九七式中戦車 チハ車(52話)
ついに出てきたチハたん。何故アイドルにつける「たん」が戦車にもついてるのか…
チハタンクとか?
九七式中戦車 チハ車
言わなくても分かるだろうが、大日本帝国陸軍が運用した戦車だ。
チハというのは、本来開発秘匿名称であった筈だが、戦車乗員の間でも「チハ車」等と普通に呼ばれていた。(秘匿とは…)
なんやかんやで、弱いなんて言われたりするチハたんだが、大抵の場合比較対象がおかしかったりするのが原因だろう。例えば、工業大国アメリカの象徴、M4シャーマン戦車と比べられる事が多い。そりゃ、太平洋戦争中に何度も死闘を繰り広げた戦車だから、誰もが比べたがる。だが、冷静に考えると、チトおかしいと思う。確かに、その2つを比べると圧倒的にシャーマンの方が強い。(だって、主砲が75mmと57mmだし…)
ここで大事なのは、両者がいつ造られた戦車なのか?ということだ。チハたんは名前から分かる通り(皇紀2597年から)、1937年に出来た戦車……と言いたいのだが、制式採用は一応1937年らしいが、これがホントに制式採用だったのか?というのが疑問に残っていたりする。ともかく、1937年に試作が完成し翌年に量産がスタートした戦車だ。
対してM4シャーマンは1942年に量産開始となった戦車だ。この時代は、WW2の影響で凄まじいスピードで 戦車は発達していった。一年や二年経つだけで、戦術も車両もガラリと変わっていたのだ。
つまり、チハと比べるべきなのは同時期(±1年)に開発された戦車が妥当なのである。
そうなってくると、比較対象となるのはチェコのLTvz38(独:38(t)軽戦車)やドイツのⅢ・Ⅳ号戦車初期型、フランスのシャールB1 ter、アメリカのM2A3軽戦車、ソ連のBT-7となる。
この辺りの戦車と比べると、普通の戦車だなという印象を受ける。ただ、細かく見ていくと個人的には器用貧乏だなと感じてしまう。
例えば、歩兵支援であればⅣ号戦車の短砲身75mm砲の方が優れているし、装甲で見ればB1 terが圧倒的である。機動力を見てみれば、M2A3やBT戦車が圧倒的に優れていた。
しかし、乗員配置が優れていたり、無線設備が充実していたりと注目すべき点は多い。また、後続のチヘ、チヌ、ホロ、ホニへと続く日本戦車の基礎を作ったという点は凄いことだろう。
いずれも、比較的ゆとりのある車体設計が功を奏した。
復活した戦車兵達の前に登場したのは、先代のT-35デパートよりだいぶ洗練された見た目の戦車だった。やっぱり、砲塔は一つで良かったんだ……
早速、戦車の特徴や注意事項を説明したあとに、実演してみる。キーを挿してひねる、一般の車と同じような手順で、チハのエンジンが始動する。真っ黒な煙を出す、チハに戦車兵達はびっくりしていた。何せこの煙を見た昭和天皇も「あれは何だ?」と言わせた程である……
九七式中戦車チハ(前期型車体)の諸元は以下の通りだ。
重量 約15t
全長 5.55m
エンジン V型12気筒空冷ディーゼル(170馬力)
最高速度 38km/h
武装 九七式五糎七戦車砲(57mm砲)、九七式車載重機関銃
最大装甲圧 25mm
乗員 4名(車長、砲手、通信手、操縦手)
ホントはチハ車改(47mm砲搭載型)やチヘ車(一式中戦車)とかも出したいけど…
なんか絶望的っすわ()




