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ごはん戦隊おかずファイブ(バトルロイヤル)について

 それはそれとしてキリンちゃんは首を捻り。

「そうだなー。まず紹介するべきはアメリカ陸軍特殊部隊。通称グリーンベレーの隊員のみで構成されている『格闘戦隊グリーンベレー』かな?」


 格闘戦隊グリーンベレー……か。


 私は思った疑問を口にする。

「アメリカ陸軍特殊部隊って事はメンバーの人達って全員……?」

「――そう。ジャマイカ人だよ」

「なんでジャマイカンッ! アメリカ人じゃないのっ!?」

 いや、なくはないんだけどさ。でもそこはわかり易く全員アメリカ人でいいじゃん……。こういうところが子供向けじゃなくて35歳独身男性向けなんだろうな……。と考えているとキリンちゃんは続ける。

「因みにメンバーはグリーンレッド、グリーンブルー、グリーンピンク、グリーンイエロー、緑茶の5人ね」

「りょくちゃっ!? グリーンブラウンじゃなくてグリーンティーだとただのお茶じゃん!! そこはせめてグリーングリーンがオチでいいじゃん!」

 ――と。

「アメリカ陸軍特殊部隊でジャマイカ人で緑茶……早くも強力な好敵手(ライバル)が見つかりましたな?」

 なに言ってんのブルー!? サイコパスシリアルキラーのおばちゃんの方がよっぽど強敵でしょうが!


 と思っているのは私だけらしく、私の内心は軽くスルーされてレッド。

「なるほど。まずはわかった。それで他にはどんな奴等がいるんだ?」

 これにキリンちゃんは再び首を捻り。

「ん〜そうは言ってもおかず戦隊ごはんですよ、サイコパス戦隊シリアルキラー、格闘戦隊グリーンベレーがイロモノ組で、残りの2組はまともだから聴いても意味ないと思うよ?」

 あ、やっぱり私達ってイロモノ扱いなんだ。でもだからこそ。

「いや、まともな人達こそ強敵になりうるから是非聴いておきたいかな私は?」

「そ? まあ明日になればみんなわかる事だけどつみれがそこまで言うなら先に教えてしんぜよう」

 なんか偉そうだなキリンちゃん。いや、マスター・オブ・セレモニーだから実際偉いんだけどさ。


 ――で。

「じゃあ教えるけど残りの2組は『魔獣戦隊スモウレスラー』と『企業戦隊スモウレスラー』の2組だよ」

「スモウレスラー多くないっ! カテゴリーが違うだけで残りの10人全員スモウレスラーなの? どう考えてもイロモノ枠じゃん。魔獣や企業のスモウレスラーとの親和性も全く見えてこないし!」

「そう? 魔獣戦隊だったら『スモウレスラーフェニックス』に『スモウレスラーグリフォン』とか『スモウレスラーペガサス』『スモウレスラードラゴン』だし。企業戦隊だったら『スモウレスラー部長』『スモウレスラーセクハラ部長』そして『スモウレスラーゆるふわセクハラ部長』に『スモウレスラードラゴン』って感じで結構親和性あるよ?」

「どこがっ!? ってかスモウレスラードラゴンなんでどっちにも居るのっ!」

 と私がツッコミを入れているところに颯爽とブルー。

「まあドラゴンと言えば魔獣は当然として、今の時代大手企業なら1匹や2匹社内に居るのは当然では?」

「時代の波なのっ!」

 変わっちゃったな日本も…………ってウチの会社も大手だけどドラゴン居ないんですけど! オリハルコンとかはあるけど!


 なんて事をしていると私とブルーをよそに。

「なるほど。思っていたよりかは楽しめそうなバトルロイヤルになりそうだな……?」

 満更でもないか、口角を上げて頷くレッドだけど――。

 そりゃあんたは勝ち残り確定みたいなもんだから楽しいかもしれないけど、巻き込まれただけ感のあるこっちは不安でしかないのよ。まあ私はごはん戦隊おかずファイブになる必要はないからサイコパスのおばちゃん達が全員脱落するの見届けたらいつ負けてもいいんだけどさ。


 そしてここでレッドに対してキリンちゃん。

「因みにだけど楽しめるかどうかは別として、上位5人が決まってもバトルロイヤルは終わらないからね? 最後に残ったその5人は1位から5位が決まるまで戦い続けてもらう」

「ほぅ? つまりごはん戦隊おかずファイブの5人が決まっても終了ではなく、最後の5人はキッチリ順位を決める……と。しかし何故だ?」

 小首を捻るレッドにキリンちゃんは一つ頷き。

「うん。それは順位が高い人の方が優遇されるからさ」

 優遇?

「わかり易く言うと1位の人がレッドになる。つまり主役って事だけど……まぁそりゃそうだよね。最後まで残った1番強い奴がレッドであるべきだし、優勝してるワケだから主役であるべきって話さ」

「なるほどそういう事か。因みに参考までに訊きたいのだが2位以下はどうなる?」

「2位以下? えーっとね〜1位がレッドでしょ。2位がブルー。3位がピンク、4位がハワイ旅行、5位がたわし……だったかな?」

「4位と5位の落差激しくないっ!? てゆーか福引の景品みたくなってるし!」

 思わず私が叫んでいると。

「えっ? そう? ハワイ旅行色もたわし色もイロとしては大差なくない?」

「色の話だったの!」

 あ、色の話だったわ。


 というワケで私達は翌日からごはん戦隊おかずファイブの座を賭けて、戦隊ヒーロー5組のバトルロイヤルに身を投じるのであった。

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