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21、明智秀頼のノーコメント

「彼女が12人できた?」

「はい。そうなんです」

「なるほど、なるほど…………。草」

「いや、軽いな!」


達裄さんは興味3割くらいの雑い対応であった。

葉子さんや、めぐりさんの妹への対応は天と地である。


「ていうか、卒業間近までずっと一緒にいて11人捨てられるの?」

「う……」

「誰も捨てられない結果、俺みたいにズルズルズルズル結婚を邪魔され続けるんだろうね。過去の俺を見ているようだよ……」

「ちょ!?俺を同族みたいな言い方するの!?未来の自分見てるみたいで怖いよ!?」


達裄さんが「ははっ」とちょっと自虐的である。

でも、憧れの達裄さんに近付いているならこれはこれで良いかもしれない。


「そんな俺も、妹と付き合うは流石になかったよ」

「う……」

「流石秀頼だ。弟子は師匠を抜いてこそ教えがいがあるね。むしろ、妹を落とした男として、俺が弟子になりたいくらいだ」

「俺はあんたに鍛えてもらっているだけで、女の扱い方なんか教わってないよ!?こじつけて師匠超えしたなんて言わないで!?」



達裄さんがちょっとマジな目をしていたのでかわさせてもらった。


「それで付き合った記念でどっか行こうってなったんすよ」

「へぇ」

「そんで、肝だめししたいねってなって……」

「肝だめし!?なんでだよ!?」

「怖いモノ好きな子がやろうって……」

「はー……。若いねぇ。俺も高校時代心霊体験したけど、わりとやべぇから対策しとけよ」


た、達裄さんの口からやべぇから対策しとけって出るのがやべぇ……。

死神ババア、ゴーストキングですらやばかったのに、もう肝だめし関連はこりごりである。


「たづゆぎさぁぁぁん!たすけてぇぇぇ!」

「そうか。前回のアレでトラウマになってしまったか……。よしよし」


もう2度と、あんな目にあうのはごめんである。

あれ以降、藁人形をまともに見ることも出来なくなったのだから。

それを察したのか、達裄さんから1つの提案をされる。


「なら俺、お経読んでやるよ」

「いや、今読んでも……」

「大丈夫、大丈夫。スマホでmp3の形式で送るからよ」

「なるほど。お経をBGMにして肝だめしをすれば……」

「幽霊はお前らに近付けない」

「最っ高のアイデアじゃないっすか!あ、でも達裄さん。あんたお経読めるんすか?」

「よく寺とか神社とか行くから耳コピできるよ」

「あんた神かよ!流石、女から結婚邪魔される男はちげぇや!」


エニアより、よっぽど神様してる達裄さんだった。


「因みに12人で誰1番好み?絵美ちゃん?円ちゃん?咲夜?星子ちゃん?」

「…………ノーコメントで」

「優柔不断だね」

「そもそも!12人から好意寄せられてるの今日知ったんだよ!」

「でも、何人かは『俺に気があるんじゃね?』とかあったろ?あー、星丸と光に面白い高校生友達に居るって自慢したろ」

「やめて!あんたの友人とか絶対ヤバいでしょ!?」


葉子さん、音さん、めぐりさんとこの人の関係者みんなから弄られるから、極力達裄さんの知り合いには会いたくない。


そんなこんなで、師匠と楽しむコイバナの時間はあっという間に過ぎていく……。

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