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30、アリアVS秀頼

セレナに会う、悠久のサーキュレーターの大掃除、悠久のアプリガチャ代行引きSSR、フリマアプリを眺めていたら悠久が探していたプレミア価値のあるゲームを発見し購入に漕ぎ着け、悠久が女神扱いして離してくれなくなった事件、家に戻ったら絵美からセレナと会っていた時に消えたことを問い詰められ……と中々濃い週末を終わり、月曜日にはいつも通り学校に通学していた。

休みのあっという間な短さには、年々驚かせられるばかりである。


「…………」


しかし、これからの学園生活でギフト狩りと衝突することになるのか?という疑問が沸いてくる。

まぁ、その辺は俺じゃなくてタケルの役目だから頑張ってって感じである。

ただこれくらい平和だと荒らしの前の静かさのようにも思える。


2年生のイベントである島咲碧、赤坂乙葉、佐木詠美、五月雨茜となんか知らない内に終わってた……というのが正直なところだ。

この辺りのイベントではまったくタケルが関わった記憶がないのだが、ギフト狩りとのいざこざぐらいは流石に巻き込まれるとは思う。

関とタケルは仲良しみたいだし流石になんかフラグがあるっしょ。


因みにセカンドシーズンの明智秀頼は裏で暗躍してただけで、ギフト狩りのイベントでは特に絡みがなかったし……。

ラストシーンでちょぴっと出番がある程度である。

ギフト狩りとタケヨルペアの衝突に明智秀頼も絡んで活躍したらまだ少しはアンチは少なかったのに……、と原作の明智秀頼のダメダメ具合の列挙をしていた。


「感触はどうですかアリア様?」

「ははは!秀頼ったら凝視し過ぎだって!」

「目の前にミニスカあったら目で追うって」

「きゃあ風がっ!?」

「なにっ!?」

「うっそー」

「くっ!男の純情を弄びやがって!」

「お前はそれで良いのか、明智秀頼……」


今の俺はミニスカのアリアが目の前に立って、彼女が動くからスカートの中身が見えるか見えないかゲームを行っていま。

見えろ、見えろと念じながらアリアのミニスカを追っているが残念ながら彼女はミニスカに慣れているのかチラリズムがとても上手だった。


「くっ!?なんで俺は風を操るギフトがないんだ!?」

「あー、ミニスカが揺れるよーひでよりぃ」

「むむっ!?」

「はい、ざんねーん」

「おい、男子!アリアの近くを走りまくってスカートを揺らすんだ!」

「よっしゃ、やるぜ明智先生!」

「男子の結束を見せてやるかっ!」

「俺、隣のクラスから10人くらい男子連れてくるよ!」


アリアを動かせないなら、俺はクラスの男子を総動員させる。

鳴かぬなら一致団結ホトトギスである!


「馬鹿なの、ひぃ君」

「あっ、いったーい!?」


椅子に座っていた俺は、傍に立っていた詠美が頭上から漢字辞典を降らせてきて頭にヒットした。


「ほら、男子もひぃ君に協力しないで良いから!解散、解散!」

「そりゃねーぜ佐木!?」

「そうだそうだ!明智先生と俺たち5組の団結を見せる時じゃないのか!?」

「ひぃ君、そこで伸びてるよ」

「辞書に負けるとは弱くなったな明智秀頼」

「うっせぇ仮面女……」

「というかクラスが悪ノリしている時の中心は大体明智君よね……。昔からそういうとこある」

「う……」


円の呟きに思い当たることしかない。

しかも彼女の場合、前世のことも含まれていた気がする。

なんか急に情けなくなってきた……。


「ひでよりぃ、諦めて良いのん?のんのん?」

「そ、そこにミニスカがあるのに……」

「ふふふっ。秀頼って本当に愉快で面白い」

「馬鹿にしてんなぁ?男舐めてるとその内痛い目見るからな?」

「男は舐めてないよ?秀頼を舐めてるの。クスクス」

「おーい!やめろ、男子の最底辺を俺に位置付けるな!?」

「いや、実際秀頼君は男子の最底辺……」

「違いねぇ……」

「絵美ちゃん!?ヨルちゃん!?」


彼女2人からも厳しいお言葉をいただいた。

というか俺とアリアと仮面女の3人で遊んでいただけなのにいつの間にかクラスのほとんどの奴らの視線を一身に集めて恥ずかしくなってくる。


「はいはい!終わり、終わり!解散して!」

「そりゃねーぜ明智先生?」

「僕たちも女子ミニスカの中身見てぇよ!」

「いや、俺も見てないからね?」


クラスの男子数人から納得いかないと詰め寄られる。

そんな姿をアリアはまたクスクスと笑っている。

こんの、小悪魔女ぁぁぁぁ!

こいつがいずれ国のトップになるのは、滅亡を意味するかもしれない……。


「はぁ……。【はいはい!本当に終わり!解散、解散!自分の席に戻ってぇ!各自やりたいことやって!】」


俺はギフトを使って解散命令を要求する。

今のギフトは当事者であるアリアと仮面の騎士以外の全員を対象にしたギフトである。

最近はこういった調整もなんとか出来るようになってきた。

こうしてギフトが効かないタケルとヨル以外はぶわっと広がりながら席に戻っていく。

彼らは何事もなかったかのように、各々の雑談に戻ったり、読書とかをしていた。


「お?」と呟いたヨルの声。

彼女は俺がギフトを使ったのに気付いたようで自分もそれに倣ったようだ。


「秀頼の言葉にみんな従うのかっけぇ……」とタケルはなんか変な感心をしながら席に戻っていく。


『凄いわね、あなたのギフト』

「っ!?」


そっと囁かれるようにアリアの妖艶な声がして、姿勢がピンと立つ。

驚き過ぎてビクッと息子ごと反応した。


「そ、そういえばあんたら……」と、アリア姉妹は悠久から俺のギフトの中身を知らされていたことを思い出す。


「とりあえずミニスカ脱いだら?流石に同じ柄でも星野先生に指摘されるよ……」

「そうね。アイリ、着替えられる場所に行くわよ」


アリアが姉のアイリを呼び出し、場所移動しようと動こうとした時だった。

おもいっきりガラッと教室のドアが空いて、謎の人物がシュバババと俺の元に来る。


「きゃっ!?」と小さい悲鳴を上げるアリア。

予想外のスピードのものがアリアを横切り、その余波でミニスカが剥がれてドエロい黒いえっちぃパンツが視界に一緒チラッと見えて、目を反らす。


「み、見た……?秀頼?」

「え?な、なにが?」

「ほっ。良かった見えてなかった……」


かぁぁと赤く頬を染めたアリア。

側にいる仮面の騎士が彼女に気付かれないように頭を下げた。

アイリは俺が見えたことと、気遣っているように気付いているようだった。

そのまま恥ずかしそうなアリアに付き添って、2人が教室から出て行った。

やらなきゃ良いのに……。


そう思っていると、突然やってきた人物が俺のところに声を掛けた。


「明智せんぱぁぁぁい……」

「ど、どうしたの天使ちゃん?」


あと、グッジョブと心で呟いた。

五月雨の走るスピードで、アリアの鉄壁ミニスカを動かしていたのであった。


「た、助けてください……」

「っ!?」


ま、まさか……!?

懸念していたギフト狩りに動きがと、こちらもシリアス顔になる。


「ど、どうしたんだ天……、五月雨!?」

「こ、困っています……。助けてください……」

「あぁ!なんでも言ってみろ」


流石にシリアスシーンで天使ちゃん呼びは恥ずかしくて五月雨と言い直す。

暗い顔をした小さい顔はこちらを見上げてきた。

その目は泣きそうで、誰かに救いを求める潤んだ瞳であった。














「勉強……、教えてください……」

「…………え?」


俺の時間が止まった……。

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