツですらないし。
「えっ! 凄いっ! ガリガリ君とかよっちゃんイカを個人で作れちゃうんですか!?」
ホント凄いよね。でもその前に普通にガリガリ君って言っちゃってるのよグレーちゃん。
「大した事ではないぞ? ガリガリ君なら冷蔵庫の余り物とかで結構簡単に作れたりするからな」
そんなバカな。飲食店のまかないじゃないんだから……。冷蔵庫の余り物だけでガリガリ君なんて作れるワケないじゃん小豆ちゃ…………ん? ま、まさかガリガリ君のナポリタン味とかコーンポタージュ味って……?
「へぇーそうなんですね? じゃあネバネバ君とかザラザラ君も冷蔵庫の余り物で作れちゃったりするんですか?」
イヤイヤ君。ムリムリ君。
と私は思っていたけど小豆ちゃんは違ったらしく。
「当たり前だ。ドロドロ君やヌルヌル君だって作れるからな」
一体何を入れてるのそれは?
「それに全部を自分で作るので『当たり』を好きなように操作出来るのも魅力の一つだ」
全部自分で作ってるなら好きなだけ食べれるから当たり付きにする必要なくない? なんでそんな棒のクオリティに拘るの?
「そっか! ガリガリ君て当たり付きでしたね。なんかガリガリ君の話してたら食べたくなってきました!」
「よし。なら買いに行くか……私も少し食べたくなった」
「そうしましょう」
――と言って2人はガリガリ君を買うために店を後にした。
「……」
私も帰りにガリガリ君買って帰ろ。