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7、深森美月は気品さがない

「お、お兄ちゃんなら私が1番なんて言わないかな」

「逆に嫌じゃない?マジもんのシスコンじゃん」

「えー?そうかな?全然普通だと思うけど?」


星子と和であーだこーだとやり取りをする。

星子の中では、確かに秀頼は兄ではあるが、同じ時間を共有した思い出が少な過ぎて憧れの先輩みたいな認識になっていた。


「し、師匠って我のこと好きなのか?」

「あ、明智ってあたしのこと好きなのか?」


秀頼に『アイスブレード』を放ったり、コンバットナイフを突き付けたりとやりたい放題やらかした2人は涙目になり、絶望的な表情を浮かべる。

嫌いな奴認定されるのだけは、どうにか避けたいと気持ちが落ち込むゆりかとヨルの似た者同士であった。


「ふぅ……」

「何を焦る必要があるのか」

「そうですわね、堂々としましょう」


絵美と円、美鈴は慌てる面々を見て逆に冷静になっている。

千姫が「余裕そうですね?」と訊ねると、美鈴は自信満々に「当然ですわ!」と胸を張る。

やたら自己主張の激しい大きい胸に、貧乳の絵美と円は「む?」と言いながら胸に注目していた。


「美鈴は秀頼様に対し、嫌われるようなことは一切していません。していたとしても、そこだけはブレませんわ!」

「おぉ!ミッキーと違い、美鈴ちゃんは貫禄があるね」

「千姫、お前はわたくしをおちょくるのが好きなようだな……」

「弄られる要素しか見せないお姉様も悪いです」

「美鈴!?」


双子の妹にも後ろからバッサリと斬られ、美月も驚愕していた。

「まあまあ……」と遥香と理沙が美月を宥めているのであった。


「それじゃあ、美鈴ちゃん!回答をどうぞ!」

「秀頼様はそもそも西軍を認識してないですわ!つまり、関ヶ原の戦いの西軍メンバーと勘違いした!これですわ!」

「よく言った美鈴」

「そういうこと。慌てるだけ無駄」


絵美と円がよくやったと労うように背中を叩く。

特に『秀頼は自分の婿』と強く妄想をしている3人の友情である。


「最初はヨリ君も関ヶ原の戦いの武将を出したんだよ。でもそれからこの場の人物を好きって答えたよ」

「う……うぇっ!?」

「え?」

「はぁっ!?」


3人娘が素で千姫の言葉に驚きの声を上げる。

「そ、それなら……」「うん」と遥香や咲夜が自信満々に頷く。


「ボク!」

「ウチ!」

「わ、私!」


と全員が自分と指す。

「すげぇな、こいつら。譲る気0なんだ……」と千姫が引いた声を出しながら動画の再生ボタンを押した。






『じゃあ、ヨリ君!西軍メンバーで誰が1番好きで、誰が1番嫌いかを答えましょう!』

『せ、西軍?ベタなところで石田三成、大谷吉継。嫌いなのは当然、小早川秀秋』

『というか、ベタな武将しか知らんやろ』

『まあなー』


タケルに突っ込まれて、秀頼とタケルは笑いだす。

そこでようやく(え!?ヨリ君って西軍を認識してない!?)と致命的な弱点に気付く。

これなら絵美、ゆりか、咲夜など名指しで指名するんだったと質問を後悔した時だった。


『あ!そういえば西軍って歴女の集まりグループだっけ?』

『?』

『?』


千姫とタケルが逆に(なんの話?)と、秀頼の的外れな言葉を聞き、動きが止まる。


『そういう意味で、1番好きなのは美月か。いや、美月しかメンバー知らないけど。……嫌いなのは歴史上の人物をやたらイケメンに持ち上げてきゃあきゃあ盛り上がる人かな?あの辺は流石に理解出来ないな……』

『つ、つまり1番好きなのはミッキーだと?』

『あぁ、ミッキー……ってなんだこの呼び名?著作権的な意味で消されない?……。まぁ、好きなのは美月だよ』

『ミッキー、脈あり!』

『脈無ければ死んでるよ……』


と、秀頼の呆れた声が漏れてきた。

当然、秀頼のその発言を聞いた絵美らが呆れたのは言うまでもない。





「秀頼……。わたくししか知らない歴女の集まりなら1番嫌いだとでも言えただろうに1番好きだなんて……。……でゅふふふふふ」

「なんて嬉しそうで、気品さの欠片もない笑いなんだ……」


30秒くらい、ずっと「でゅふふふふふ」と笑っていたのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] よかったね、みっきー [一言] 遥香と咲夜が押し強い…サクヤはともかく遙かも!? おいおい早く自分猫ミサイルを発射して押し倒してこいよ!
[一言] 章をありがとう。 あなたのウェブ小説は本当に素晴らしいので、私は新しい章を待っています! 日本語はわかりませんが、機械翻訳であなたの仕事が読めるので、日本語が下手でごめんなさい。 あなたのウ…
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