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僕の背後にナリスマシ  作者: 黒井 羊
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盗聴器がいっぱい

 テレビやラジオで自分が考えていることと 同じようなことが放送されたりしませんか?


 同じような内容なら人間って同じことを考えるんだなぁと納得できますが、一字一句完全に同じ内容だと少し気味が悪い。


 ましてや友達とやり取りした内容と全く同じ文章が放送されたりSNSに書き込まれていたりすると、身近なところで妖怪が見ているのかな?聞いているのかな?と思いたくなります。


 なおこの作品はベリーズカフェでも発表しています。

 野沢妙高(たえたか)は車を走らせ始めるとラジオのスイッチを入れた。妙高の仕事は食品会社の商品開発なのだが、何せ暇崎(ひまざき)県暇崎市なる地方都市なので若い人材は県外に流出してしまう。その煽りを受け近年は人手不足で妙高は配送をやった後に会社に戻り取引先の要望を商品開発に反映させるよう課長に指示されていた。

 走り始めて間もなく、ハンズフリーの携帯に電話がかかってきた。電話の主は同僚の森山周治だ。


「おい、ラジオ聴いてるか。昨日俺たちが喋った内容とほぼ同じだな。」

「聴いてるよ。昼のメールと全く同じ内容だ。」

 周治は大手機械メーカーの営業だったが、会社が業績不振のため大幅な人員削減をしたので早期退職してこの会社にやってきた。妙高と周治は年齢が同じで趣味も同じだということがありすぐに打ち解けた。二人の趣味は小説の執筆である。周治が書く小説は純文学であるのに対し、理系の妙高は理屈っぽいミステリーを書いている。作風は全く違うのだが発想が面白いと周治は毎回妙高の作品の校正と校閲をしていた。

 二人のやりとりはお昼休みの昼食を取るときに携帯電話だ。そして二人が携帯電話で小説の内容をやり取りし始めるとおかしなことが起こり始めた。夕方のラジオ番組で二人が昼間やり取りしたのと全く同じ内容が放送され始めたのである。

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