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17、決着

「こわぁ……。あんた、そんな趣味があったのか……。気持ち悪いな……」


身体中を落書きされ、髪の毛もハゲ…………オブラートに包んでカッパみたいになっている。

街中でこんなん歩いていたら、『ねぇ、ママ!あの人何やってんの?』っておばさんに尋ねたくなる。


「あけっ……明智がやったんだよ!」

「…………」

「お前が楽しそうに落書きしたりしたんだよ」

「…………」


このサディストォォォォォ!

お前は何やってんじゃあぁぁぁ!


「それ、……それよりも頼む!死にたくない!死にたくない!お前の命令に従えなくなるギフトなのはわかった!とりっ、取り消してくれ」

「…………」


状況を整理する度に頭が痛くなる。

人を殺したらさぁ……、破滅すんだろぉがぁ!

せっかく俺が今まで回避してきた人殺しフラグをたった5分や10分程度でぶっ壊しやがってあの秀頼(サドいバカ)め……。


(クハッ!クハハハハハハ!)


そして、心でめっちゃ爆笑していた。

俺は、逆に笑えないってのに……。

さっさと消えろよバカ野郎がっ!




オイ、俺の独白聞こえてんだろ?

どうせ、自殺して死ねとか車に轢かれろみたいなニュアンスの命令出したんだろ?

取り消せよ。


(さっすが、ご主人様だなぁ!俺はあのピュアゴリラに上書きされないレベルの命令を下した。自殺しろってな)


自殺しろってな、じゃねーよ!

格好付けんなよ!

格好良くねぇよ!

取り消せ!

今すぐその命令を取り消せ!


(チッ、うるせぇマゾ豚だ。【死亡の取り消しだけは許してやる】。ほら、あいつの人生の生死の鍵は渡してやったぞ)


やたら今日は喋るのな、お前……。

いつもたまに現れて一言二言だけちろっと発言するだけなのに。


(…………)


あ、黙り込んだ!

なんかサディストなのにツンデレな達裄さんの波動を感じる。


それから、秀頼(サドいバカ)は一切反応を示さないので織田へと目を向ける。


「とりあえず【さっきあんたにかけた呪いのギフトは解除する】。ほら、これで良いだろ」

「あ、あぁ……。サンキュー」

(クハッ!俺は死亡しか取り消してないけどな……)


ちょっと何?

織田と返事でなんか被ったんだけどなんか言った?


(…………)


まぁ、いいや。

とりあえず織田の死亡フラグをへし折ったことにより、若干明智秀頼死亡フラグもへし折れたはずだ。

ギフト越しとはいえ人殺しは流石にしないよ。


「あ、そうだ!あんたに言いたいことあったんだ!」

「な、なんだよ……?」

「くたばれぇぇぇ!俺以上のゴミクズぅぅぅぅぅ!」

「ぐへっ……!?」


顔面を蹴り上げてやった。

もう竹刀ないし、凶器攻撃じゃないし、セーフだろう。


「イキッてんじゃねぇぞ、ゴリラぁぁぁぁぁ!」


首を吹っ飛ばす勢いでラリアットを加える。

そのまま床に倒れ込む。

それから身体がピクピクと痙攣し、「ぎぶあ……ップ」と言い残し、気絶した。


前世のぶん、今世のぶんと私欲の攻撃を加え、なんかスッキリした。

汗を手で拭い達成感が沸いてきた時だ。






「無事だったんだね、秀頼くぅぅぅん!はぁっ!」

「え、絵美ちゃん!?」

「あ!ぐれたの治った!おりゃあ!」


何回も絵美がバリアに拳を振るっていた。

そして、バリア全体にヒビが入りパリーンと割れた。

バリアの破片はそのまま空中に解けていく。


「てか、え?何、そのバカ力……?」

「…………これがわたしのギフトなんだ」

「え!?絵美のギフト!?」

「『想いを力に変換する』ギフト。わたし、秀頼君が大好きだよ」

「え?えぇ!?」

「当然、愛してるよって意味だよ」


絵美の二重の告白は、決闘が終わった直後の俺を驚かせて、絶句させた。

た、確かに絵美は原作でも怪力描写が多かったけどあれがギフトとか説明しろよ桜祭!

いや、それより大好き……、大好きって……。


「ちょっと絵美!?何抜け駆けしてんのよ!?」

「切り札は、最後の最後に切るから切り札ってさっき秀頼君が言ってたし」

「意味違うから!」


大好きって……、恋愛的な……。

抜け駆けってことは円も……?

あ、やべ……。

嬉しいんだけど、頭がまわんねぇ……。


「…………」

「明智君……?」

「ひ……秀頼く、ん……?秀頼君!?」

「わりぃ……、疲れた……」


ギブアップを聞き届けたことに安堵したら溜まっていた疲れが一気に押し寄せてきた。

そっか……。

ようやく、俺は部長の因縁を断ち切った……んだ……。






俺も……、好きだよ。






「ひ、秀頼君っ!?」

「ちょっと明智君!?明智君!?」

「だ、抱き締めたまま気絶なんて…………」


絵美と円に抱き付いたら、安心して……。






──そのまま、再び意識を失った……。

因みに原作織田はギフトに覚醒しません。

原作織田の同行は過去に掲載しています。

やっぱりクズでした。


第5章 鳥籠の少女

第56部分番外編、歪んでいる親友への価値観




絵美の『想いを力に変換する』ギフトについて。

第5章 鳥籠の少女

第81部分37、女子4人の勉強会

こちらの咲夜にもギフト使用しています(無意識)。

譲れないことや、好きな相手のこと(秀頼だね!)になると力が無限に増す。

原作の無駄に強すぎる力は全部コレ。


原作絵美がこのギフトを扱えていたのは、『命令支配』により、想いの行き先を全部秀頼にしていたため。

絵美本人が秀頼のことを嫌いなのに、好きな状態に秀頼がさせていた。


原作永遠ルートにおけるヨルの不意打ちや拷問に無力だったのは、ヨルが持つ『アンチギフト』の効果。



鳥籠の少女って単語を久し振りに使った気がする。

最近サボり気味の解説でした。







次回、体育館を死守する山本たちは……?

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