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30、スターチャイルドは主張する

念押しに恋愛トーク禁止令がスタチャに出され、彼女の髪の色も一応金髪から白髪へと変化させてスタヴァの店内へ入ることになる。

左腕に新鮮過ぎる白髪スタチャに腕を組まれそのままレジに連れて行かれる。


「いらっしゃいませ!…………あっ、明智さんだ!」

「や、やぁスタヴァの姉ちゃん」

「…………」


一時期、俺に気があるんじゃないかと期待していたのに、タケルから『彼氏と電車に乗っていた』という衝撃的なニュースを聞いて落胆してしまった原因であるえくぼの似合うスタヴァの姉ちゃんがレジに立っていた。


「久し振りですね!私、ずっと明智さん来るの待ってたんですよ!」

「あ、あはは……。最近部活入って中々スタヴァに来る機会なくてさ」

「…………」


本当はスタヴァの姉ちゃんが彼氏持ちだからあまり近寄らないようにしていただけであるが……。

たまにいつものメンバーでここに来ていただけにスタヴァの姉ちゃんと星子は面識を持っている。

まぁ、今日はスタチャバージョンだから初対面扱いだろうけど……。


「まぁ、部活入ったんですね!なに部ですか!?」

「文芸部かな」

「…………」

「へぇ!私も高校の時は文芸部だったから相性抜群ですね!デスティニーです!明智さんとデスティニーランド行きたいです!」

「デスティニー良いよね!俺もスタヴァの姉ちゃんとデスティニー行きたいなー」

「…………」

「そちらの方は?妹さんかお姉さんですか?」

「あ、あぁ。まぁ、そんなかん……」

「彼女です!」

「……え?」

「……え?」

「私が秀頼さんの彼女なんですよ!」


恋愛トーク禁止令出された直後に俺が彼氏設定されたんだけど良いのスタチャ!?

妹って部分は間違ってないよねスタチャ!?


「ね、秀頼さん。今日はラブラブデートを2人で楽しんでいます」

「あ、明智さん……」

「す、スタヴァの姉ちゃん……」


縋るような目でスタヴァの姉ちゃんが俺に向けるが、何がなんなのか俺もわからないんだ……。


「秀頼さんは何にしますかー?」

「俺はカフェモカ」

「私はキャラメルマキアートでお願いします」


俺が財布を取り出そうとしたらスタチャに制止されて、彼女がスマホをかざして会計を済ませた。


「明智さん、ヒモ……?」

「違うよ!?」

「いつも彼にお世話になっているから今日は奢りなんです」


俺より稼いでいるであろう白髪スタチャがスタヴァの姉ちゃんに煽るように説明をされる。

妹に奢られて情けないが、毎回奢られているわけではない。

割り勘だったり、俺が奢る時もある。

むしろ今回はじめて妹に奢られた。


「お、お待ちください」


眉がピクピクしているスタヴァの姉ちゃん。

その後ろで同僚さんたちがコーヒーを作っていた。

ハピハピしている白髪スタチャ。

気まずい雰囲気で、誰も口を開かなかった……。


目当てのカフェモカとキャラメルマキアートが提供され、スタチャがレジより離れた奥の席へ連れていく。

よほど我が妹はスタヴァの姉ちゃんがお気に召さなかった様子である。


席選びの最中、俺のスマホのバイブが鳴ったので取り出すと、スタヴァの姉ちゃんから『セ○○でも良いよ♪(/ω\*)』とメッセージが届く。


セ○○って何!?

スタヴァの姉ちゃんは彼氏と別れる気がないから俺とセ○○になりたいってこと!?

なんて調子の良い……。

荒波を立てないようなメッセージとスタンプを送り、やんわりと断った。

本命だったら彼女いなくてフリーだからOKを出していたかもしれない。


スマホを仕舞うとスタチャが「この辺りにしましょう」と椅子に座ろうとした時であった。




『見て見て美月!この映像可愛くない!?』

『凄いな、猫がトラの真似してソーラン節を踊っているじゃないか!』

『違うよ美月、トラじゃなくてライオンの真似してるの』

『え?トラだろ?ライオンなのか?』

『百獣の王ですよ!』



近くの席から聞き覚えのある声に振り向くと永遠ちゃんと美月がスマホを見せあいっこをしている姿が確認できる。

前回は理沙とのミャクドナルドで2人と出会い、今回はスタチャとスタヴァで出会うことになった。


合流するかどうかをスタチャに委ねて目を向けると首をブルブルと横に振っている。

知り合いNGらしく、違う席に移動しようとコソコソ移動しようと俺とスタチャで背中を向こうとした時であった。


『あれ?秀頼じゃないか?』

『あっ、本当だ!秀頼さーん!』


美月が俺に気付いてしまい、既に誘っている永遠ちゃんの声がする。


「…………」


スタチャがぎろっと睨み付け無言の圧力を加えてくる。

うぅ……、スタチャの正体がバレないように行動するはずが、スタチャの正体を知っている人に近付けばそりゃあ怒るよね……。

少し背が小さくなりながら、4つの椅子が並ぶ永遠ちゃん達の席に近付いて行くことになる。


「あれ?秀頼さん、そちらの方は?」


俺の後ろから無言で近付く白髪スタチャに困惑する声を出す永遠ちゃん。

白髪って確かに髪色が彩り豊かなこの世界でも珍しいよね……。

俺も概念さんの正体であるエニアくらいしかまだ白髪の知り合いいないし……。

そもそも(アレ)は知り合い認識で良いのかは疑問であるが……。

俺の前世で生きた日本をベースにしているからか、黒髪が圧倒的に多く、あとは茶髪・金髪辺りの人がやや多い世界である。

そもそも主人公であるタケルが黒髪だしね。


「もう、エイエンちゃんったら。こっちは」

「秀頼さんの彼女です!」

「え?」


白髪スタチャが俺より前に出てきて永遠ちゃんと美月の2人に言い切った。

冷えた空気が4人の間に流れてシーンとなった……。

○えくぼの似合うスタヴァの姉ちゃん

本名不明……、というか決めてない。

大学1年生の18歳。

こないだまで中坊だった高校1年生にガチ恋しているスタヴァのバイトをしている姉ちゃん。

タケル及び、西軍メンバーと認識ある地味に顔が広い姉ちゃん。

秀頼の連絡先のみ入手している。

年齢=彼氏なし。

高校時代に文芸部発言をしているが、本当はバレー部だった(秀頼と話を合わせるための嘘)。

えくぼが似合うは秀頼談であり、本人のチャームポイントは長いまつ毛だと思っている姉ちゃん。

バイト初日にやらかし、秀頼に助けてもらった。

スタヴァとスタチャでわけわかんなくなる。



スタヴァの姉ちゃんの初登場ははじめてですが、話題に上がったのは2度目。

完全にスタヴァの姉ちゃんを忘れてしまった人はこちらを参照。

第9章 連休の爆弾魔

第223部分16、十文字タケルと山本は握手する



秀頼が知り合いに会いたくない時なんかはマスターの喫茶店ではなく、スタヴァに行くことが多い……のだが、スタヴァでもよく知り合いに会う。









次回、スタチャが冷やした空気に3人はどう抵抗する……?

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