14、明智秀頼は視界に入れない
第2章の副題変えました。
第2章 主人公との邂逅
から
第2章 禁断の恋愛
へと変更と一部タイトル変更致しました。
理沙の原作副題だけカットするのは可哀想だったのが理由。
1、2章は文章構成が滅茶苦茶なのでいつか追記修正したい。
特に何をするわけでもなく、休みが減っていく毎日。
今日はおばさんから頼まれた買い物をこなし、袋を持って帰路を歩いていた。
1人で考える時間が俺には必要だった。
そもそも俺は自分の死亡フラグを壊せているのだろうか……?
手応えのない日々が俺にストレスを加える。
それどころか概念さんが現れる日常。
水面下で動いているであろうギフト狩り集団。
ヨル・ヒルの復讐。
終わらない明智秀頼の死亡フラグ管理が俺を孤独にさせる。
イマイチ恋愛に乗り切れないのも、いつ死ぬかわからない恐怖が原因の1つなのかもしれない。
豊臣光秀の時には、いつ死ぬかなんて考えたこともなかった……。
戻りたいな、あの日々に。
俺はいつまで、明智秀頼で生きていかなきゃいけないんだろ……?
ーーガラにもなく、センチメンタルじゃねーか。
考え事をしていると、ちょいちょい心の中の秀頼が話掛けてくる。
特に仲良くはないので、あまり相手にはしない様にしている。
日に日に秀頼の力が強くなっていく感覚はあるが、こいつもどうしたら良いんだろうか?
時間の問題なのかね?
俺もその内消えんのかな?
やってらんねぇ……。
買い物袋を握る腕の力が自然と強くなる。
原作の向こうを超えたその先に、何が見えるのだろう……?
「はぁ……」
ため息を付きながら歩き続ける。
本気で死亡フラグを折りたいならタケルやヨル、美月など、俺を殺す可能性のある奴全員を排除するのが確実だ。
出来るわけねーじゃんよ、俺にそんなこと……。
あいつらが死ぬくらいなら、俺が死んでもう1回人生をやり直すよ……。
次こそはギャルゲーの主人公に転生してーな!
明智秀頼みたいな歩く死亡フラグとはお別れしてさ!
未来のことなんか考えずに恋愛バカになってバカップルみたいになってイチャイチャしまくってさ!
永遠ちゃんみたいに理想のヒロインとデートとかしてイージーモードな人生にしてーな!
なんだよ、入学早々にメインヒロインに脅されるわ、露出狂ギフト狩りに襲われるわ、命削って死にかけて丸1日気絶してるわでロクな人生じゃねーよ……。
「もういっそ、原作なんか振り切って逃げ出すかなぁ……」
叔父さんの家を出て、誰も俺なんか知らない土地行って、ギフト使ってゆるーく仕事して、スマホでスタチャの応援して、ヒロインよりは可愛くないけど一途な子と結婚してさ……。
たまにタケルとか絵美とか円とかと近況報告するみたいな。
最高の人生だな。
死ぬかもしれない高校生活とおさらばしてさ!
概念さんの処理は主人公とメインヒロインに全部押し付けて俺は高みの見物決め込んで……。
…………最高だけど、なんか刺激が無さそうでつまんねー人生になりそうだな。
というか、友人とか妹と離れて暮らすとかありえねーし。
こんな住宅街で何もないところを歩くからネガティブになるんだ。
早く家に帰ろうと歩みを進める。
下を向きながら歩いていた姿勢を上に向けると背の低い女の子が視界に入る。
小学生か?
何か探しているっぽいが、声を掛けて事案とか噂されるのを避けるためにまた下を向きそのまま女の子を視界に入れない様にする。
ああいうのは経験上、目線が合ってしまうとトラブルに巻き込む系のやつだ。
明智秀頼がトラブルに巻き込まれないためには、視界に入れないのが正解である。
「あ、あの……」
「…………」
「す、すいません!」
「…………え?」
俺の視界にわざと入る様に女の子が近寄って来る。
トラブルから俺にやって来る。
視界に入っていないなら視界に入るまでと言わんばかりである……。
「実は……、人を探しています!」
「頑張ってください!じゃっ!」
応援しておいた。
俺はあんまり応援しない人なので、スタチャと同等の扱いをしたと言えば厚待遇である。
今日の夕飯はすき焼きにするっておばさんが言ってたし楽しみである。
「ちょっと待ってくださいお兄さん!」
「え?」
「人を探しています!」
「そうなんだ。俺は探してないよ。じゃっ!」
良い牛肉あるって言ってたし楽しみだなー。
「待ってぇぇぇ!泣いちゃう!私、泣いちゃう!」
「……」
変なのに見付かって俺が泣きそうである。
これあれだ。
やっぱりトラブル来てるわ……。
歩く度にトラブルに巻き込まれるのなんなの?
概念さんの呪いかなんか……?
仕方なく俺は身長が145センチ程度の女の子に向き合う。
本当に小学生みたいな子だな。
はぁ……、面倒くせぇ……。
「ん?」
「どうかしましたか?」
「あぁ、いや。なんでもない……」
この女の子どっかで見たことある……。
どこでだ?
遥か遠い過去、どっかで見たことがある。
会ったことは……あったっけ?
「で、人を探してんのね。どんな人?」
「格好良いお兄ちゃん!」
「…………」
「帰らないでー!」
イラッとしたので背中を向けるとまた勝手に付いて来る。
なんで俺がイケメンお兄ちゃんを探す手伝いをしなくちゃいけないんだ。
「せめて名前を言えよ。なんて名前のお兄ちゃん?」
「タケルお兄ちゃん!」
「…………は?」
「タケルお兄ちゃんです!名字は十文字っていう人です」
タケルお兄ちゃん……。
名字は十文字……。
なんて珍しい名字なんだ!
まるでギャルゲーの主人公みたいじゃねーか。
「……」
タケルお兄ちゃん?
あれ、なんか忘れかけていた記憶の扉が開いてきた。
ま、ま、まさかこの子!?
『悲しみの連鎖を断ち切り』のヒロイン!?
確かに居たわ!
顔と名前はあんまり覚えてないけど、確かセカンドに『タケルお兄ちゃん』って呼ぶヒロイン居た!
初代のヨル、理沙、三島、美月、永遠ちゃんの5人は覚えてるけど、セカンド以降のヒロインはゲームをまとめたノートを見返さないと思い出せない……。
セカンドのヒロインであるヨル、詠美、茜は覚えてるけど残り2人がほとんど記憶にない。
「き、君の名前を聞いても良いかな……?」
「赤坂乙葉です。よろしくお願いいたします」
ペコリと頭を下げる小学生みたいな女の子。
あ、赤坂乙葉……。
そうだ、ちょっとであるが思い出してきたぞ……。
見た目が絵美以上にロ●体型であるが、この子は俺たちの1個下。
タケルと理沙の従妹である……。
そして、原作『悲しみの連鎖を断ち切り』でタケルが唯一闇落ちするルートのヒロインである。
その詳細はタケルと秀頼による学校を巻き込んだ大量虐殺。
ヒロインでありながら、その大量虐殺の引き金の原因になってしまう悲劇のヒロイン・赤坂乙葉。
通称、砕かれた正義編。
今はまだシリアスになりません。
赤坂乙葉ちゃんが攻略キャラクターにならなければ、スターチャイルド/細川星子が攻略ヒロインになっていました。
企画段階で秀頼の実妹という部分が人気が出そうに無かったのでスタチャの存在が削除されました。
親友の妹役なんて鉄板のヒロイン属性なのにね……。
『悲しみの連鎖を断ち切り』シリーズは、全部ヨル+ヒロイン4人のヒロイン5人で形成されます。
ヨルだけヒロイン枠を圧迫し過ぎである。
佐々木絵美?津軽円?深森美鈴?エニア?
攻略できるわけねーだろ!
因みに、タケルが誰とも付き合えないままエンディングを迎えた場合、秀頼とズッ友ENDがあります。
原作プレイヤーからしたら悪夢でしかない。
メインキャラクターの身長まとめ
185センチ 遠野達裄
178センチ マスター
175センチ 明智秀頼
173センチ 十文字タケル
172センチ 山本
172センチ 深森美月
171センチ スターチャイルド
170センチ 上松ゆりか
168センチ 宮村永遠
164センチ 津軽円
163センチ ヨル・ヒル
160センチ 黒幕概念
158センチ 十文字理沙
155センチ 津軽和
155センチ 詠美
153センチ 谷川咲夜
152センチ 細川星子
150センチ 三島遥香
149センチ 佐々木絵美
145センチ 赤坂乙葉
130センチ エニア
次回、タケルお兄ちゃんを探す?