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5、黒幕概念のカリギュラ効果

喫茶店で野郎共で駄弁ってから翌日。

流石に概念さんムラムラ現象は治まっていて安心する。


「まったく……。俺がエニアとそんなことあるわけないじゃないか」

「クハッ!神がどうしたって?」

「っっっ!?」


エニア……、ではなく黒幕概念の姿で廊下から干渉してきた。

が、概念の姿で安心した……。

エニアだったら暴走して犯していたかもしれない。


「な、なんでもねぇよ!ただ、お前の《《本当の姿》》の夢を見ただけだっつー」

「ほぅ。内容は突っ込まぬが不思議なこともある。神に欲情とは欲求不満なんだな!くはくはっ!」

「あぁん!?欲情したなんて一言も言ってねーだろうが!」


近いちゃ近いけど……。


「なんなら千姫にその欲望を見せたら良いだろうに」

「なんで千姫なんだよ。わけわかんね」

「くはくは。振られたなぁ千姫め」


にちゃにちゃならぬクハクハと笑う概念さん。

奴のペースには持っていかれないように、心を落ち着かせる。


「…………というか、なんか明智秀頼からギフトの力を感じるな」

「あ?そりゃあ、俺がギフト所持者なんだから当たり前だろうが」

「そうじゃない。これは第3者のギフトじゃの。クハッ、このギフトは奴のものか」

「は?誰だよ?」

「誰ってお前の周りで夢に干渉してくるギフト所持者は奴しか居ないだろうに」

「?」


夢に干渉してくるギフト?

リアルでも、前世でも聞いたこともないギフトの存在に思考が停止する。

俺の周りとか言われてもクラスメートとか、去年のクラスメートなどいっぱい心当たりが多過ぎてわからねぇ!

ガチで身近なところでギフト所持者だけどギフト不明者で絞るなら…………理沙?




『理沙、ギフト持ってる自覚があるのか?』

『……あるよ。……でも、ロクな能力じゃないから気にしないで』

『あんまり触れないでやって欲しい。理沙はちょっと自分のギフトが嫌いなんだ……』

『……わかった』





こんなやり取りが中学時代にあったのはなんとなく覚えている。

夢に干渉すること、触れて欲しくない、理沙は自分のギフトが嫌い。

…………ピンとこねぇ。


「クハッ!どれ、貴様がどんな夢を見たのか覗いてみようぞ!」

「ば、バカっっっ!やめろ!?」

「…………なんだその食い付き気味な拒否反応は?やめろと言われたら……、やるに決まってるよなぁ」

「お、お前のためを思って言っているんだぞ!?」

「明智秀頼が神のためを思って?……草!あり得なくて草!やっぱり覗く」


こいつ、カリギュラ効果が発動してやがる……!

なんで神まで人間みたいな好奇心あるんだよ!

バカかよ、バカなんかよ!


(見せるべきなんじゃないか。わからせってやつ)


お前は本当に鬼畜だな。

中の秀頼はむしろ煽ってくる。


「後悔するぞ!絶対後悔するぞ!」


──ドンッ!

俺の背にあった壁へ概念さんが手を突き出し、逃げ場を封じる。


「ガタガタうるせぇんだよ。クハッ、ウチに身を任せろ」


俺の額に、背伸びした概念さんが額をぶつけてくる。

その瞬間、あの夢が再び再生される。




─────




『可愛いなぁエニア。やっぱり俺は黒幕概念よりエニアの方が好きだな。この白髪も、褐色肌も、人を見下した灰色の目も、クズな性格も、やりたい放題なのも、ゲスい声も、ちっこい手も、クハッって嗤う癖も……。全部全部全部好きっっっ!』




─────






「クハッ!?」


白い肌の概念さんが、その頬を真っ赤に染めた。

顔と名前は違うとはいえ、エニアの正体である概念さんもこの光景は照れるものでもあるのだろうか……?


「う、嘘じゃろ?こ、こんな可能性が……」

「あるわけねーだろ!」

「や、奴のギフトの効果は……。ぐぅぅぅ」

「が、概念さん!?」


直視出来なくなったのか、壁ドンをしていた手を自分の顔を隠すことに使っている。


「お、お前ウチのこと考えていたんだな……。明智秀頼がウチに夢を覗くのを拒否していた理由がよくわかったよ……」

「わかってくれたか」

「あ、明智秀頼が神を思っていてくれたなんて…………」


だから『お、お前のためを思って言っているんだぞ!?』って忠告したのに……。

その忠告に対し、『明智秀頼が神のためを思って?……草!あり得なくて草!やっぱり覗く』とかバカ言いやがって……。


「や、優しいなんて思ってないんだからね!バカぁぁぁぁぁぁ!」


顔を隠したままの概念さんは『クハッ!』と嗤う余裕すらなくこの場を立ち去ってしまう。

あーあ……。

なんかどっと疲れた……。









『おい、見ろよ。黒幕さんが明智先生に告って振られたみたいだぞ!?』

『り、リアル壁ドンまでしたのにな……』

『フィクションじゃない壁ドンはじめて見たよ……』

『流石、明智先生だぜ……。壁ドンに流されないおとこだぜ』

「…………見せものにされとる」



なんか知らない内に、変な噂が立ち明智秀頼伝説がまた膨らんでいったのであった……。

Q.カリギュラ効果って何?

A.心理用語の1つ。

禁止されている行動をやってみたくなる現象。

使用例)押すなよ、絶対押すなよ→ポチー






『理沙、ギフト持ってる自覚があるのか?』

『……あるよ。……でも、ロクな能力じゃないから気にしないで』

『あんまり触れないでやって欲しい。理沙はちょっと自分のギフトが嫌いなんだ……』

『……わかった』


いつだよ、このやり取り?


第6章 偽りのアイドル

1、ギフト適正検査

こちらを参照。



参照シーン多くて作品を別にしなくて良かったという気持ちが強いです。

本当は『このやり取りいつしたか覚えてねぇ!』みたいなのもたくさんあります……。

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[良い点] さすが明智先生だぜ [一言] 抱けばぁ?byもうひとりの秀頼
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