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8、明智秀頼は強くなりたい

さて、本編がはじまるまで残り2年とちょっとしかない。

中学に入り、勉強する機会も増えてきた。

といっても義務教育は前世とほぼ同じ内容。

歴史が結構違うくらいだ。

2000年問題、前世ではパソコンが狂うとかそんな程度であった。

しかし、この世界においてははじめて人間にギフトが舞い降りたという感じに前世から分岐している。

つまり西暦2000年以前の歴史は前世と変わらない。

だからみんな明智光秀や本能寺の変は通じる。


逆に2000年以降はガラリと変わる。

ギフト所持者の力が一気に浸透し、天皇制が廃止され、国のトップも政治に関わるようになり、専制君主制になる。

またギフト専用機関であるギフト管理局の設立など、ギフト所持者が誕生して日は浅いが一気にギフトへ歴史が引っ張られることになる。


ギフト所持者による力の増強。

ギフトの人間を越えた力はやがて、人を大きく変えることになる。

選民思想を騙る考え方の人まで出てくる。

実際にギフトは神からの送られた人外の力。


原作の明智秀頼は、ギフトの力や魅力に取り憑かれた選民思想な考えの者であり、その欲に溺れた人物だ。

これは秀頼(かれ)に限った話ではない。

年々、ギフト所持者による犯罪は上昇傾向にある。


いずれは、ギフトを持っている者と持っていない者の対立する日がくる。

もう時間の問題だ。


そのギフトにより、世界がどんな世界へ分岐するかどうかの狭間にあるのが『悲しみの連鎖を断ち切り』本編内容だ。

つまり、タケルの選択で世界が良くもなるし、悪くもなる。

かなりの重要人物になるのだ。





「今のままじゃ、俺は殺される……」


先日のアイリーンなんとかさんが被害にあったひったくり事件。

ちょうどギフト所持者による犯罪現場。

絵美やタケルらに気付かれない程度に身体を鍛えていた俺はひったくり犯程度なら拘束する程度の技量はある。


ただ、それだけだ。


剣道も確かに俺は強いと自負している。

前世では1回も本気を出すまでもなく、ぶっちぎりで俺が1番強かった。

お遊び部活程度では強くなれる実感がない。


剣道は勝敗が大事ではない。

なぜなら武道だからだ。

礼儀や作法、相手とわかり合うことが大事なのだ。


それを勘違いする部長(バカ)が多いのが、スポーツや武道の人口の敷居を高くしている。

武道は観戦して楽しむ娯楽でも、金稼ぎの道具でもない。

己と向き合うための手段でなければならない。

俺が前世で教え込まれたことだ。


でも俺は、その教えを刃向かう必要がある。

もっと戦うべき力を得る必要がある。

お遊びレベルの力じゃない。


人を殺すほどの力を持たなければならない。

アイリーンなんとかさんレベルの極地へ、高みを目指す必要がある。

そうでないと、『悲しみの連鎖を断ち切り』の世界では生き延びれない。


一般人相手なら無双するレベルの明智秀頼すら、ゲームの世界ではあっけなく殺される。


多分原作の明智秀頼程度なら今の俺の方が幼いが強い。

でも、それ以上に強くなる必要がある。


「さあて、結構ヤバいんでないか?」








ーーーーー



「強くなりたい?アイリーンなんとかさんレベルまで?」

「あぁ」

「……アイリーンなんとかさんって誰?」

「俺も知らんよ」


マスターの喫茶店でコーヒーを飲みながら強くなりたい相談をしていた。


「少なくとも僕の店でコーヒーを飲んでいても強くはなれないよね」

「わかってるよ、それくらい」


どうしても一般人レベルを抜け出せない。

もっと自分の限界を超える必要がある。


「僕の知り合いで凄い人脈のある人が居るんだけど聞いてみようか?」

「あんた喫茶店やってて逆に人脈ないのか……?」

「こんな客居ない店で人脈あるわけないじゃん。それで、聞いてみる?」

「じゃあお願い」


マスターはスマホを取り出し、ポチポチと操作をしている。


「凄い人脈ってどんな人?」

「通称『ギャルマスター』。世界をまたにかける現役ギャルは凄い人脈の集まりなんだ」

「マスター、ふざけてる……?」

「今回は全然ふざけてないよ。ふざけてるのはギャルマスターである彼女の存在だよ。あっ、返信きた」

「はやっ!」


マスターをスマホを片手に操作している。

返信が早いのか、ギャルマスターからの連絡が鳴り止まない。


「ギャルマスター、遠野巫女」

「は?」

「巫女って名前から巫女さんを想像してしまうが、そんなの詐欺レベルでのギャルだ。遠野グループのトップの長女」

「どんなコネだよ……」


遠野グループは、この国では知らない人が居ないレベルのグループ企業だ。

この国どころか、世界に進出している。


「彼女が、自分の弟を紹介するって」

「え?」

「君の師匠になってくれるってさ」

「…………」


うさんくさ……。

そもそもマスターにそんな人脈があるとは思えない。


「来週、僕の店に来るみたいだから来週来なよ」

「はぁ……」


本当かどうかは謎だが、来週またこの喫茶店に来ることになりそうだ。

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