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8、明智秀頼はテレビを消したい

黒幕概念の姿をしたエニアとまぜそばを食べた後は家に帰り、一気に課題を終わらせた。

馬になっていたタイムロスがかなりもったいないことになっていたが、なんとか達成を果たした。


それから、2時間馬の姿になったまま歩き回るという慣れないことに、変な筋肉を使ったことで疲労感もかなりひどいことになっていた。

そんなわけで、寝る前はまぶたが閉じたり開いたりを短スパンで行われており、眠たさマックスになっていた。


PCを使う気力も、ゲームのコントローラーを触る気力も、沢村ヤマの写真集を開く気力もことごとくなかった。

かろうじてスマホを触る程度の気力はあったのだが、誰かにラインのメッセージを送ったり、SNSに投稿する気には一切ならなかった。

とりあえずスマホを充電器に刺しておいて、部屋の電気を消し、ベッドの中に潜り込む。


タケルと島咲さんと鹿野からメッセージがあったが、明日の朝に返事を送ることを考えた。

おやすみ俺……。


こうしてすぐに爆睡に入った俺はすぐに意識を手放した。






─────






『お?寝てる寝てる……。うりうりうりぃー!』

「んん……」


なんだこの気分は……。

意味もなく頬を引っ張られたり、ぐりぐりされたりとくすぐったい感じ。


『あはははは!意外と寝相が悪いのかな──君は。前髪とかもなんかしてみよっか』

「すー……」

『問題!常に店員さんが笑っている店はなーんだ』

「…………」

『はいはーい!……では、そこの明智君!回答をどうぞ!『そりゃあ、ミャクドナルドでしょ』』

「……………………」

『あー、残念!答えは『クスリ屋』だったんですねー。クスクスーって笑っているんですよ』

「………………………………」

『そんなわけで──君への罰ゲームは前髪をばってんマークにしちゃいます!クロスして✕!クロスして✕です!』

「うるせ……」

『おおっと!?』


うるせぇなぁ……。

なんか俺、ユーチューブとかで動画流したまんまだっけかなぁ?

なんかテレビ付けっぱなしで、寝オチしたのだったか。

起きたくねぇ……。

だって眠いし……。

平日だったは起きてる時間かもしれないけど、休日くらいゆっくり眠らせてくれ……。

寝返りを打ちながら、『テレビは後で消す』とおばさんに叱られた気持ちになりながら心の中で言い訳をする。


『あちゃあ……。寝返りうっちゃいましたねー。お?──君がこっち向いてる。下着見たい?下着見たい?』

「…………」

『さっすが変態だなぁ──君。よし、なら下着くらい見せてあげよう』

「……………………」

『て、あらら。眠ってるの?残念だねぇ?とりあえず今上着脱いだ。ブラだよブラ』

「………………………………」


なんかさっきからうるせぇな……。

なんでさっきから俺の名前を呼ぶんだよ……。

ひぃ君、ひぃ君ってなんなんだよ。

まるであいつみたいなこと言いやがってよ……。


『では、スカートも脱いじゃいまーす!きゃー、ひぃ君ったら自室で女脱がせるなんてへんたーい!お代官さまぁぁぁぁぁ!』

「…………」

『いつまで寝てるんだろこの子?あらら、残念ひぃ君。3分間だけ、私が下着姿で待ってるサービスでーす。ブラにパンツにストッキング姿でサービスタイムだよー、ひぃ君!寝ている間にJKが下着姿になっていたなんて知ったら悔しいだろうなー。クスクスクスクス──あ、クスリ屋になっちゃった』

「ふぁぁぁぁぁぁ!うるせぇな……。テレビ消すか」

『うわわわわわわわ!?』


静かに眠たい時にテレビの音量の雑音が気になって仕方ない。

面倒だが、睡眠の質の邪魔にしかならないから消してやろう。

テレビを消すなんてたかが20秒。

20秒だけ起きていればまた眠れるのだ

目をパッと開き、テレビの方向へ視線を送る。


「あぁ!ひぃ君のお代官様のへんたぁーい!」

「…………?」

「やーーめーーてぇーー!3分だけですよぉーー!」

「……………………」


おかしいなテレビはちゃんと消えている。

それなのに何故か詠美が下着とストッキングの姿で甘ったるい声で演技?をしていた。

そりゃあ、うるさいよ。


「それにしても残念ね。ひぃ君眠ってるし、暇だなぁ…………んんんんん!?」

「…………何やってんの?」

「ひ、ひ、ひ、ひ、ひぃ君!?ちょっとなんでっ!?なんで起きてるの!?」

「いや、うるさくて。テレビの音だと思って消そうとしたら詠美が騒いでいた」

「うぎゃあああああ!?みなっ!見ないでひぃ君!?」

「ちょ、待てよ」

「な、な、な、なに!?キムタクみたいな声出してぇぇ!?」


詠美が着ていたであろう上着でピンクのブラを隠していた。

パンツが見えてしまっているのは良いのだろうか……?


「いや、あの……。うん。3分だけって単語聞こえたんだよね。3分だけって」

「げっ!?」

「まだ10秒しか経ってないじゃないか。あと2分50秒その姿でいないとなぁ!」

「き、き、き、鬼畜!」

「俺は鬼畜で構わない。詠美は変態なんだから」

「変態じゃない!変態じゃない!あーー!ひぃ君に寝ていたことを後悔させようとしただけなのにぃぃ……」

「それだけのために身体張れるお前が凄いよ。お前はそういう残念な奴か」


原作でもタケルをからかうような仕草が多かった詠美だが、まさかゲームで描写をされていなかっただけで裸に近い格好をしていたことに驚きだよ。


「上着も隠すなよ」

「いじわるぅぅぅ!」


なんて素晴らしくて美しい眺めなんだ。

これは確かに寝ていたら後悔していたかもしれないとつくづく考えさせられる。

この裸体を眺めながら、優雅にお月見団子でも食したい気分になる。

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