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ごはん戦隊おかずファイブ 決まる

 いよいよ勝ち残ったヒーロー10人による最終ラウンドが始まった。そして驚く事に、まず最初に脱落したのはなんと小豆ちゃんだった。

 小豆ちゃん曰く「そろそろ潮時だった。そもそも私はおかず戦隊ごはんですよでさえ仮で入っていた身。おかずファイブになるつもりはなく、ここまで残れば体裁も保てたので十分だ」

 と。自ら辞退してしまったので最初の脱落者となった。


 そして次に敗退したのがシリアルキラーブラッド。まぁもうこの人は勝たせてはいけない……と思っていたので私が真っ先に全力で倒したという話。

 んで、そこで力を大分使ってしまった私が次の敗退者だった。正直まだ戦える力は残ってたんだけど、私を倒しにきた相手が勝ち残って欲しいスモウレスラードラゴンだったというのもあり、殆ど無抵抗で降参してしまったというのが実情。ただ残念なのはそのスモウレスラードラゴンが私の次にすぐ敗退してしまった事だったりする。そして次に負けたのがパリピンクで――


 ――決まった。


 ごはん戦隊おかずファイブの5人が。レッド、ブルー、グレーちゃん、緑茶、ソロボッチ。この5人がごはん戦隊おかずファイブに決定。とりあえず最終ラウンド第1週目はここで終わってしまい、次の第2週目が頂上決戦! 1位から5位までを決めるラストバトルになる。……というところで今日のミーティングなワケだけど。


「よし。とりあえずおかずファイブ当確の5人には入ったし。たまにはこのファミレスでカレーとひつまぶし以外の物でも食うかな? 自分への褒美として……」

 と呟きながらメニューを捲っているのはレッドだった。そこへ横からブルー。

「シャトーブリアンか伊勢海老など如何ですかなレッド殿? そして食後にはスイカバー」

 うん。まあいいんじゃない? 私もこの間自分へのご褒美済ませたし、たまには他の人がしてるのを見るのも悪くはないかも……。ただこのファミレス普通のファミレスだけどひつまぶしとかシャトーブリアンとかそんな高い物あった……スイカバー??


「よし決めた。まずこの『ホワイトアスパラガスのトリュフとポルチーニソース森の妖精仕立て』をもらおうか」

 とメニューを閉じるレッド。

「いやちょっと待って。そんな本格的なフレンチっぽいメニューあったっけ? 森の妖精仕立てってのもよくわからないし?」

 さすがに我慢出来なくなって口を挟む私だけど。

「あるに決まってるだろう? 森の妖精の半魚半だぞ!」

「森の妖精って半魚半の事だったの!」

 私が叫んでいるとグレーちゃん。

「違いますピンクさん。半漁半はさすがに海の妖精です。レッドさん、森の妖精は小林幸子さんです」

「ああ、そうだったか……うっかりした」

「えぇっ! 小林幸子さんって歌手のでしょ? あの人って森の妖精っていうよりラスボスじゃないの?」

 そこへ横からブルー。

「ピンク殿。その認識は少々間違っています。厳密には第1形態が森の妖精で第2形態がラスボスである宇宙(ソラ)の妖星です。なのでどちらも幸子殿であるのが正解ですな」

 ソ、宇宙ソラの妖星! それっぽいけども……。


 ――と。

「ほぅ? なかなか美味そうだな? ならば私も今日だけダイエットを止めて何か食べるかな?」

「え? 小豆ちゃんダイエットしてたの?」

 突然の声の主は小豆ちゃんだった。私は小豆ちゃんへと向き。

「小豆ちゃんてダイエットしなきゃいけないほど太くなくない? どっちかっていうとほっっっそいし!」

「いやそれは違う。普段からダイエットをしているからこの体型なのだ」

 へぇ〜初めて聞いた。

「じゃあさっきの話からして食事制限してる感じ? 炭水化物ダイエットとか糖質ダイエットとかみたいな?」

「ああ、ダイオウイカダイエットだ。普段からダイオウイカだけは食べないようにしている」

 ダ、ダイオウイカって食べてる人いるの? アンモニア臭くて食べれないって聞いた事あるんだけど?

「それ……実質ダイエットしてないって事じゃない?」

「そうなのか?」


 と。ここでレッドが話に割り込んでくる。

「しかし女子はダイエットが好きだなぁ? グレー。お前も何かダイエットしているのか?」

 レッドがグレーちゃんに話を振る。個人的にダイエット云々抜きにしても、グレーちゃんが何を食べてあのスーパーダイナマイトボディを維持しているのか気になる。なのでそちらに耳を傾けると。

「私もする時はしています。ただ私の場合はりんごダイエットとかトマトダイエットみたいな、それしか食べないダイエット法ですね。因みにからあげダイエットです」

 からあげっ! カロリー高くないっ?

「からあげしか食わないのか……結構ツラそうだな?」

「そうですね。なので1日50個までにしてます」

 た、食べ過ぎじゃないっ? 

「50個までか……しかしそれでも飽きそうだな? 毎日からあげだけなのだろう?」

「そうですね。でもどうしても飽きちゃった時はエビフライダイエットに切り替えます。もちろんエビフライダイエットの時はタルタルソースはオッケーですけど他は全部抜きです」

 だからカロリー高くないっ? エビフライでタルタルソース抜かなかったらあとは一体何を抜くの?

「まあもしそれでエビフライダイエットにも飽きちゃったらあとは普通にラーメンダイエットとかケーキダイエットとかですかね?」

 それもう好きな物を好きなだけ食べてるだけじゃない? つまりダイエットしてなくない?

 というところでレッド。

「なるほど。色々なダイエットがある訳だ。俺も明日から誰でも出来る簡単ダイエット『明日からダイエット』を実践してみるかな?」

 レッド……それは明日になっても『明日からダイエット』と言って永遠に始まらないダイエットよ……。


 ……というワケで翌日。レッドのダイエットが始まったかどうかは定かではないけど、ごはん戦隊おかずファイブの順位は決まった。当たり前だけどレッド、ブルー、グレーちゃんが圧倒的な強さでワンツースリーフィニッシュ。4位が緑茶、5位がソロボッチという結果になった……んだけど。レッド達は順位が決まるまで付き合っただけ、という理由でおかずファイブを辞退。この時点でごはんですよのメンバーが私以外全員が辞退したので……私もなんとなくで辞退した。

 なので――


 ごはん戦隊おかずファイブはレッドが緑茶。ブルーがソロボッチ。ピンクがパリピンク。ハワイ旅行がスモウレスラードラゴン。たわしがシリアルキラーブラッド。という配役に決まった。


 そして私達おかず戦隊ごはんですよのセカンドシーズンは幕を閉じたのである。

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