18、サーヤのラスボス補正
それからは盛りまくりサーヤと、キラキラ顔の深森姉妹の占いアドバイスが続く。
「包容力がある人好きですよね?」と聞かれたら、「婚約者は包容力ありすぎる人なんですよ!」と惚気ながらヒートアップしていく。
30分コースが姉妹同時に占っているので2回ぶんの1時間があっという間に流れ、2人が学割が効いた値段の1000円ずつをサーヤに渡す。
「あっという間だったな」
「もっと色々見てもらいたいですね」
「延長30分1000円で行いますよ」
「お願いします」
「2人ぶん延長」
「まいどー」
サーヤはほくほく顔で頷く。
占い師はいかに相手のテンションを上げるかで、延長をするか決める。
絶対に30分と誓っている人は大体顔と態度で丸わかりである。
逆に、興味津々な人に延長があることを勧める。
これが、彼女のビジネスであった。
「どこかオススメなデートスポットとか占って欲しいですわ」
「なるほど、なるほど。じゃあ、何個か質問していきますね」
何か言われる度にきゃあきゃあと黄色い声が上がる。
サーヤの話術スキルが久々に乗った日である。
「開運グッズであれば、最近取り寄せたものなんだけど……、17世紀ぐらいのフランスのなんちゃら女王が使っていたネックレスが破格の5000円で販売中よ」
「ノアさんが首に付けていたネックレスと同じか?」
「確かノアさんのはイギリスの女王だったような……」
「び、微妙に違うのよ!……ど、どう?イタリアのなんちゃら女王が付けていたネックレス買う?」
「あれ?フランスなのでは?」
「そもそもなんちゃら女王って誰?」
サーヤも知らない。
適当に揃えた1000円ぐらいである普通のネックレスをなんちゃら女王が付けていたたネックレスという商品名で開運グッズとして売っているだけである。
しかし、このなんの変哲もないネックレスであるが、これでもサーヤがおまじないを施してあるのも事実。
サーヤは知らないことであるが、彼女にはゲームのラスボス補正がある。
彼女が生まれつきから持っているラスボス補正と、彼女のおまじないが組み合わさり、実は相当な開運グッズに化けているのである。
ギフト非所持者でありながら、まるでギフト所持者みたいに不思議なことを起こせる彼女はまさに存在そのものがチートなのである。
「確か、同じ学校の同じ学年の人が婚約者なのですわよね?」
「ええ」
「なら、妾からこのネックレスを買うと来年は彼と同じクラスになれますよ」
「買う」
「買いますわ」
「2つまいどー」
こうして、2000円で買い上げたガラクタから10000円の売上。
8000円の利益が生まれたのである。
「妾の開運グッズはバンバン運が上がることで有名だからな。是非、その凄さを実感しなさい!」
「おおおおお!」
「なんなら妾の占い後に、その想い人と出会えるくらいラッキーが続くからな!」
「サーヤさん!あなたは最高ですわ!」
口から出任せで(また盛りすぎた……)と後悔するサーヤ。
しかし、そんな彼女の後悔を知らずに首にネックレスを付ける2人。
こうして、「ありがとうございました!」とお礼を言った2人は店から出て行くのであった。
「…………話を盛らない方法でググろう」
賢者タイムの顔のサーヤは、ポケットからスマホを取り出した。
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「はぁ!やった!やったぜ!スタチャに直接会ってお金を貢いだらCDだけでなく、非売品の写真集貰えるとか最高かよ」
明智秀頼は、マスターの店で変装したスターチャイルドと出会い紙袋を渡された。
「いや、こんなん紙袋ってより神袋じゃん!」と秀頼は気分が上がっていた。
「あ!秀頼様ですわ!」
「本当に秀頼と会うとは……」
「え?……あ、美月に美鈴じゃん。こんにちは」
ラスボス補正の開運パワーは以外にもハッタリではなかった。
因みに、来年のクラスは美月と美鈴は秀頼と同じクラスになれたのかというと…………。
そういうことである。
ラスボスって何?
第12章 束の間の平穏
26、サーヤ
クズゲスキャラの補正一覧
原作秀頼
女垂らし補正
豊臣光秀
人間垂らし補正
2つが合わさり、クズゲス秀頼は人間関係がバグっている。
エニア
神様補正
宮村永遠
天才補正
タケル
無能補正
秀頼が関わると無能さにバフがかかる。