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20、明智秀頼は恋しい

明智さん。

お忙しいのに、わざわざボクのために時間を潰してしまい申し訳ありません。

相談に乗ってくださるだけでもありがたいです。

今日の放課後、先程の指示された場所に向かいますね。



そのメッセージと共にスタンプが1個送られた。



「…………はぁ」


また『エナジードレイン』を浴びることになるのか……。

完全制御できていない三島のギフトがやばすぎるのだ。

原作のタケルと接することで、近くの人に影響が効かなくなり、かつ健康な身体を保つというレベルまで持っていけるのだ。


しかし、そんなことができるのは『アンチギフト』という、タケルのギフトありきだ。

『命令支配』で、三島にギフトを抑えろと命令しても効かなかった描写はある。


咲夜の風邪みたいに病気には効果があっても、ギフトの制御は効かないと思った方が良い。


「これから、三島遥香のところに行くの?」


帰り支度を済ませた円が俺に声をかけてきて、素直に頷く。

すると「そう」と目線を下におろした。


「無責任な言葉だけど、……頑張って」

「あぁ、……じゃあ休み明けに」


今日は土曜日の授業日である。

日曜には円と会う用事もないので、月曜日に再会することになることだろう。

そのまま円が背中を向ける。


「明智君……」

「どうした?」


円が顔を見せないで、真剣な声で俺の名前を呼ぶ。


「…………ごめん、なんでもない」

「はぁ?」

「呼んでみただけよ。気にしないで!」


イライラした円はそのまま脚を動かして消えていく。

なんだよ、あいつ……。

マジで最近俺に当たりが強すぎねぇかな……。

なんでイライラしてんだ?

…………俺もイライラしてる。

来栖さんを考えると、なんで円の顔が出るのかマジで意味わかんね……。


「おーい、秀頼!今日どっか遊び行かね?」

「あぁ、ごめん。今日はちょっと寄るところあるから……」


タケル、絵美、理沙といつもの3人が固まっていたのでカラオケとかゲーセンとか外食とかするのかもしれない。

でも、今日は三島と会わなきゃいけない。

断りの言葉を入れる。


「え?マジで?」

「あ、あぁ。ちょっとおばさんから買い物頼まれてさ……。3人で行ってこいよ」

「付き合うか?」

「良い。大丈夫だから……」


するとタケルが「そっか……」と呟く。

「じゃあ絵美さん、家に来ますか?」と理沙が

絵美を誘っている。

そのまま手を振り3人と別れた。


「…………」


絵美が何か言いたげな顔を向けていたが、先に進む十文字兄妹に着いて行く。

なんか嘘だとバレてんじゃねーかな?

……絵美は昔から鋭いからな。

申し訳ない気持ちを引きずり、俺も足を動かす。


タケルらより2本くらいずらした電車に乗り、俺が行き来している駅に着く。

そこからやや歩き慣れない道を辿り、三島へ指定した場所に着く。


「ここは大丈夫だろ」


宮村永遠ルートにて秀頼がヨル・ヒルに殺害される人気のない廃墟へ来た。

原作では秀頼とタケルの秘密基地的な役割として語られたそこは、本来の歴史からズレてしまい秘密基地でもなんでもない思い入れもない場所だ。


下調べで何回か来た程度である。


「まだ来てないか……」


俺はスマホで時間を確認する。

待ち合わせ時間までまだ10分程度早い。

暇を潰してスマホを弄る。


「おぉ、スタチャがリーフチャイルドとツーショット画像あげてる!」


なんだよ、これ女神が2人存在しとる……。

インスタの画像を即保存する。

これがあのシスコン野郎である達裄さんの妹なんでしょ?

身長高いし、なんとなくそんな雰囲気ある。


「はぁ……、スタチャ可愛い……。スタチャに会いたい……」


星子に会いたい……。

こないだたまたま通話したらスタチャ状態で『引いてます☆』って言われて以降、会うことも会話もしてない。


中学の時は会う機会も多かったが、生活圏が変わると会えない時間が続く。

和とも最近は会えてない。

星子は確実に高校は同じになるが、和もギフトアカデミーを狙っているらしいし来年また会うことは増えるだろう。


なんでこんなに俺は星子に会えないの?

マスターと咲夜はちょくちょく店に来ることもあり、定期的に星子と会うらしい。

しかし、なんで兄貴の俺は会えないの?

リアル兄離れ時期?

切ねぇ……。


「星子と会いたい……、スターチャイルドに会いたい……」


そっか、引かれたとスタチャ本人に言われたんだった……。

つまり、そういうことだろう。

嫌われたか……。

恋しいあまり、妹に会いたいなんて、俺はシスコンみたいである。


「すいません、待たせちゃいましたね」

「ん?三島か!」

「明智さん、スタチャ好きなんですね」

「う、うん。大好きだよ」


俺の呟きまで聞かれてしまったが、ようやく待ち人が現れる。


「お疲れ様です、明智さん」


『病弱の代償』、三島遥香の到着である。

こういう状態になるので、本来は『偽りのアイドル』編は高校2年生に入ってからやりたかったですね。

早くスタチャが見たかったので後悔はしてません。


近い内に星子出します。

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