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3、岬麻衣

「あー、うっざ。ゆりかちゃんも関もアタシより弱っちいのに調子乗ってウケるー。ギフト狩りとかアタシはどうでも良いんだよ。ビリビリとクソ雑魚を狩って暴れることさえ出来ればなんでも良いんだし?クソ雑魚なのが罪ってわっかんねーのかな?」


あら?

目の前に派手なギャルの格好をした女子生徒が廊下の端でぶつぶつ呟いているのを見付けてしまう。

同じ1年の女子みたいだが、不穏な感じがする。

実はギフト狩りでしたとかいう展開になるのも嫌なので見て見ぬ振りをして教室に戻りましょう。

タケルさんにタオル返さないといけないし……。


「……おい、あからさまに見て見ぬ振りして素通りしようとしたな?アタシ、そういうの気付くんだよ」

「…………え?」

「お前しか居ないだろうがよ。茶髪女」

「…………」


なんで私は毎回毎回厄介ごとに巻き込まれるのだろうか……?

こないだは死神ババアに追いかけられ、今日はタケルと山本からびしょびしょに濡らされる。

本気でなんか悪いものが憑いているに違いない……。

マスターか達裄さんのどちらかから今度、占い師でも紹介してもらおう……。


「てめぇの名は?」

「…………通りすがりの女子です」

「きゃは。舐めてんじゃねぇですよ?次舐めた口聞くと感電させますですよ」

「はぁ……」


感電させるなんて面白いジョークだなぁなんて考えてしまう。

いや、ギフトならあり得るか。

こんな見た目が派手なキャラクターが原作キャラに居ないんだからどんな世界なんだよと前世の常識で突っ込んでしまう。


にしても名前か……。

明智秀頼…………、なんだけど可愛くなくない?

明智は仕方ないにしても、秀頼って名前が男みたいじゃん……。

女で秀頼って名乗ったら豊臣秀頼が女体化したソシャゲのキャラみたいじゃん。

秀頼って名前が恥だわ……。

もうちょい女の子っぽい名前を付けなさいよ……。

なんで私は明智秀頼に転生した挙げ句、女子生徒になったのか。

これがわからない。


あと、名前といえば私には妹の星子という生き別れた妹がいる。

ごめんね、星子。

名前を借りるわね……。


「きゃはは。クソ雑魚のクセに逃げること考えてんじゃねーですよ。君の名前は?」

「あ……、明智頼子よ」

「へぇ、頼子ね……。……顔と名前が一致しねぇ!」

「…………」

「その悪人顔と男みたいな身長で頼子ってギャップがすげぇな!」


私だって一致してないわよ!

本名秀頼だからね私!?

可愛くない……。


「きゃは。まぁいいわ。アタシは岬麻衣。この学園どころか世界最強よ」

「へぇ……」


え?

達裄さんやエニアとかアイリーンなんとかさんとかより強い?

あとは原作の仮面の騎士も強いけど、どう見てもそんなに強くなさそう……。

私の印象ならゆりかやヨルより弱いんじゃないかしら……。

でも、彼女が最強なら最強なんだろう。


「凄いわね!最強だなんて!」

「きゃは!あら、アタシの凄さがわかるなんて見所があるじゃない頼子。……それに比べてあなたは図体だけでかくてクソ雑魚そうね」

「う……。そうなの。……私なんてクソ雑魚だもの……」

「あらら。気落ちしないで頼子……」


どうせ私なんてゴーストキングを倒せないくらいに弱っちいもの……。

ギャルが優しく背中を撫でてくれた。

これが属に言うオタクに優しいギャルというものだろうか……?

惚れそう……。


「きゃは!ムカつく女なら殺してやろうとしてたけど気分が良いわ!」

「こわっ!?」


冗談なんだろうけど、無条件で殺そうとするのは心臓に悪い。

だって、私は明智秀頼だもん。

存在だけでヘイトを買うんだもん、普通にありそうで困る。


「気に入ったわ頼子。あなたはアタシの奴隷よ」

「あはは……」


多分ずっ友の誇張表現だろう。

絵美や理沙らもそう言って女子らで盛り上がっているんだろう。

知り合っただけとか、そんな理不尽な理由で奴隷扱いはないだろう……。

多分……。


「きゃははは!アタシ、4組の岬麻衣ね。今度ゆっくり話でもしようね!」

「はぁ……」

「本当に人間全員頼子みたいなら良いのに。きゃは!」


ストレスでも溜まってるのか、言動1つ1つがデンジャラスなのよねこの子……。

出会った頃のヨルでも相手をしている気分になるわね。


「じゃーねー、頼子!きゃはははは!」


黄色と青という強烈なインパクトのギャルは長いツインテールを揺らしながら私に手を振ってきたので、私も手を振り返す。

可愛いなツインテール……。

絵美の短いツインテールも可愛いし、私も髪を伸ばして同じ髪型にしてみようかなと茶髪を弄りながら考える。

現状、髪が男状態と大差ない長さなのでもうしばらくはこの髪型になりそうだ。


「はっ!?昼休みがあと10分で終わっちゃうわ!教室に戻らないと!」


急いで私は階段を駆け抜けていった。

そして教室に滑り込む。


「…………明智来ないなぁ」

「秀頼…………。俺が悪かったぁ……。濡らしたからめっちゃ怒ってんだぁ」

「……めっちゃ凹んでんじゃーん」


山本さんとタケルさんがどうやら私を待っていたらしい。

教室で待たせてしまった2人に向かって歩きはじめた。

秀頼が岬麻衣を知らないので原作キャラではない?

原作において、悲惨な死に方をしているのがイメージ出来過ぎるキャラだと思います……。





女秀頼は一応頼子と表記。







次回、え?タケル……?

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― 新着の感想 ―
[一言] タケル、星子の事を目で追ってたようなことをしてたし ひょっとして秀頼に一目惚れするのでは?
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