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3rdシーズン

 ――で。早速だけどまさかのサードシーズンです。


 先週でスーパー戦隊ヒーローバトルロイヤルも終わり。50周年記念まで私達の出番もさすがにもうない……ハズだったのにどういうワケか私達は全員レッドに呼び出されていた。


 ――いつものファミレス、いつもの時間。


「早速で申し訳ないがお前達に頼みたい事がある」

 開口一番は私達を呼び出した張本人のレッドだった。

「知っての通り俺はこの世界に来る前は別の世界で勇者をしていた。そしてその世界で魔王を倒し世界に平和をもたらしている。だが、最近その世界があまりに平和過ぎて人類が退屈していると神から連絡があった」

 まー贅沢な悩みですこと。

「そこでだ。俺がもと居た世界でも人類への娯楽提供としてスーパー戦隊シリーズを放送する事になった」

 なるほど。そこで一応スーパー戦隊そのものである私達にひと肌ぬげと……。そんなところなんだろうけど、でもその前に。

「あのさ、前から気になってたんだけど――あんたがもと居た世界ってテレビとかあるの? まあ話からしてさすがにあるんだろうけど、それとは別に文化とか文明ってどんな感じなの? それによっては戦隊ヒーローとか受け入れられないんじゃない?」

「ああ、それなら問題ないだろう。実は俺が居た世界とこの世界は文化や文明といったものがほぼ一緒で、唯一と言える大きな違いは俺が居た世界にはスティーブ・ジョブズが10人居た事くらいだ」

 なんで10人も居るのっ!? いやそれより。

「スティーブ・ジョブズが10人も居たらこっちの世界より文明が進んでそうなんだけどっ?」

 驚愕する私にレッドは静かに首を左右に振り。

「いや、それはないな。何せ10人居たジョブズの内6人はサッカーをやっていたからな……J3で」

 さ、才能の無駄使い! なんで10人も居て半分以上がサッカーに流れちゃうの……? しかもわざわざ日本でやってるっていうね……。


「うん。まぁとりあえず戦隊ヒーローがウケそうならそれでいいんだけどさ。でも私達が改まって何かしなくても、前にメンズ・ブルマ倒した時の話を放送するんじゃダメなの?」

 私の意見にレッドは両肩を竦め。

「それは俺も真っ先に提案した。しかし異世界間同士で放送料とかの問題でそれは難しいそうだ」

 あ〜そりゃスポンサーさんからしたら異世界でCM流れても美味しくなさそうだし……要は大人の事情って事ね。

「じゃあ――あんたの世界の神様が用意した悪役を私達が倒していくって感じになるの?」

「いや、そうではない。実は戦隊ヒーローを制作、放送するにあたって神が既にそれなりのレッド、それなりのブルー、それなりのピンク、それなりのイエロー、ごりごりのブラックを用意したそうだ」

「いや最後……明らかにごりごりのブラックだけ異質なんですけど?」

 ここでレッドは両腕を組み満足そうに頷き。

「さすがピンク。わかっているな? 確かに他の色は標準的なそれなりのヒーローだが、ブラックだけは筋肉モリモリのマッチョマンで基本事件は全て筋肉で解決出来ると思っている。……というか実際筋肉でしか解決しない」

 つまり脳筋て事でしょ? 戦隊ヒーローの1人だけ脳筋てどうなのよ?

「なので変身しても1人だけバトルスーツはタンクトップだ」

「肌の露出高くないっ? 防御力低そうなんだけど!」

「バカを言え。ヤツは筋肉という名の鋼のタンクトップを纏っているんだぞ! 防御力は戦隊中最強だ!」

「筋肉という名の鋼の鎧じゃないのっ!? それだと結局タンクトップ部分しか固くないじゃん!」

 と私がレッドにツッコミを入れていると小豆ちゃんが小脇で呟く。

「なるほど。タンクトップ型のバトルスーツか……次はそれでいってみるのも一興だな?」

 やめて小豆ちゃん。あなたの技術力だとたぶん可能なのよ……。

「タンクトップ戦隊ボディビルダー〜筋肉は地球を救う!〜なかなか良き後輩が誕生しそうですな?」

 なに朗らかにほざきやがるかなブルー!

「いや、ちょっとさっきからみんな筋肉を過信というか過大評価してない?」

 と言ってみるもすかさずレッド。

「何を言っている。実際アーノルド・シュワルツェネッガーがあと3人居たら地球は筋肉に支配されていたと言われているんだぞ?」

「聞いた事ないわよそんな話! とゆーかそれだと今地球って4分の1は筋肉に支配されてるって事じゃん!」

「まぁそうなるな。実際俺の居た世界にはアーノルド・シュワルツェネッガーが10人居たので筋肉に支配されていたからな」

 だからなんであんたの世界にはジョブズとかシュワルツェネッガーが10人単位で居るのよっ! それこそが大きな違いじゃん! それにっ

「4人で支配出来るのに10人も居たらあまりまくりじゃないっ!?」

「まあな。だから10人の内6人は卓球をしていたな?」

 あの筋肉量で卓球!? やっぱり才能の無駄使い……ってかそもそも10人居る意味なくない?


 ――と。話が脱線し過ぎた。なんの話をしてたんだっけ? あ、それなりのヒーローとごりごりのブラックが用意されてるって話だったっけ? そこまではわかったとして話をちゃんと進めよう。

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