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僕の背後にナリスマシ  作者: 黒井 羊
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根暗

 野沢妙高と森山周治が午前中の配送に出かける時に聴く番組のDJは根暗グリーンだ。午前中はバタバタしているのでゆっくりは聞けない。今その番組が流れている。周治はふと思うことがありハンズフリーの携帯で妙高に電話をした。

「おい、なんでこいつ根暗グリーンなんだ。体育会系の超おバカキャラだろ。通称ネアカバカ。」

「深く考えるな。キャラは根明だけど本性は根暗じゃないかと思っただけだ。相手は業界人、妖怪だぞ。」

 妙高がそう答えると周治はいつもより真面目な口調で話し始めた。

「もし盗聴器で俺たちの会話を聞きながら番組をやっていたらだぞ。根暗だったらどうするんだ。」

「非通知で電話かけてくるかもな。」

 根暗グリーンの番組は情報が売りなので携帯はスタジオに持ち込んでいるだろう。ラジオはDJのしゃべりから音楽へと変わった。数秒後に非通知で着信が来た。妙高は非通知拒否の設定をしているので電話は繋がらない。十数秒後、周治から電話がきた。

「非通知来たぞ。お前はどうだ。」

「こっちも来たよ。〈盗聴してるぞ。〉と言わんばかりにな。」

 二人ともやっぱりなという気がした。車の中には盗聴器がありDJは聞きながらやっているのだろう。二人の会話を聞きながら放送していたと考えても不思議ではない。妙高は周治に電話をした。

「なっ、やっぱり根暗だろ。」

 妙高が喋っていると配送車の右側をパトカーが並走して赤色灯を点灯した。 助手席の警官は妙高を見ている。〈そう言う事か。〉妙高は尾行されていたんだと気づいた。周治との通話内容も盗聴されているはずだ。おそらく周治の配送車も尾行されて盗聴されているのだろう。

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