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番外編、プロローグ1

本編プロローグが終わったので特別ストーリーを作成しました。


今回のテーマは

原作ゲーム『悲しみの連鎖を断ち切り』体験版詐欺にて収録されている日常パートになっています。

本当にゲームが1から始まった瞬間のシーンになります。

コッテコテのギャルゲーを意識したシナリオになっています。

妙にタケルも秀頼もテンション高いです。

散々『どんなギャルゲーなんだよ!』と突っ込まれているので『こんなギャルゲーだぜ!』というのが伝わって欲しいと思い執筆させていただきました。



豊臣光秀君、来栖由美さんが生前にプレイしたギャルゲーと思って読み進めてください。

俺の名前は十文字タケル。


学力は普通、運動神経も普通と特に目立つ特徴のない普通の高校生。


そんな普通の少年。

しかし、中学時代にギフトと呼ばれる神の力が宿っていると診断されたのである。


俺は全く自覚はないながらも、世間からは神様に選ばれた特別な存在なんて言われるうさんくさいものになっていたらしい。


本当は底辺高校でゆるーく生きるつもりだったのに、第5ギフトアカデミーとかいうレベルの高い学校に強制入学で、もううんざりだぜ。

学力普通なのに、優等生が通う学校に入学して俺はいじめられるんじゃないかとちょっと怖いところだ。


そんな俺ではあるが、今は寝ていた。


「兄さん!兄さん!起きて!朝だからっ!」

「あと5分……」

「それ300秒前にも聞きましたよ。ほら、早くっ!」

「普通に5分で良いのでは!?」


妹の切り返しについ突っ込んでしまう。

しかし、俺は眠たくて起きない。


「兄さん起きなさい!起きないとキスするわよ」

「おー、してみろやー」


するわけないのはわかってる。

妹は真面目なんだ。

口だけ星人だぜ。


「……?」


首に妹の腕が巻き付かれた。

……あれ?

あれ?あれ?あれ?


「理沙!ストップ!ストォーップ!」

「っ!?」


うわっ、目の前に理沙の顔があって背中から変な汗が出てる。

どうしたんだ?

普段の理沙はこんな奇行をしない子なのに。


「……なんで目が覚めるんですか兄さん?」

「お前がキスしようとするからじゃねぇぇか!」


俺の妹である十文字理沙は顔を赤くしながら俺を見ている。


「そんなのどっから覚えてくるんだよ!?」

「目が覚めない時に一発で兄さんを起こす方法を明智君に教えてもらいました」

「あんにゃろ……、てかあいつの言うこと聞くなよ!」


俺シスコンだから理沙大好きなんだよ!

普通に間違いがありそうで困る。

明智とは、多分親友みてーな奴。


「あ!兄さんのスマホ鳴ってる」

「うわ、本当だ。しかもちょうど秀頼じゃん」


理沙の言った明智君の下の名前が秀頼である。

明智秀頼はチンピラの幼馴染だ。

そいつが朝から通話をしてきた。

朝イチで学校通う前に電話をしてくるのは珍しい。


「もしもし、秀頼?」

『死ねっ!』

「…………」


ツーツー、と通話状態が切れた。

酷すぎる朝だ……。


「こわぁ……」

「何言われたんですか?」




★選択肢★

→事情を説明する【1周目は強制】

 学校へ行く【2周目以降から選択肢追加】




「死ねって脅された。よほど昨日の夜、あいつのスマホにチェーンメールを30通送ったのが癪に触ったんだろうな」


普段の憂さ晴らしであったが、秀頼には効果的中だったようだ。


「何やってるんですか……。明智君に後で謝りなよ?」

「だってあいつ面白いマンガ紹介してって言ったら萌えマンガの皮を被ったホラーマンガ紹介するんだぜ!?ホラー嫌いの俺にとって最低な行為だろ!?怖すぎて心臓飛び出ると思ったわ!」

「明智君がバンジージャンプする時に兄さんが無理矢理背中から押すから怒ったんですよ」

「あれはあいつが俺の教科書にテスト範囲で重要じゃなさそうなところにアンダーラインを引くから悪いんだ。織田信長とか豊臣秀吉にはアンダーライン引かないで武田勝頼とか北条氏康とか絶対テストに出なさそうなところに線引かれたらキレるだろ!?」

「不幸の連鎖を立ち切ったら?」


お互いイタズラしまくると自重しなくなる。

こんなことを義務教育の間、ずっとやってたからな……。


「ほら、兄さん顔洗ってきて。朝食にしますから」

「はーい」

「ほら、キリキリ動く!新学期なんだから!今日から電車通学なんだから時間ないわよ」


理沙に母親みたいに急かされながら朝の準備をする。

まだまだ着なれないブレザーに身を包み、家を出る。


「ぅぅ、眠い……」

「早く寝ないから悪いんですよ!」

「チェーンメール30通なんか送らなきゃ良かった……」

「バカですか、あなた……」


理沙に突っ込まれながら駅まで歩いて行くと、見慣れた2つの影があった。


「おーい、秀頼!佐々木!おは」

「なんだお前?人のスマホに気前良くチェーンメール送りやがって……」


チンピラ・明智秀頼が俺の顔を見るとうんざりした顔になっていた。

俺だってうんざりしたくなる。


「30通くらい許してよ……」

「30通ぶんは許してやるけどお前全部で32通送ってるからな!2通ぶんは許さねぇ」

「そうやって聞くとお前がスゲー心広い奴に見えるわ」

「褒めんなよ」

「あとキリが良く8通送るか」

「やめろ!容量増えるだろーが!お前の彼女寝取るぞ!」


秀頼が全力で俺がスマホを取ろうとするのを防ぐ。

俺も抵抗して、ポケットからスマホを取ろうと努力する。


「本当に兄さんは子供なんだから……。絵美も兄さんに文句あったら遠慮なく言って良いからね」

「うん」

「うんって言われた!?」


髪を2つ結いし、左目の下に黒子がある子は佐々木絵美。

秀頼の彼女なんだと、羨ましいもんである。


「タケル……、お前とは雌雄を決する時がきたようだ」

「何!?」

「お前のチェーンメールの返信欄に同じ文を転送してやるぜ」

「や、やめろ!純粋に迷惑行為だろ!」

「お前がしてきたんだろ!」

「ぎゃあああ!?チェーンメール来た!?秀頼に送り返さないと……」

「来るな来るな」


駅に電車が来るまで秀頼とバカをしながら時間を潰していた。


「はぁ……、兄さんを高校に通わせて良いのかな……」


妹の無慈悲な呟きが聞こえて凄いショックを受けた。

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