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T-35(34話-2)

ソ連戦車ってカッコいいよね…

T-35


 出てきたのは、いくつもの砲塔を持つ巨大な戦車だった。T-35。後継車設計の時には、かの有名なソ連共産党書記長のスターリンに、「君たちは何故戦車の中に百貨店など作ろうとするのかね」と言わしめた迷(名)戦車である。

 特徴的なのは、砲塔が五個もあることだ。一番大きい砲塔(主砲塔)には当時としては大口径の16.5口径76.2㎜砲を。副砲塔二つには、42口径45㎜戦車砲を搭載している。また、二つの機関銃砲塔には7.62㎜機銃が搭載されている。ちなみに同機銃は6門ある。まさに、陸上戦艦と呼ぶに相応しい武装となっている。反面、この巨大の動かすエンジンは500馬力という貧弱さなので機動性は悪い。そうは言っても30km/s近くは出るので、歩兵よりかは機動力はあるのだが。(比較対象が歩兵って言うね……)また、非力なエンジンのせいで装甲は見た目に反して薄い(最大で30㎜程)。まあ、生産された時期を考えると厚い方ではあるのだが……。

 そもそも、何故このような戦車が生まれたのか。それはイギリス(変態)のせいである。彼の国は時として素晴らしい兵器を発明する反面、時折ゲテモノ兵器を造る事もある。(やはり紅茶は頭に重大な影響を与えるのだろうか?)第一次世界大戦中に戦車という画期的な兵器を発明したイギリスは、戦後も新たな戦車の開発を続けていた。その中で出来たのはA1E1 インディペンデント重戦車という、多砲塔戦車であった。結局、この戦車は試作段階で終わってしまった。ここで終われば良かったものの、あろうことか、世界各国がこの戦車に注目してしまったのである。日本、アメリカ、フランス、ドイツそしてソ連である。(ちなみに何を血迷ったのか大元のイギリスもこの後に、多砲塔戦車を生産する)しかし現在、多砲塔戦車は見られない。それは何故か?一見して、一両あたりの砲が増えて攻撃力が増したように見える。しかし、現実はそう上手く行かない。多くの砲塔が重なり合うようにしてあって、射界が制限されたり、砲塔同士の連携が困難であったり。そして、トドメとなったのはその生産コストの高さである。多砲塔戦車がブームとなった一九二〇年代には何があったか?世界恐慌である。各国が軍事費を減らす中、当然のごとく馬鹿高い金額を払って造る、鈍足、紙装甲、弱武装(当時の大口径砲=主砲の貫徹力は低かった)戦車なんて早々に切り捨てられた。しかし、ある国は独自路線を突き進み世界恐慌の影響を受けなかった。それはソ連だ。資本主義国が不況にあえぐ中、ソ連は資源や資金を大量に注ぎ込み、T-35を生産した。ちなみに、試作車を含めた総生産数63輌は世界最多だ。そうは言っても、欠点の多い多砲塔戦車の歴史は、時の指導者スターリンの一言によって終了する。当然、他国も世界恐慌から立ち直る途中で多砲塔戦車を造る余裕はなく、第二次世界大戦を迎える頃には多砲塔戦車の歴史は終わってしまった。

現代MBTも多砲塔にすべきだ!(病院に行った方が良い)

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