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1、谷川咲夜は喧嘩を売る

病弱の代償編スタートです。

病弱の代償編スタートです。









次の日、絵美以外の人から俺のケガを見られた時は質問責めだった。


「相手はどんな奴だ!?俺がラリアットかましてやるか!?」

「結構です」

「私ならネットに晒します。どうしますか明智君」

「結構です」

「秀頼さん!PTAに告発しましょう!」

「結構です」

「ウチがストレートパンチを秀頼のためにお見舞いするぞ」

「君なら返り討ちにされるよ」


タケル、理沙、永遠ちゃん、咲夜と俺を襲った上松に相当キレていた。

被害者の俺より彼らが怒っていて、逆に俺が冷静になる。


「本当に大丈夫なの……?」

「一応原作の流れなんだよ……」


円にはこそっと本当のことを告げる。

絵美らには、全く通じないことだが円にとっては非常に大事なことである。


「なら良いけど……」


円はそれ以上、俺を問い詰めなかった。


「そこまで気にすんなって。一応上松とは和解したからさ」

「貴様はすぐに許すのが悪い癖だな」

「平和的に行こうぜ」

「ウチはそういう過去のしがらみを気にしない秀頼が好きだぞ」


咲夜が抱き付こうとするが、電車の人目があるところでは恥ずかしいので、彼女の肩を抑えてジャンプすらさせない様に対策する。


「咲夜はちょっと秀頼さんに近いんですよ!」

「永遠もすると良い」

「出来ませんよ!」


永遠ちゃんから咲夜の距離感で抱かれたら、俺昇天しそうなんだが……。

咲夜だから流せるけど、永遠ちゃん相手ならそんなの無理だ。




『相変わらず秀頼君は人気ありすぎです……』

『絵美もうかうかしてると負けるわよ』

『最近秀頼君に色目を使いだしてる円が言いますか!?』


絵美と円が会話が聞こえないようにこそこそとやり取りをしている。

ゲームについてのフォローをしてくれているのだろう。

円のフォローには頭が上がらない。




「しかし、上松か……?どんな奴だ?」

「確か長い髪の女の人です!秀頼さんと近い出席番号だったので覚えてます」

「また女かよ!わからせにゃならんか!?」

「あの……、本当に全然気にしてねーから……」


朝の話題は、俺にケガをさせた上松の話題ばかりであった。

絵美が最初に話題にしてしまったからな……。

せめて上松という名前を出さない方が良かったかもしれない。




ーーーーー




みんなで教室に入った時であった。


「おはようございます!師匠!」


俺の足元で土下座をしてきた上松であった。

全員、そのスピード感、脈絡のなさに唖然としていた。

当然、服装はくノ一衣装……ではなく、制服であり良かった。

TPOを弁えた人で安心する。


「教室の床は汚いよ?」

「いえ、師匠には迷惑をかけたので!なんでもします、許してください……」

「なんでもって言った?絶対もう人を襲わないか?」

「……はい。もう2度と刃を向けません」


夢で秀頼に酷い侮辱をされながら殺害されたので、なんかもう許しても良いんじゃないかと思ってくる。

次俺やみんなを襲ってきたら通報するけど……。

敵意も感じられないし、ギフトの能力的にもしかしたら今後戦力になるかもしれないし生かしておくか。

ゲームの世界に染まってしまってるな……。

今後いくらでも味方は居た方が良いのは確かである。


「貴様からはチョロいポンコツみたいなオーラをひしひしと感じるぞ」

「誰がチョロいんじゃ!しかも、貴様って言うな!」

「ウチの個人的な感想だ」

「ただの悪口じゃん」


久し振りに咲夜の個人的な感想を聞いた気がする。

個人的な感想って言えばなんでも許されると思う年齢は流石に終わったことくらいは認識して欲しい。


「ウチらの秀頼を襲ったバカ女とは貴様か。確かにバカっぽい」

「なんで初対面の我に舐めた口を聞く!?我の本気見せるぞ!」

「本気だと?」


咲夜がそう聞き返した時には上松が動く。


「師匠!あの子が喧嘩売ってきますよ!」

「あー、うん。仲良くな……」


教室では暴力に訴える人じゃなくて安心した。

マジ殴り合いしたら咲夜は瞬殺されるレベルには上松も強いのだから……。


「秀頼!なぜ貴様は彼女を許す!?優し過ぎるぞ!?」

「結構君も初対面の時、俺を傷付けることばっかり言ってたよな?」

「うっ……。それを突っ込まれると、ウチも困る……」

「よわぁ……」


上松に侮辱されても、咲夜は言い返せなくなった。

いきなり変なのに懐かれてしまった……。


なんでまともな子が周りには居ないんだ?

俺の周りでまともな部類なのは、理沙と永遠ちゃんくらいか?


俺が彼女を作る大きな弊害になりそうな要因ばかりである……。

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