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主題歌

「よし。ではピンクと小豆のパワーアップも完了したところで、これに併せて主題歌を変更しようと思う」

 レッドの突然の物言いに食事中のみんなの手が止まった。


 今日も今日とてミーティング中の私達だけど――先週。確かに私と小豆ちゃんのスーツはパワーアップが完了した。けど、実はまだ軽い試運転をしただけで実戦投入はしていない状態。なので早ければ明日、遅くても来週くらいかな〜? って考えてたんだけど、まさかのレッドの台詞に来週確定だな……と思ったけどそんな事は置いといて。


「いや、確かにアニメとかだと転換期でオープニング変わったりするけどさ、スーパー戦隊ヒーローが途中で主題歌が変わるって聞いた事ないんだけど? 今までにあるの?」

 と。私は考えるよりも先に今の言葉が口から出ちゃったんだけどレッドは。

「いや、譬え前例がなかったとしても変えてはいけないというルールがある訳ではないだろう?」

「ん。まぁそうなんだけど……別に私もちょっとした疑問だったから訊いただけで反対ってワケじゃないんだけどさ」

「なら問題ないな」

 と一つ頷いてレッドはみんなを一望する。

「では早速本題だが――作詞作曲は俺の知り合いの力士に頼もうかと思っている」

 あ、作詞作曲からなんだ。って力士!?

「いやなんで主題歌作るのにお相撲さんに依頼するのよっ!」

「何を言っている? 『ドス恋☆彡みつを』といえば作詞作曲が出来る力士として有名だろう?」

 ドスコイみつをっ!

「誰よそのドス恋☆彡みつをって!」

 私はレッドに言ったつもりだったけど これに返事をしたのはフワフワ宙を漂うキリンちゃん。

「ドス恋☆彡みつをは和ッショイ☆彡よしをの別人格だよ」

「だから和ッショイ☆彡よしをが誰なのよっ! って別人格ぅ! ペンネームとか芸名とか四股名かと思ったらドス恋☆彡みつをまさかの2重人格ッ!」

 てゆーか和ッショイ☆彡よしをも本名じゃないでしょ……。けどまぁそれはそれとして。

「いやあのさ……もう細かい事はいいや。と、とりあえずそのドス恋☆彡みつをさんに任せておけば大丈夫なんだよね?」

 私の質問にレッドは両腕を組むと深く頷き。

「ああ、ドス恋☆彡みつをと言えば和製モーツァルトの胸毛と言われるぐらい優秀だから問題ないだろう」

 いや和製モーツァルトでいいじゃん……なんで余計な言葉つけるかな? ホントムダ毛。


「よし。とりあえず作詞作曲はドス恋☆彡みつをに依頼するとして、次は誰に歌ってもらうかだな?」

 あ、そうか……主題歌ってなると誰かに歌ってもらう必要もあるのか。

 と私がレッドの言葉に小さく頷いていると横からブルー。

「無難にいくならアーティスト、アイドル、声優、ヨガのインストラクター辺りだとは思いますが?」

 いや最後のは無難じゃなくてギャンブルでしょ……。

 しかし私の考えとは反対にレッドは殊更頷き。

「そうだな。ヨガのインストラクターともなればしっかりワキから声が出るからな……」

 ワキから出ちゃうのっ? お腹からじゃなくて!?

「という訳で誰かヨガのインストラクターと知り合いのヤツはいないか?」

 なんでヨガのインストラクター1択になっているのか知らないけど、さすがにヨガのインストラクターの知り合いは居ないかみんなノーリアクション。……だったんだけど。

「あの〜ちょっといいですか?」

 と申し訳なさそうに片手を上げたのはグレーちゃんだった。

「どうしたグレー? 知り合いにヨガのインストラクターがいるのか?」

「えっ? いや、ヨガのインストラクターじゃないんですけど――声優さんなら何人か知り合いがいますよって報告しようかな……と?」

 あ、そっか。前にそんなような話したけど、そもそもグレーちゃんの声が声優さんの声だもんね。んで声優さんにアクセスする手段があるって話だったけど――。

 ……という事をレッドも思い出したか両腕をゆっくりと組み。

「そうだったな? ではその知り合いの中に適任な人物は居そうか?」

 するとグレーちゃんは頬に手を当て小首を捻り。

「う~ん。そうですねぇ『チョリッ酢☆彡かずを』さんとかどうですか?」

 それ絶対ドス恋☆彡みつをの別人格でしょっ!! もしくはその系譜!

「ほぅ……聞いた事がある。確か『トラックに轢かれて死んでしまい異世界に転生した……のではなく神の手違いで逆にトラックを轢いてこの世界に転生してきた』と言われているチョリッ酢☆彡かずをか!」

 だから神様何やってんの? てゆーかそれってトラックの運転手が転生するもんじゃない?

「はい。そのチョリッ酢☆彡かずをさんです。因みにチョリッ酢☆彡かずをさんはヨガのインストラクターじゃないですけど確りと腋から声と召喚獣が出るので『七色のワキを持つ男』とも呼ばれています」

 腋がメインなのっ! 普通そこは「七色の声を持つ男」でしょ声優さんなんだか……召喚獣!?

「うむ。申し分ないな……では歌はチョリッ酢☆彡かずをに任せるとしよう」

 ええっ! 申し分ないの? 腋から召喚獣出す人なのにっ? ……いやまあ、異世界人なら当たり前の事なのかもしれないけど。


 ――うん。というワケで私達の新主題歌は


 歌 チョリッ酢☆彡かずを

 作詞 ドス恋☆彡みつを

 作曲 ドス恋☆彡みつを


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