表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

199/889

番外編、宮村永遠(バッドエンド)

たくさんの反響やコメントありがとうございます!


今回は原作開始から200ページになった記念話です(このページが199ページで、次が200ページですが……)。


今回は原作ゲームの宮村永遠ルートのバッドエンドシナリオです。

このページの内容は原作秀頼目線の話ですが、原作ゲームではタケル目線で描かれておりました。

宮村永遠ルートのバッドエンドの大まかなな流れは同じです。

【原作SIDE】




「絵美……、この役立たずが……。【吐血して死ね】」

「ゲハッ……!?」

「は?」


あぁ、やっちまった。

俺は多分世界で1番大事にしていた女を殺害してしまった……。


絵美が俺を恨んだ目で見て、絶命している。

でも、俺を裏切ったお前が悪い。




『秀頼、俺を裏切るなよ!良いか?裏切りというのは殺されても文句は言えないんだ?わかるよな、秀頼ぃ?』




クソジジイの言葉が思い浮かぶ。

あぁ、そうだった。

俺が悪いんじゃない。

俺を裏切ってヨルとかいうナイフ女に全部バカ正直に告白したのが悪い。

俺は間違えない。




「秀頼……、お前……」


タケルが絵美を殺したことを非難する目で睨んでくる。

こうなった以上仕方ない。

この場の全員始末するしかない。


「俺にはそういうことだってできる。次は宮村永遠。【タケルを抑え込め】」


『アンチギフト』でタケルにギフトが効かない以上、宮村永遠かヨル・ヒルのどっちかに『命令支配』を掛ける必要がある。

ヨル・ヒルを殺す選択ではなく、俺は宮村にタケルを拘束させる選択肢を取る。


「タケルさんっ!?わ、私……、抗えない……」

「ぐっ……、永遠っ!?」


宮村に固められてタケルは廃墟の床に転がる。


「はっ!?動ける!?動けますタケルさん!」

「や、やった」

「っ!?」


タケルの『アンチギフト』が進化している!?

今までは自分を対象にしたギフトしか無効化できなかった能力が、触った者のギフトすら無効化する能力に進化していた。

宮村永遠の記憶が開いた理由もそれが原因だったことに気付く。

しかし、俺はタケルと宮村のことは無視して違うターゲットに向かって行く。


「おらっ!」

「がっ……!?」


ヨル・ヒルに体当たりして、彼女を床に転がす。

絵美を拷問にした手腕が俺の油断を消していた。

そういう意味では絵美は役に立った。

絵美を犠牲にした以上、俺は負けられない。


「ははっ……、俺は止まらない……」


ヨル・ヒルが体当たりされたと同時に床に落ちたコンバットナイフを俺が拾う。

絵美の身体中にある傷は全部このナイフが原因だと思うと、ヨル・ヒルに対する感情が犯すよりも殺すが先に来る。


「汚い手で……、それに触れるなぁぁぁぁぁ!」

「汚いのはテメェだっ!」


俺は自分で手は汚さない主義だ。

あのクソジジイとは違う。

俺は高みの見物を決め込み、頭を使いスマートに駒を動かす。

『命令支配』で駒を自殺に追い込ませる。

しかし、どちらも不可能で駒がない以上王自らがチェックメイトをしなくてはならない。


「秀頼!辞めろおおぉ!」


タケルのうぜえ声がする。

俺を本気で止めたいなら『命令支配』でもしてみろってんだ!


俺はナイフをヨル・ヒルの胸の中に落とす。


「ガッ……!?」


ヨル・ヒルの体内から赤い血が流れる。

髪も目も真っ赤なヨル・ヒルは身体全てが赤に変わる。

殺意を込めて、念入りに彼女の身体にコンバットナイフを埋め込む。

やがて3回目には、抵抗もなくなり、糸の切れた人形のように動かなくなる。


「ヨルっ!?」

「ヨルちゃん!?」


タケルと宮村の声がする。

宮村はどうとでもなる。


「秀頼……」

「タケル……」


俺は親友と向き合う。


「なんでこんなことするんだよ!?なぁ、お前はこんなことする奴じゃないだろ……?」

「……ははっ、はははははは!お前バカじゃねぇの!?俺がこんなことする奴だから絵美もヨル・ヒルも死んだんだろ!本当に甘っちゃんだなお前っ!」

「俺……、お前とこんな風になるために呼んだんじゃない……。秀頼とわかりあいたくて呼んだんだよ」

「うん、無理。とりあえずお前も死んどけ」






そして、なんなく俺はタケルを殺害した。


絵美、ヨル・ヒル、タケルの亡骸が廃墟に転がる。








「タケルさん……、ヨルちゃん……私を置いていかないで……。タケルさん、タケルさん……」


鳥籠女……、宮村がタケルとヨル・ヒルに縋る様にして涙を流す。

2人をギフトを使わずに直接ぶっ殺したが、正直楽しいものとは思えなかった。

もうこりごりなのが正直だった。


「宮村……、タケルもヨル・ヒルを失いお前はどうする?」

「……ゴミクズ」

「…………」


宮村が俺を非難してくる。

全部を俺は受け入れる。


「私……、自分のお父さんもお母さんも殺して……タケルさんも死んで……こんな世界で生きたくない…………。殺して……、…………私を殺してよゴミクズ!」

「…………」

「殺して…………、お願いだから私もみんなのところに行きたい…………」


でも、俺は意地悪だから殺さなかった。

……いや、もう殺したくなかった。


だから。

俺は……。


「宮村の記憶を書き換える。もう2度と『アンチギフト』でも消えない命令で支配させる」

「や、やめて……!?そ、そんなのもう……!?」

「【高校入学から今まで人と関わった記憶及び思い出した記憶全てを忘却しろ】」

「…………いやだ。もう……、私を別人にしないでっ……」

「…………」

「いゃ……、いやだってばぁぁぁぁ」


俺は記憶の塗り替えに苦しむ宮村の目の前から立ち去る。

もう2度と鳥籠の少女と会話をすることはないのだろうと思う。









その日の夜。

俺は胸クソ悪い夢を見ることになる。




ーーーーー





『んだそりゃあ!?まさかてめえ?』

『『アンチギフト』、だろ』


クラスメートであったヨル・ヒルが俺の『命令支配』を瞬時に打ち破りやがった。


エニアは『絶対に重複しない』と断言した『アンチギフト』がヨル・ヒルに宿っていたという意味不明な現象が起きていたあり得ない展開が夢で繰り広げられていた。


『……待て!?なんでお前がその名前を……?』

『ははは。『アンチギフト』、お前がタケルのギフトに勝手に名前を付けたものなんだろ?なんで知っているかは教えてやんねえ!


ーー死ねっ!クズっ!命を償えっ!!ギフトによる悲しみの連鎖を断ち切る時間だっ!』


俺は勝ったはずなのにヨル・ヒルに蹴られてナイフで首を切り裂かれる夢を見た。


『があっ……!?』


薄れていく意識の中で、心配そうに駆け寄ってくる親友(バカ)の姿が目に移り、そのまま俺の夢は消えていった。


まるで、そんな未来も実現していたかもしれないというパラレルワールドの世界。


俺が死んで、タケルと宮村が幸せになるハッピーエンドを迎えた虚像であった。

原作ゲームではタケルが秀頼に殺害されてバッドエンドになります。

タケル死亡後の秀頼の動向は原作では語られていないので、ゲームのプレイヤーには明かされていません。

クズゲスの秀頼君も円もこの出来事は知りません。


タケルの殺害描写を描かないのが一応の救いです。

因みに『悲しみの連鎖を断ち切り』では、どのバッドエンドでも絵美が死んでから分岐します。

徹底的に救いはありません。



理沙ルート、永遠ルートが散々『ハッピーエンドって書いてるのにハッピーエンドじゃないじゃん!』と叩かれたので、

バッドエンドはバッドエンドらしくしました。




宮村永遠ルートの分岐条件

①純粋に永遠の好感度が低い

②プロローグで『宮村に干渉する』を選ばないで永遠ルートに突入する

③ヨル・ヒルの好感度が基準値より下にある


以上の3つの内、どれか1つでも満たすとバッドエンドになる。

ほとんどの人がヨル・ヒルの好感度を上げないでルートに入り、バッドエンドになる人が多い。




最近永遠ちゃん好きが増えてきて嬉しいです!

鳥籠の少女編連載していた時は永遠に対するコメントが無さ過ぎて人気ないのかとずっとビクビクしてました。

原作1番人気ヒロインを謳っていて、秀頼君だけが盛り上がっていたとしたらちょっときつかった。

ループ質問したり、Sっ気が出てきたクズゲス永遠ですが、欲しかった友人に恵まれ家族や縛る物がない彼女はたくましく覚醒しました。

童貞を勘違いさせる系ヒロインは伊達じゃない。

初期永遠ちゃんと現在の永遠ちゃんは結構性格違います。


原作永遠は欲しかった友人、家族などの人の絆のほとんどを失っていますからね……。

そりゃあ幸せになって、人間関係も家族関係も変われば性格も変わります……。

幸せ太りならぬ幸せサディスト。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] まあ、原作?星子も原作永久と同じレベルで失ってるんだけどな。 むしろ上げて落としてるまである。
[一言] 原作秀頼は叔父の虐待で人格が形成されてますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ