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プロフィール②

 レッドやブルーが情報収集する必要があるのかどうか私にはよくわからないけど……先週に引き続き今週もプロフィール閲覧だな~っと思ってファミレスに来たんだけど。

「敗者復活戦終わったよ」

 キリンちゃんだった。

「え? もう終わったの? じゃあ明日からまた本戦開始?」

 2週間か3週間くらいしか尺稼げてないけどいいのかな? っと思いつつキリンちゃんの返事を待てば。

「えっと、とりあえず明日は復活したヒーローと残っているヒ-ローの紹介……という名の総集編だね。だから明日はまだお休みで、来週からいよいよ最終ラウンドさ!」

 そっか。なら最終決戦に向けて、こっちも最後の情報収集といきますか。

「あ、そうそう。さっき言ったように敗者復活戦も終わったから、復活したヒーローのデータも一番最後に送ってあるからデータ更新しておいてね」

 お、仕事が早いねキリンちゃん! なら有難く拝見させてもらいますか……。っというワケで私達は早速スマホを取り出してデータチェックを開始。まずは……


所属:陰キャ戦隊ソロボッチ

ヒーロー名:ソロボッチダークブルー

本名:中大兄皇子(なかのおおえのすめらぎこ)


「なかのおおえのすめらぎこっ! 中大兄皇子と書いて中大兄皇子なかのおおえのおうじと読まずに中大兄皇子なかのおおえのすめらぎこっ!?」

 と私が声を上げているとブルー。

「ほぅ? 中大兄皇子なかのおおえのすめらぎこと読むのですか? 私はてっきり『中野勝なかのまさるの兄の王子』かと思っていました」

「いや隣にちゃんとカッコで読み方書いてあるでしょうが……」

 具体的な名前じゃなくて中野勝の兄の王子だと結局誰だかわからないのよ……。いや、もういいや次。


二つ名:いい匂いのするトイレットペーパーの芯

職業:プロゲーマー(黒ひげ危機一髪)

必殺技:自分以外の味方に超強力なバフをかける事が出来る

武器:藁人形 五寸釘 トンカチ

備考:ファンタジーに良く出てくるダークエルフの人間版。つまり根暗人間(ダークヒューマン)


 う〜ん。シリアルキラーブラッドに比べれば全然悪い人ではなさそうだけど正義のヒーローとしてはどうなのかな? ソロ戦隊として必殺技とか全然噛み合ってないし、武器は呪いの道具みたいだし全体的にチグハグしてる気が……あ、だからボッチなのかな?


 っと、ここまでが私達を除いて勝ち残った4人。てー事は次の人が敗者復活戦を勝ち上がってきた人って事ね。さてさて、どんな人なのか……?


所属:企業戦隊スモウレスラー

ヒーロー名:スモウレスラードラゴン

本名:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァル子

二つ名:社畜

職業:旅行会社のOL

必殺技:サービス残業 休日出勤

武器:化粧まわし

備考:魔獣戦隊スモウレスラーとの掛け持ちの社畜。但しどちらの戦隊でも実は最強


 こ、この人にはシンパシーしかない! いや、恐らくだけど私より労働環境悪いだろうから個人的には頑張って欲しい……勝ち残って2つの戦隊を掛け持ちしないで済むようになって欲しい! ってか。

「この人。2つの戦隊掛け持ちしてたって全然気付かなかったんだけど……? じゃあバトルロイヤルの1番最初って実は24人でスタートしたって事?」

 私としてはMCであるキリンちゃんにした質問だったけど答えたのはレッドで。

「そいつと戦っていないお前は気付かなかったかもしれんが、そいつは掛け持ちしているだけあって両戦隊分――つまり2度倒さないと敗退にはならなかった。なので『実質』25人スタートといったところだな」

「実質……ね。んであんたが2回倒したと?」

「ああ。因みに決まり手は『押し出し』と『悪口』だ」

 え? 決まり手が押し出しって事はスモウレスラー相手だからわざわざ相撲で倒し――悪口っ!? 両戦隊最強なのに悪口で負けちゃダメでしょう? 正義のヒーローとしてはメンタル豆腐どころかメンタル綿アメじゃない? よく敗者復活戦勝ち上がれたな……。

「因みにその人は敗者復活戦でも2回倒さないと負けじゃなかったから……まあだから勝てたみたいなところはあったよ」

 と、これはキリンちゃん。

 なるほど。それは強い……ってか弱点のメンタルさえ攻められなきゃ圧倒的に有利よね。そして自力で1回は復活するならスモウレスラードラゴンじゃなくてスモウレスラーフェニックスとかの方が似合ってたんじゃない? 

 あ! いやそれより。

「もしかして……この人って最終ラウンドもやっぱ2回倒さないとダメな感じ?」

「ご名答! いや〜良かったね事前にそれを知っておいて。レッドやブルーなら問題なく倒しちゃうだろうけど、つみれは先に知っておいて正解だったんじゃない?」


 うん。確かにキリンちゃんの言う通り。これだけに限った話じゃないけど、事前に知っていると知らないとじゃかなり差が出た事がいくつかあったから、やっぱりこの情報収集はやったかいがあったな。

 ……と。私の中で結論が出たので、これを活かして最終ラウンドも頑張ろう!

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