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通りすがりじゃない果麺ライダー!!

 ――お約束を果たした私達。


 その所業は本来苦戦しているワケでもないのに新機体を発進させ、巨大ロボをパワーアップさせただけ。なので単純に私達の勢いは増し、その勢いで私達は最後の四天王……まあ厳密に言えば最後の四天王集団だった「四天王水着ver」を倒す事に成功した。つまり私達の知っている限りでは敵の残り戦力はいよいよラスボスのスク水と――オリジナルの四天王だけとなった。


 というところでいつも通りのミーティングなワケだけど。今日のミーティングにはいつものメンバー以外にお客様が1人居た。


 それは――通りすがりの果麺ライダー。だったけど今や連絡先を知っているのでいつでも呼び出せる果麺ライダー……早田弾さんだった。

 まあ、いくら連絡先を知っているとはいえ私達も忙しいであろう果麺ライダーさんをホイホイ呼び出すようなマネはしない。……ので、今回は果麺ライダーさんの方から私達を訪ねて来たという次第である。


「という訳で通りすがりの果麺ライダー改めいつでも呼び出せる果麺ライダーの早田弾だ」

 額の前で人差し指と中指を立てて、取って付けた様な自己紹介をしてくれたのはモチロン果麺ライダーさんだけど。

「うむ。ところで果麺ライダーよ。いつでも呼び出せる果麺ライダーというフレーズを聞いて思ったのだが『いきなりステーキ』というステーキ屋があるだろう?」

「ああ、あるな?」

 ――と。唐突に質問を始めたのはお馴染みレッド。

「となれば当然『前もってステーキ』や『あらかじめステーキ』という店もあるのか?」

 あるワケないでしょ。

「良い質問だ」

 良い質問なの?

「実はオレもこの星に存在しているのかまでは知らないが――。だが、少なからずオレの居た星には存在していた」

「おぉ、そうなのか!」

 あんのかい!

「因みにあらかじめステーキはメインのステーキが出てくる前にあらかじめ前菜としてステーキが出てくる」

 ステーキの前にあらかじめステーキ食わせるのっ!?

「そして前もってステーキは客に前もって店に来る前に自主的にステーキを食って来てもらう店だ」

 どーゆーシステムゥ? そんなの客の気分次第じゃん!

 ……というところで。

「いや、あの……そろそろ本題に入りませんか果麺ライダーさん? 私達に何か用があって来たんですよね?」

「ん? おっとそうだったな……」

 と。私の促しに話はようやく本題に入るのである。


 ――んで。

「実は今日はお前達に折り入って頼みたい事があって来たのだ」

 頼み事?

「なんだ? 遠慮なく言ってくれ。お前には以前野球で助けてもらった恩があるからな……俺達に出来る事ならなんでも協力するぞ?」

 と、私達を代表してレッドが答えてくれる。これにライダーさんは1度頷き。

「そう言ってもらえると助かる。だがまず頼み事の前にオレの話を聞いてくれ」

 今度は私達が無言で頷く。そしてそれを確認してからライダーさんが口を開く。

「知っての通りオレは宇宙人だが、お前達には何故地球にやって来たのか詳しく話してはいなかったと思う」

 あ、確かに。

「で、端的に言うとオレは宇宙刑事で、ある凶悪犯を追っていたのだが――その凶悪犯が地球に逃げ込んだので地球にやって来た訳だ」

 あ〜でしょうね? 細かいところはともかく大筋はウルトラマンと一緒だからそうだろうとは思ってました。

「そして地球に降り立った時。不運にもオレは交差点に降り立ってしまい、うっかり飛び出してきたボディビルダーに撥ねられ瀕死のダメージを受けてしまった」

 どっかで聞いた事ある話ね? てゆーか果麺ライダーを一撃で瀕死に追い込むこの星のボディビルダーって屈強過ぎでしょう……私みたいな普通のOLに代わって地球の平和を守ってよ。

「……なのでオレは、たまたま近くを通りかかったこの『早田弾』という地球人に乗り移る事によってなんとか一命をとりとめたという訳だ」

「いや、そこは通りかかっただけの無関係な人じゃなくて自分を轢いたボディビルダーに乗り移るのが筋ってもんでしょう?」

 と私が正論をぶつけてみると。

「無茶を言うな。お前は瀕死の状態で時速100キロで走っているボディビルダーに追いつけると言うのか?」

「時速100キロッ!! スピード違反もいいところじゃん! 一般道走っていいボディビルダーじゃなければうっかり飛び出していいボディビルダーでもないっ!」

 そりゃ果麺ライダーも一撃で瀕死になるわ……。

「まあ、そんな訳でオレはこの星では3分間しか変身して戦えない身になってしまったのだが――。要するにオレは凶悪犯を追って地球にやって来た。そして今現在も地球人の中に紛れ込んだその凶悪犯を探している。なのでお前達への頼みというのはその凶悪犯を一緒に探して欲しいという事だ」

 なるほど。そこは至極まっとうなのね。

 ――と。

「ふむ。理由は良くわかりましたライダー殿。しかしこれは個人的な疑問なのですが、何故今になって我々に協力を仰ごうと? 我々とライダー殿の関係ならばもっと早くに要請は出来たかと思いますが――1人での捜索は困難と判断出来る何かがあったのですか?」

 え? 嘘? ブルーのくせにそれっぽい質問してるっ!

 っで? ライダーさんの答えは?

「確かにお前の言う通りだ。だが何故今になってと問われれば――実は頼み事とは言ったが正確には強制……彼女達の話を聞けば、お前達はオレに協力せざるを得ない。いや、もっと正確に言えば既に協力していると言えるのだ」

 既に協力している? いや、それより彼女達って?

 と私が頭に疑問符を浮かべた時だった。

「そこから先はライダーさんに代わり私達が説明しましょう」

 この声――パンストセイントちゃん? と私は後ろへと振り返った。

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