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41、津軽円の欲張り2連続暴露

「第30回記念!西軍総会!……総会だっけ?会議とかじゃなかった?」

「そこ、毎回ノリで付けているので突っ込まないでください!さぁ、絵美さん!進行の続きを!」

「毎回ノリで付けているんですかこれ……?あと、毎回しれっとわたしに責任ある立場に置かないでくださいよ」


明智秀頼が、上松えりなと待ち合わせをしていた放課後。

絵美をはじめとした西軍全員が喫茶店『サンクチュアリ』に集結していた。

そこで西軍のリーダーという名のよくわからない立ち位置に置かれた絵美が理沙の書いたカンペを読みながら仕切る感じで毎度の如く進行していた。


「絵美そういうの好きそうじゃん」

「ただのイメージじゃん!普通年長者やらないですか!?」

「となると……楓さんですか?」


メンバーである碧がおどおどした感じに楓に振るが、「いやー、無理っしょ」とさばさばと断っていた。


「そもそも私、1回目参加してない途中メンバーだし。初期メンバーからリーダー出しなよ」

「ぐうの音も出ないな。やっぱり絵美しかいないじゃないか」

咲夜(あなた)も初期メンじゃないですか」


楓がのらりくらりと交わしながら、リーダーの座を譲る。

結局絵美しかいないじゃんという雰囲気になり、「仕方ないですね……」と髪を弄りながらため息を吐いた。


「30回なんて記念日みたいですね!」

「いや、逆にこんな大人数が1年ぐらいで30回も集まれているって暇人しかいなくないか?お前ら暇か?なぁ、円暇か?」

「なんで私だけ名指しなのよ。咲夜だってずっと暇じゃない」

「ウチの自宅に1年で30回いようがおかしくないだろ。365日、ずっとこの家にいるわ!」

「それは仕方ないが、365日ずっと自宅にいる咲夜も世間的には暇人区分になるぞ」


円と咲夜のまたいつもの軽口言い合戦から、ゆりかが仲裁のように割って入る。

「相変わらず賑やかですわ……」と、常に誰かが喋っている状況に疲れた表情をしている美鈴がいた。


「数少ない自由日にお兄ちゃんといたいのに……。なんで私は西軍の集まりに……」

「僕も明智さんと遊びたいです……」

「そんなのせーちゃんと遥香先輩だけじゃないっすからねー?」


しょんぼりとした顔の2人に和の容赦ない正論突っ込みが炸裂する。


「ところでなんだが永遠……。その、なんで五月雨もこの場に?」

「まだ秀頼さんは明かしてないですが、多分付き合ってますよね?茜ちゃん?」

「あううー……。付き合ってます……。自分も明智先輩もまだ教えてないのになんでわかるんですかぁ……?」

「距離感でわかりますよ。ガッツリ逢い引きのように勉強教わってれば察しますよ」

「だよねー……」


なんやかんや知ってた絵美や円もうんうんと頷く。

そして、このサンクチュアリで会ったことにより永遠をはじめ咲夜も察したのである。


「今回の集まりは五月雨が追加されたことか?」

「いや。そちらはあくまでサブですよ。……私は共有しなくて良いって言ったんですが」

「ん?絵美は聞いてるのか?」

「集まることしか聞いてないよ。なんで集まったかの理由は知らない」

「よくそれでリーダー面してたな……」


美月の問いにブンブンと絵美は首を振る。

さてさて、こちらはなんの集まりかと彼女たちに緊張が走る。


「ところで今日の師匠はなにしてるのだ?」

「何してるのでしょうかね?兄さんが明智君を追跡しているので結果待ちですが……。大人しく帰宅していれば良いですが……」


因みにこの日は秀頼がスタヴァで上松えりなと話し合う予定であった。


「あ、兄さんから連絡あった。『秀頼見失った……(´・ω・`)』……。ウチの兄は最近無能なんじゃないかと最近気付いてしまっているのだけど……」

「師匠の追跡なんか無理だ。我も10回ほどしたことあるが直帰した7回は容易いが、本気出した師匠は凄いぞ。追跡者の方向感覚を狂わすルートを通り、野良猫追いかけて予想だにしないルートを通り、たまに知り合いに誘拐されたり……」

「本当に良い年した大人なのかしら彼……」


あまりにも精神年齢のわりに現役の高校生よりアグレッシブで、好奇心の塊のような秀頼に円も頭が痛くなってくる。

豊臣光秀時代でも、目立つ彼だったが最近輪にかけて元気である。

むしろ腕1本動かないくらいでようやく普通の高校生になれるのではないかと気付く。

来栖由美時代に、ちょうど光秀と関わった時が彼が人生で1番大人しかったまである。


「それより早く総会?会議?雑談?なんかしよーよ先輩方」と和に急かされると、咲夜が「うむ!」と立ち上がる。


「サクパイが今日のネタ提供者ですか?」

「そうだ。ウチとヨルからだ」

「私は止めましたからね。秀頼さんに恨まれても責任取りませんから」

「相変わらず賢くてズルい立ち位置ですわね……」

「ズルいってなんですか!?人を女狐みたいに言わないでください!?」

「美鈴は秀頼様みたいに優しくないんですよ」


保守的な立ち位置にいるのが永遠らしいなぁと美鈴が突っつく。


「ネタの提供、ですか?咲夜さんたちから?」

「あぁ、一大事ってやつだ」


碧の疑問に頷く咲夜。

ついに彼女はその情報を解禁する。


「秀頼の願望が旅人であることが判明した!」


『…………は?』

事情を知らない組が一気に頭で?を思い浮かべた。

その情報を整理仕切れない中、円が考えるのをやめて「私からも」と手を上げる。


「これ、綾瀬情報だけど……。明智君、昨日1年生に告白されたって」


『…………は?』

情報量の波が彼女らを襲う。


「あと、それから告白されてすぐに学園長室に行ったってさ」

『…………は?』


「円さん、欲張り2連続暴露ズルいです。なら私からも兄さんから聞いた話ですが、明智君に『将来どうなってるか?』と尋ねたら『早死にしてる』と言われたらしいです」

『…………は?』


「なんか面白いゲームはじまりましたね。ゴミクズ先輩の驚かせる暴露するゲームですね!なら、私から」

「いや、してないから」

「姉者ばかり2連続はズルいっすよ!」


こうして、なんか変な方向に話が展開していく。

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